風船を受け取った農家から贈られたトマトを食べ、「おいしい」と歓声を上げる園児たち 福岡県

風船を受け取った農家から贈られたトマトを食べ、「おいしい」と歓声を上げる園児たち 福岡県

 直方市上新入の新入ひまわり保育園(172人)が、ヒマワリの種をゴム風船に付けて飛ばし、拾ってくれた人と交流する活動を25年にわたり続けている。今年も、風船を拾った四国の農家からトマトが届き、園児が26日、赤く色づいた実を味わった。
だが、風船が電線に触れて停電を引き起こす恐れがあることから、同園は今後も風船を飛ばすかどうか、対応に苦慮しているという。日野ムツ子園長は「多くの人の優しい心遣いで、園児たちに豊かな心が芽生えている。何とか継続できる方策を探りたい」と話していた。

 この活動は、園児に遠い土地で花が咲く喜びを味わわせると同時に、拾ってくれた人との交流を深めようと始まった。毎年3月の卒園式で3歳以上の園児約100人が、育てたヒマワリの種と「拾った人は育ててください」と書いた手紙を風船に付け、空へ放している。

 風船は四国や中国地方まで飛び、毎年、風船を見つけた人から10通以上の手紙や贈り物が園に寄せられている。拾った人が育てたヒマワリの写真が送られることもあり、今も年賀状を交換している卒園児もいるという。

 今回届いたトマトは13箱(約350個)で、風船を見つけた愛媛県内の農家が「ヒマワリの種をありがとう。みんなで食べてください」という手紙を添え、保育園に送ってきた。園児たちは「ありがとうございます」と唱和した後、真っ赤に熟れたトマトを口いっぱいにほお張り「おいしい」「甘い」と歓声を上げていた。