数寄屋橋交差点から見たクリスマス風景 | 三太・ケンチク・日記

数寄屋橋交差点から見たクリスマス風景

クリスマス、ということで、もう一丁、クリスマスらしい風景を!
銀座・数寄屋橋交差点から見える、「ソニービル」、その向こうに見えるのは「メゾン・エルメス」です。

あまりにも有名な「ソニービル」は、1966年の竣工、芦原義信の代表作です。地価の高い1等地で物を売っても元を取れないということで、だったら展示スペースにしようと、このようなショールームになったそうです。「ウォークマン」の出初めの頃、よく見に行きました、って視聴しに行きました。このビルの特徴は平面構成がスキップフロア、4層で1階分になっていて、一番上にエレベーターで上ると、あとは商品を見ながら自然と下まで降りてこられるというものです。待ち合わせ場所としても有名、角の小さな広場はその時々の展示がなされます。今は「シャネル」のクリスマスツリーが飾ってあります。

芦原さんはエリート中のエリート建築家、東京大学からハーバード大学を出て、東大教授もやったかな?なにしろ、ハーバードから帰ってきて、丸ビルを歩いていたら中央公論の社長にバッタリ会い、今本社を計画しているので案を出さないか、ということで出したところ採用され、それが1959年には建築学会賞を取っちゃったという人です。本もたくさん書いてます。「外部空間の構成」や「街並みの美学」「東京の美学」等々。駒沢のオリンピック公園や、晩年は池袋の東京芸術劇場などを設計しています。

さて、「メゾン・エルメス」ですが、どうしてメゾンなのかというと、エルメス文化を発信する拠点という位置づけなんだそうです。エルメスは「バーキン」でおなじみですが、このエルメス銀座店、設計はイタリア人建築家レンゾ・ピアノ、関西国際空港でご存じの方も多いかと。イギリス人のリチャード・ロジャースと組んで、パリのポンピドーセンターを設計したことで時代の寵児に。ロジャースはその後、ロンドンの「ロイズ本社ビル」を設計しています。晴海通り側の間口は約12m、奥行きは約47mという細長い敷地に経っているスリムな地上11階建ての建物、2001年の竣工です。外観は特製大型ガラスブロックに覆われて、夜は内部の光があたかも巨大な照明器具のようです。

この二つの建物は、写真のように並んで建っているのですが、竣工年は35年も違うのにも関わらず、まったく違和感を感じません。それにしても数寄屋橋側から望むソニービルのデザインは、長持ちしていますね、オドロキです。