1月26日(火) 入院1日目・後編 | 友の耳下腺腫瘍闘病記~顔面神経鞘腫と診断されて~

友の耳下腺腫瘍闘病記~顔面神経鞘腫と診断されて~

2009年7月、『耳下腺腫瘍』と診断されて、その後耳下腺腫瘍の中でも極めて稀な『耳下腺内顔面神経鞘腫』であることが発覚しました。
2010年1月に手術をし経過観察中でしたが、2012年3月に再手術施行。診察記録や心境、後遺症のこと、生活の何気ないことなどを綴っています。

カンファレンスルームに呼ばれ、両親と共に手術の説明を受けることになりました。



部屋にはO先生の他に、I先生という若い先生が同席していました。



そういえば、ベッドに付いていたプレートの医師欄の一番最後に名前が載ってたなぁ。(4人の医師の名前が載っていました)





O先生の説明は、顔面神経の構造から始まりました。



この図は、O先生の説明と、ネットで調べた情報から私が再現したものです。


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顔面神経は脳から始まり、耳下腺の中で大きく5本に枝分かれします。



黄色で描かれたのが顔面神経の主幹部


ピンクで描かれたのが枝分かれした顔面神経です。


上から順番に側頭枝頬骨枝頬筋枝下顎縁枝頸枝となっています。



1番上の側頭枝はおでこに繋がっている神経で、おでこにシワを寄せたりする動きに係わります。この神経が麻痺すると、眉毛や上瞼が下垂してしまいます。



2番目の頬骨枝は目の周辺に繋がっている神経で、瞼の動きに係わります。この神経が麻痺すると、瞼が閉じられなくなり、常に目が開いていることによって角膜炎などの症状が出てしまいます。



3番目の頬筋枝は上唇へ繋がっている神経で、口角や上唇の動きに係わります。この神経が麻痺すると、口角や上唇を引き上げられなくなり、口を閉じることができなくなります。



4番目の下顎縁枝は下唇へ繋がっている神経で、口角や下唇の動きに係わります。この神経が麻痺すると、口角や下唇を引き上げられなくなり、下唇は健側へと引っ張られてしまいます。



5番目の頸枝は首へ繋がっている神経です。



これらの神経の上から4番目までは、顔の表情に直接係わります。



以上が、私がO先生から説明を受けた顔面神経の構造です。

(私は専門家ではありませんので、先生の説明と多少理解が間違っているかもしれませんのでご了承くださいあせる





MRIの画像を見る限り、私の腫瘍は深葉という、顔面神経よりも深い位置にあるとのことです。



深葉に腫瘍があるということは、顔面神経を通り越して腫瘍を摘出しなければならないため浅葉の手術よりも顔面神経麻痺のリスクが高くなり、術後に起こる一過性の麻痺も浅葉よりも高い確率で起こるそうです。




そして、私の腫瘍にはもうひとつ大きな問題がありました。




それは、顔面神経鞘腫の疑いが高いということ。




顔面神経鞘腫とは顔面神経そのものから発生している腫瘍のことです。



顔面神経鞘腫は腫瘍の発生している場所が判断材料になるようで、



・腫瘍が深葉にある



・顔面神経の主幹部に腫瘍がある



この2つが大きなポイントとなるようです。



O先生の説明を元に、腫瘍の位置を再現しました。緑の丸が私の腫瘍のある位置です。


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O先生の説明通り、顔面神経鞘腫を疑う材料が揃っていますダウン




多形腺腫なら、これは腫瘍の増殖力が高く、将来的に悪性化の可能性もあるので全摘出。



顔面神経鞘腫なら、顔の動きに影響が出ない範囲で腫瘍を摘出する。(腫瘍は残る)



という結論でした。





O先生の説明を前回の診察以来改めて聞いて、顔面神経麻痺というリスクと紙一重なんだと実感させられ、身体中から冷汗が出てくるのがわかりました。



あとは、大耳介神経という耳たぶの感覚の神経を、手術をする上でどうしても切らなくてはならないとのことでしたが、顔面神経麻痺さえなければ耳たぶの感覚なんてどうでもよくなっていました。(本当はどうでもよくないですよっあせる



一通り説明された後、手術の同意書にサインをしました。



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説明が終わり、重い足取りで部屋に戻ると、今度は薬剤師さんが術後に使う抗生剤の説明をしに来ました。




その後、入浴の順番がくるまでベッドでゴロゴロしていたら、今度は麻酔科医が問診をしに登場。





さらにその後、手術の説明に同席していたI先生がやってきました。




私のように手術部位が左右どちらかの場合、どちらを手術するか間違えないように青いバンドを巻かなくてはいけないということで、私は右耳下腺の手術なので右手にバンドを巻かれました。


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入浴を済ませ再びベッドに横になると、頭の中をよぎるのはO先生の説明のことばかり台風






私の腫瘍は一体どっちなの・・・?







手術への不安と緊張で、眠れぬ夜を過ごすこととなったのです。




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