眼窩底骨折 | 白河夜舟

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紹介状にまつわる様々のことなど・・・

年末年始は、骨折の患者さんが若干多いような気がします。

「飲酒後、酩酊状態で転倒受傷」
という紹介状の人が今日もいました。

「酩酊状態」ですから
転ぶ時にいきなり顔面からドーンといったりして
「眼窩底骨折」してしまう人も多いです。


「眼窩底」とは
眼球が収まっている頭蓋骨の丸い窪みの底にあたる部分で
とても薄い骨でできています。


骨折の原因は、
野球のボールが直接目に当たったり
前から殴られたりなど
前方から受ける鈍的外傷になります。


固い物で眼球が押されることによって、
眼窩の中で眼球や周辺の組織が居場所を失うため、
一番骨が弱い底の部分が落ち込んでしまうそうです。

 
受傷により眼球運動が制限され
視野が狭くなったり、複視になることがありますので
多くの場合、眼科を併診して詳しく検査することになります。
骨折が回復すれば症状は改善します。


重傷の場合は手術になります。
骨片の整復術、人工骨を使う骨移植など
想像しただけで大変そうです。


救命の患者さんと違い
紹介状を自分で持ってくる人は
比較的軽度の方が多く
だいたい「経過観察」(つまり何もしない)というパターンが多いです。


冬休み中に受診した幼稚園児の女の子さんは
「公園のアスレチックで遊んでいて転落受傷」していました
診断は「眼窩底ふきぬけ骨折」で
「ふきぬけって?!そんなにひどいの?!」とギョッとしましたが
「眼窩底骨折」とほぼ同じだそうで
結局「経過観察」で帰宅していました。


何年か前には
ママさんバレーの練習を
小学校の体育館でやっていて
「フロアにおいてあるグランドピアノの脚部に激突して受傷」
という30代の方もいました



顔面骨折すると、その腫れ具合は想像以上で
誰もが絶句し声がかけられないくらいの状態です。
かなりの期間、色もすごい事になってしまいます。


まだママさんバレーを続けていらっしゃるのか
ちょっと聞いてみたい気もします・・・



おとなのたしなみ、ショージ君です