若冲ですけど、ニワトリ見ててもいいですか? | ゾンビは走っちゃダメ!

若冲ですけど、ニワトリ見ててもいいですか?

 などと聞きながら、養鶏場でニワトリを観察してたんだろうか? 写真のない江戸時代、いつまでもいつまでもニワトリを眺めていたんだろうか?

 上野の東京都美術館で異様な盛り上がりを見せる伊藤若冲展。http://jakuchu2016.jp/
 なんと入室するまでに待ち時間が120~240分。NHKスペシャルなどテレビで取り上げられたせいでもあるんだろうが、人の列が蛇行したり、折れ曲がったりしながら美術館を取り巻く。覚悟して並び、並びながら昼食を取ったよ。
 中に入っても溢れる人が絵の前でおしくらまんじゅう。若冲の絵は細かいのでじっくり見ようとする人が多く、人の列が流れない。美術館スタッフは「人が少ない所の絵からご覧ください」と繰り返すが、人が少ない所なんてないじゃないか。
 結局、午後12時頃から並び、入れたのが3時、見終わったのが6時。閉館時間は本来、午後5時30分だが、人が多すぎて追い出すに出せない感じ。

 それでもやっぱり間近で見てよかったと思う。若冲は葉っぱの1枚1枚、木の実の1個1個すべて違うように描く。ニワトリの脚のつぶつぶも1個1個丁寧に。きっと神経質で、社会生活はうまく送れなかった人なんだろうな。なんて余計なお世話だ。
ニワトリ
 ニワトリの絵が多いが、そんなに好きだったのか?「若冲ちゃん、晩ご飯は何がいい?」「チキンライス!」ゾウは……まぁ仕方ないか。江戸時代の画家は、ゾウやトラは見たことないから想像で描く。
ゾウ
 動植物の絵が多いが、人間はあまり魅力的に描かれていない。釈迦三尊像も、なんだかゲイバーのおっさんみたいだ。きっと人付き合い苦手なんだろうな。社会生活はうまく送れなかったんだろうな。だから余計なお世話だ。
釈迦三尊像