六本木防衛庁跡地再開発・名称は「東京ミッドタウン」! | 三太・ケンチク・日記

六本木防衛庁跡地再開発・名称は「東京ミッドタウン」!


東京・六本木の防衛庁跡地再開発で、三井不動産は14日、再開発地域の名称を「東京ミッドタウン」に決定したと発表した。敷地内には商業・住宅施設のほか、新たにデザイナーの三宅一生さんらのデザイン活動の拠点となる施設もつくることを明らかにした。三井不動産では、年間2500万人の来場者を見込んでいる。名称は米国ニューヨークのミッドタウンにちなんでつけられ、三井不動産の大室康一副社長は会見で、「東京の国際的地位を高める街にしたい」と抱負を語った。


新たに発表されたデザイン施設は三宅さんが運営を担当、服飾などデザイナーらの作品の展覧会などが開かれる予定。設計を手掛けた建築家の安藤忠雄さんは「世界に誇れる日本のデザインを発信する場になれば」と話している。今後はデザイナーの教育施設などの誘致も進めるという。都内最後の大規模再開発プロジェクトとなる「東京ミッドタウン」は昨年5月に着工し、10.2ヘクタールを整備。商業施設やマンションから構成され、総事業費約3800億円のうち40%を三井不動産が出資する。ホテルのザ・リッツ・カールトンのほか、企業では富士写真フイルムやヤフーの入居が決まっている。
産経新聞:2005年 7月15日


サントリー美術館

都心での大規模再開発の最後と言われている防衛庁跡地再開発は、名称が「東京ミッドタウン」と決まりましたが、どうもインパクトがない印象は免れません。同じ六本木では、約500メートル南に、平成15年春、「六本木ヒルズ」が誕生、高級感を前面に出し、全国から観光客が集う新名所となりました。昨年度には4400万人を集めたと言われています。IT関連企業の社長等を初めとする「ヒルズ族」なる人種も生まれました。やはり「テレビ朝日」が同一敷地内にあることが大きいでしょう。マスターアーキテクトはSOM、コアアーキテクトは日建設計です。日米トップクラスの組織事務所、SOMと日建ではあまり期待できそうもありません。


21/21 DESIGN SIGHT?

東京ミッドタウン」は、商業施設やオフィスだけでなく、三宅一生や安藤忠雄が手掛けるデザイン施設(21/21 DESIGN SIGHT?)を目玉に据えるなど、従来の再開発とは一口違った切り口が特徴ですが、果たして目玉になり得るのか疑問です。三宅一生や安藤忠雄では、今更の感は否めません。二番煎じと言われても仕方がありません。2007年完成予定のサントリー美術館も決まっていますが、隈研吾のデザインは部分的であり、全体から見れば規模が小さく、影響は限られたものでしょう。坂倉事務所は元々裏側一部の地主だったこともあり、住居棟を設計するようです。開発主体の三井不動産は「敷地の4割を緑地とし、デザイン施設などでソフト面を充実させる」とPRしています。すぐ近くに黒川紀章と日本設計の設計で、2006年完成予定の「国立新美術館」が建設中で、建物の輪郭は見えてきています。「六本木ヒルズ」の回転ドアの事故の例を持ち出すまでもなく、「大きいことはいいことだ」の再開発は、とっくの昔に終わったと思います。

「東京ミッドタウン」HP:

http://www.mitsuifudosan.co.jp/home/aboutus/bigproject/midtown/

「東京ミッドタウン」:こちらの方が詳しい。

http://www.tokyo-midtown.com/