2009年、観てよかった映画は? ブログネタ:2009年、観てよかった映画は? 参加中
 最近は、特別に映画館で観たい作品の時にしか、映画館へは出かけません。

 DVDでも十分に映画が楽しめるようになりましたから。でも、あの映画館の独特の雰囲気で観るのは、昔から、わくわくするものがあります。

 今年は、ミニシアターで観た映画が中心でした。

 まず、小林茂監督のドキュメンタリー映画「チョコラ!」です。アフリカケニアのごみを拾って生活している子どもたちを描いた作品です。スワヒリ語で、チョコラとは「拾う」という意味で、彼らは世間からその様に呼ばれています。
 シンナーを吸う子どももいましたし、学校へ行きたい子どももいます。親がいても、ストリートチルドレンを続けている子どもがいます。彼らの生活を通して、観客は、それぞれ、現実を受け止めることになります。
 小林監督は、慢性腎不全の身体で、ケニアで長期取材を続けました。万が一の場合を考えて、日本を出発する前に、シャントの手術をしていきました。それ以前も、脳梗塞で倒れるという危機を乗り越えて、素晴らしい作品を作られています。
 帰国後、透析導入となり、透析をしながら、この映画の編集を行いました。文字通り、命がけの制作でした。同じ、透析患者という立場から、作品を見せていただきました。また、岩波書店から、映画と同名のブックレットが出版され、その本を読むことで、より深く映画の世界に入ることが出来たようです。透析患者としての映画監督として、現在も、上映を続けられています。今月は、19日に町田市の和光大学で上映されるそうで、監督も出席します。

 次に、ポレポレ東中野で観たドキュメンタリー映画「ひめゆり」と、劇映画「ゆずり葉」が印象的でした。

 「ひめゆり」は、沖縄戦の悲劇を、ひめゆり隊の生き残りの方の証言で綴られた映画でした。僕が行った日は、特別の試みとして、日本語字幕と共に、映画に手話弁士がつくという初めての試みがなされました。弁士は、米内山明宏さんで、その表現力で、手話での演技を堪能することが出来ました。
 「ゆずり葉」は、ろう者が中心となって制作された初めての本格的な長編劇映画でした。その意味でも、とても記念すべき作品です。監督は、早瀬憲太郎さんです。この作品は、地元でも上映会が行われ、それにも参加しました。ろう運動を背景に、ろう者の生き方を描いたものです。どちらの会場でも、泣き声が聞こえました。

 この3作が、今年、観て良かった映画です。

 今年もあとわずか、もし、出来たら「沈まぬ太陽」を劇場で観てみたいです。