衣装のお値段。 | 蛾衣の京劇衣箱

衣装のお値段。

今日は衣装のお値段についてのお話。

 

普通の洋服ならブランド物じゃなければ大体の値段は判ります。しかし京劇の衣装となるとこれは雲を掴むような話で勿論定価なんてものは存在しません。

衣装の種類(役柄)によって大きく変わりますしレベル(用途)によっても違います。劇迷(京劇ファン)が票房(ファンの集まる所)で着るのなら安い物で二桁元で凝った劇迷やちょっとした劇団で使うなら三桁元くらい一流どころの役者さんがオーダーするのは四桁元と言われてます。

 

聞いた話では梅蘭芳師の息子さんで最後の女形と言われている梅バオジュー師の衣装は10万元(約150万円)だそうです。まあ、日本舞踊の着物はさらに上を行くお値段なんで比較にはならないか。

 

で、値段の差は安い衣装は作りが雑、生地も化繊ですし刺繍も大雑把。三桁元になるとちょいと見には良く見えますが刺繍は機械刺繍で縁取りに隙間が多い物し生地のランクもイマイチです。四桁元で7000元(10万円)クラスになるとそれは素晴らしい衣装が手に入ります。刺繍は勿論手刺繍で熟練の女性が数ヶ月掛かって施されますし衣装自体の重さが違います。

 

10万円が高いか安いかは価値観の違いでしょうけど北京でタクシーの初乗りが10元(約150円)ですからある意味とても高価な物が安く手に入ると感じます。じゃあ何時着るの?と言われると困るのですけど高級ブランドの衣装みたいな物で機会は無くても所有していることで幸福感を味わえると答えることにしてます。(笑)

 

国内で作るとお幾らになるのかは判りませんね。作るところも無いし人件費を考えると50万円でもどうかな?人民元切り上げが何時なのか?それが一番気になる蛾衣でした。