早大調査隊、エジプトで未盗掘のミイラ発見 | 三太・ケンチク・日記

早大調査隊、エジプトで未盗掘のミイラ発見

カイロ近郊の「ダハシュール北遺跡」を調査している早稲田大学古代エジプト調査隊吉村作治隊長)は21日、古代エジプト第13王朝(約3800~3600年前)ごろのものと思われる、未盗掘の彩色木棺ミイラを発掘したと発表した。埋葬されていたのは「セヌウ」という名の行政官。これほど古い時代のミイラが、完全に密封された状態で発見されたのは極めて珍しいという。木棺(縦182センチ、横57センチ、高さ105センチ)が見つかったのは今月5日。地下約5メートルにあった。全体が黄色で彩色され、表面には水色のヒエログリフ(聖刻文字)で被葬者の称号と名前が記されていた。中のミイラは青や赤の色が鮮やかなマスクをつけ、全身が布で包まれていた。埋葬地の上には約3300~3100年前と思われる別の墓が造られていたため、盗掘を免れたとみられる。吉村隊長は「これほど古い時代のミイラが完全に密封されて見つかるのは珍しく、学術的に高い価値がある」と話している。

先日の新聞に上のような記事がありました。「彩色木棺ミイラ」、凄いですね、どんな人物だったのでしょう。「やったねっ、高宮さん!」と、気やすく声をかけられるような人ではないんですが。高宮いずみさんとは、ある人を介して、数年前、帰国しているときに、何度かお会いしたことがあります。彼女は早稲田大学古代エジプト調査隊には、1987年から隊員として参加しています。現在は吉村作治さんの片腕として、現地代表を務めていると思います。エジプトでの経験は、岩波新書 の1999年に出版された「古代エジプトを発掘する 」という本に、余すところなく書かれています。「古代エジプトの魅力のひとつは、その圧倒的なリアリティである。いまだに天高くそびえ立つ当時のピラミッドや神殿、壁画の中を生き生きと動き回る人々、今にも甦りそうな王たちのミイラは、理屈抜きに魂に直接訴えかけ、震えるような感動を誘う。」と、書かれています。

この本は1999年4月に出版されているので、僕が何度かお会いしたのはその年の暮れだったかと思います。お会いしたと言っても、ほとんど毎回、飲み会のようなものですが。ということは、もう5年半も前になるんですね。内輪の忘年会でパピルスでできたカレンダーをいただきました。果たして、向こうが憶えているかどうかは定かでありませんが。今、「早稲田大学文学部非常勤講師」と書かれた名刺を、探し出して見直してみましたら、僕の記憶とは違っていました。最初にお会いしたのは1998年の9月でしたから、6年半前ということになりますね。そうそうカレンダーも1999年でしたから、いただいたのは1998年の暮れですね。そんなに経つのか、とビックリしてます。エジプトでの遺跡の発掘調査というと、現地の役所との交渉や、灼熱の太陽の下で何十人もの人を指揮して発掘作業を進めているということなので、いかつい男の人を思い浮かべますが、高宮さんは、小柄で物静かでごく普通の女性です。

東京都美術館 で「大英博物館至宝展 」がありました。僕が行ったのは2003年12月ですね、とんでもなく混んでました。会場は狭いし、ゆっくり落ち着いて小さなものは見られず、飛ばし飛ばし、かけ足で見てきました。黄金の牛の頭がついたイラクの竪琴、横たわった女性のミイラ、古代ギリシャのアクセサリーなど約270点が出品されていました。やっぱり目玉は「ロゼッタ・ストーン 」と、「ミイラ」でしたね。しっかりとガラスのケースで防護されていました。僕が、ロンドンの「大英博物館 」へ行ったときは、見たのは「エジプトの間」だけでしたが、質もそうでしょうが、その量の多さには驚きました。その時は、「ロゼッタ・ストーン」は手で触れました。「ミイラ」も何体かありましたが、オープンな感じで、なんの防護策のされてはいませんでした。人に聞いたら、やはり最近はガラスのケースに入っていると言ってましたが。