今季は、『東京トイボックス』の実写化とはまた別に、昭和のファミコン黎明期を舞台にしたゲームがテーマのドラマ『ノーコンキッド』が放映されております。

OP映像の魔界村やゼビウス、戦場の狼などからしてレトロゲーム好きには堪らないドラマです。

これまでもドルアーガの塔やパックマンなど、往年の名作の数々が作品内でプレイされて来たのですが……

4話で題材になったのは、ドラゴンクエスト2でした。

何と、堀井雄二さんもゲスト出演なさるという豪華さ!

アーケードゲームがメインだった物が、ファミコンの登場によって家がゲームセンターになるという革命。

ソフトを購入して来て、ワクワクしながら一からプレイする過程を描くのは、作中でも初めてでした。


そう、ゲームは欲しいと思った瞬間から物語なんですよね。
ドラクエが欲しくて欲しくて、でも手に入らなくて……
それでも欲しいと願って、やっと手に入れた時のあのパッケージの輝き。
急いで家に帰る道程でのワクワク感。

カートリッジを差し込み、電源を入れ、オープニングが流れ始めた瞬間の大いなる興奮と感動。

そういった部分がとても共感出来るようにしっかりと描かれていて、在りし日の自分を思い出しました。

ちょっと悩ましい名前入力。
飛び込んだ異世界。
城や街でそれぞれの暮らしを営むNPC達。
それら全てが斬新な体験でした。

そして、初めて街を出た時に流れる最初のローレシアの王子一人だけの時のフィールド曲「遥かなる旅路」が余りにも名曲過ぎます。


オーケストラバージョンも、この8bitの原曲バージョンも、本当に最高です(ちなみに、原曲ならば遥かなる旅路ですが、オーケストラバージョンなら「王城」が一番好きです)。

そして、初の戦闘のドキドキ感。

展開していくストーリーに引き込まれて世界に没入して行く感覚。

余りの面白さに思わず叫んでしまうのも、とてもよ~く解ります。
続きをやりたくて堪らない熱狂、まさしく!

しかし、辛いことに主人公達は浪人生(笑)
戦わなければいけない敵は、現実……

それでも、ドラクエをやる為に必死で勉強も頑張る姿にまた大いに共感してしまいます。

「私がストーリーは進めずレベルを上げておいてあげるから、勉強頑張って」
と言ってくれる可愛い女の子は身近にいませんでしたけれども(笑)


そうして、とうとう辿り着いたロンダルキアへの洞窟。
FC版ドラクエ2を最後までプレイした者ならば、絶対に忘れることはないあの地獄のダンジョン。
プレイヤー虐めの如き落とし穴のオンパレードに、無限ループ。
そして、下手をすると最高レベルであっても全滅してしまう凶悪な強さの敵達。

キッド達も、お約束通り幾度となく落とし穴にハマり、ドラゴンの群れが連続で吐くブレスによって何度も何度も全滅させられます。

それでも、必死に落とし穴の位置をマッピングし、稲妻の剣などを手に入れ、そして遂に長い長い洞窟を抜けて辿り着く地上。

そこは、一面が白に覆われたロンダルキア台地。
流れ始める「果てしなき世界」。

あの時の達成感と感動がまざまざと蘇り、思わず涙してしまいました。

実際は、更にそこから祠に辿り着く前にまたブリザード達が不意打ちでザラキを連発して来たり、デビルロードがメガンテをして来たりして全滅するんですけど(苦笑)

しかし、ゲームの素晴らしさRPGの素晴らしさという物をこれ以上なく描き出してくれた神回だったと思います。


お陰で、今朝はドラクエBGMを聴きながらの通勤です(笑)

昔は毎日「冒険の旅」を聴いてから出掛け、帰ったらひたすら「おおぞらをとぶ」を交響曲DQ3のCDで聴いていたものです。

改めて、「勇者の挑戦」の素晴らしさに酔い痴れ、ゾーマの台詞や光の玉の演出の素晴らしさにまた目頭と胸が熱くなってしまうのでした。



昨日、ソフトバンクの孫社長がスマートフォン事業においてゲームで世界一を狙うというニュースが流れました。

大人から子供まで夢中になれて、発売から四半世紀経っても多くの人に愛され、思い出が共有され、BGMをたった8小節聞いただけでも思わず涙腺が緩んでしまうようなゲーム。

理想論であるとは解っていても、一ゲームファンとして、そんなゲームを送り出して頂きたいなと願います。