2005年01月19日 00時13分13秒

小池真理子の「恋」!?

テーマ:本でも読んでみっか
端境期」という言い方があります。前年とれた米が乏しくなり、新米がまだ出回らないころのことをいいます。これが正しい言い方かどうか、本を読んでいると、読んでる本と次に読む本の間にポカッと穴が空き、何もないときがあります。この本は、たまたまブックオフで105円で買っておいた本で、読む本がないときに、気が向いたら読んでもいいかなという程度に積んであった本です。つまり、積極的に読もうと思っていた本ではなかった、手元に読みたい本がないから読んだという本です。実は、ブログの書き込みもそうなんですが、何も書くことがない時ってありません?

という言い訳はともかく、この本は、第114回直木賞 を受賞した作品です。かなり前に話題になった本なので、読んだ人も多いでしょう。「 」、小池真理子 著、1995年10月31日初版発行、発行所早川書房 、ということはこの作品はミステリー?そうです、「ハヤカワ・ミステリ-ワールド」の中の1冊です。普段は、僕はあまりミステリーとか、サスペンスとか、ホラーとか、そういったたぐいの本は読まないんですが。ちなみに、生活を共にしているという藤田宣水は「愛の領分」で第125回直木賞 を受賞しています。

1978年に刊行された「知的悪女のすすめ~翔びたいあなたへ 」というエッセイが、小池真理子 のデビュー作です。著者の美貌 が「おじさまウケ」したこともあり、ベストセラーになった、と言われています。その後も「知的悪女」シリーズを発表し続け、「おじさまウケ」先行のエッセイストとして一世を風靡しました。僕はエッセイストとしての小池はまったく知りません。が、しかし、小池真理子は1985年、初の長編サスペンス「あなたから逃れられない 」で大幅に路線変更し、あの知的悪女が本格的に作家転向して、再び世の注目を集めます。その後、89年には「妻の女友達 」で日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞、96年には「 」で直木賞を受賞するという順風満帆な道を歩むわけです。その後は大人の濃密な官能路線をひた走り、「欲望 」や「美神 」などと続くわけです。

連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた1972年冬、当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、彼ら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?名作「無伴奏 」から5年、官能とデカダン乾いた虚無感が全編に漂う、著者入魂のバロック的犯罪サスペンス

と、まあ、本の裏表紙にはこのように書いてあるんですが、読後の感想は、なんか全編これ陳腐で、サスペンスでもミステリーでもない。どこが「官能とデカダン」なの?どこが「バロック的犯罪サスペンス」なの?たまたま浅間山荘事件が同時期に起こっていたという設定だけで、小説の筋とは何の関係もない。警察官の警戒している軽井沢の駅に、一介のアルバイト学生布美子が、助教授夫妻の別荘へ行くために降り立ったというだけの話。こういう設定が「おじさまウケ」する小池真理子お得意の上手さだそうです。

ネタをあかせば、助教授夫妻が腹違いの兄妹だったという辺りがもっとも陳腐です。そして、いつの間にか田舎の電気屋の青年が現れて、急転直下、雛子と恋仲になり、それに嫉妬して布美子が銃を発射するなんて、しかも狙った人ではない人を撃ってしまうというお粗末さ。そして極め付きは、主人公の布美子が殺人の罪を償って、まじめに生きているところへ得体の知れないルポライター、この物語の狂言廻しのつもりなんでしょうが、が押し掛けて、病気で死ぬ間際の布美子から、タイミングよく話を聞き出せたなんて、これもまた陳腐です。官能的というわりには官能的でない。確かに表紙は官能的ですが。いやいや、それで文句を付けてるわけではありませんが。つまりは、その程度の本がなんで直木賞 なの?と言いたいわけです。
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