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2016-11-13 19:15:12

登場人物の目的

テーマ:映画鑑賞

 『ルーム』は2部構成のような映画。主人公は17歳で誘拐されて7年間、部屋に監禁されている女性とその息子。5年前に誘拐犯によって産まされた子供は、部屋から一歩も出たことがない。

 

 第1部は、母子の監禁部屋からの脱出劇。子供が死んだふりをして、外に運び出された時に逃げようとする計画だ。ここまでは登場人物の目的も、映画の目標もとてもはっきりしている。なので観客も脱出がうまくいくように祈りながら観ている。子供がトラックから飛び降りる。誘拐犯が気づいて追いかけてくる。子供はぶつかった通行人に何かを訴えようとするが、うまく伝わらず……。

 脱出劇や脱獄ものの映画はよくあるし、傑作も多い。観客は迷うことなく、スリリングな展開に没頭できる。でも、『ルーム』のすごいのは、脱出した後を描く第2部があるところだ。昔話で言えば「男の子はその後、幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし」の「めでたし」から、また話がスタートする。

 「めでたし」って何だ? 普通の一般的な暮らしに戻るということだろうが、それはどうしたら「戻った」と言えるんだ? ましてや、この子は生まれてから普通の暮らしを経験したことがない。母親と誘拐犯以外の人間とも接触したことがない。脱出劇と違って、ここから登場人物に明確な目的はない。映画の目標が見えなくなる。この映画はどうなったら終わるんだ?

 

 『ルーム』はとても納得のできるラストを持ってきた。ああ、その方法があったかと思った。一粒で二度おいしい映画である。

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2016-11-06 21:50:30

人生最安値

テーマ:旅行

 いつも大阪で泊まる時は、新世界からJRを挟んで向かいの西成区のドヤ街に宿を取る。この辺りはもともと季節労働者が滞在するための安宿がたくさんあった所だが、最近は観光客も割と多く泊まり、インターネットで調べて外国人も来てしまう。それでも、街中には怒鳴り声が響くなど、おっさんの徘徊率が高い。

 そんな中、自分はいつも2,000円台の、この辺りでは割とリッチなほうのホテルに泊まっていたが、今回はネットで1泊1,100円の宿が出てきたので、ここでいいやと思って予約。

 部屋は布団が敷けるだけの広さ。トイレは共同、シャワーは男性のみ。風呂は週2回だけ湯が張られるそうだ。エレベーターは奇数階しか止まらず、この地域ならではの貼り紙が。外階段に通じるドアはガラスがきれいに取り除かれていた。でも、寝るだけなら何の不自由もないホテルだ。

 いやー、これは、国内では今までで最安値の宿だなぁと思いつつ、ふと窓から通りを見ると、向かいのホテルが「950円」。くそっ、150円損した気分だ。

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2016-11-03 22:41:25

大妖怪展、西へ

テーマ:旅行

 東京で見逃した「大妖怪展」が大阪で開かれているので、観に行く。妖怪はいいよなぁ。学校も試験も何にもない上に、死なないし病気も何にもないからなぁ(鬼太郎の歌参照)。弱っちそうに見えるのでも、人間の体内に潜んで悪さをする手ごわい奴なのだ。しかし、絵はへたくそだなぁ。

 

 大妖怪展の後は生野のコリアンタウンに行き、ソウルで何度も泊まった大元旅館の若旦那が経営している店へ。店の名前はそのままに大元だが、旅館ではなく、韓国で流行っているかき氷やフルーツジュース、甘辛の唐揚げなどが食べられる。かき氷は韓国から取り寄せた機械で作られていて、日本のかき氷とは全く違い、パウダースノーのよう。 

 大元旅館が閉館してしまい、ソウルで泊まる際には毎度、宿探しに苦労するようになってしまった。あんな雰囲気のゲストハウスはもうないものなぁ。

 でも、生野のコリアンタウンに、若旦那のフレンドリーで温かいおもてなしは健在だった。

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2016-10-22 22:35:30

おうまさんのなかは、ぽっかぽか

テーマ:映画鑑賞

ふぶきがちかづいてきました。

レオくんはおおいそぎで、しんだおうまさんのおなかから内臓をとりだします。

うわー、おうまさんのおなかには内臓がいーっぱいあるんだね。

内臓をとりだしたレオくんはふくをぬいで、おおいそぎでおうまさんのなかにはいります。 

おうまさんのなかはぽっかぽかで、ふぶきがきてもへいきです。

レオくんはおかあさんにだかれているように、すやすやとねむってしまいました。

 

 『レヴェナント 蘇えりし者』を童話風に表現すると、そんなとこか。翌朝、馬の腹の中から這い出てきたレオナルド・ディカプリオが、馬に「ありがとな」みたいにポンポンと触るシーンが好きです。馬にしてみれば、たまったもんではないけど。

 アメリカの西部開拓時代のサバイバルを描いた映画。ちょっと前の祖先は壮絶に生き抜いてきたわけだ。「人を殺してはいけない」とか「命を大切に」とかは人間社会がつい最近になって作り出した概念なんだろうなと思う。人間同士も他の動物とも殺し合わなくちゃやってられん。

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2016-10-01 18:03:21

向田邦子的シャーロット・ランプリング

テーマ:映画鑑賞

 原題は『45 YEARS』だが、邦題は『さざなみ』。命名に苦労した様子が感じられるタイトルである。

 何が45年かというと、結婚して45年になるイギリスの夫婦が主人公。土曜には結婚45年のパーティが予定されているが、その前の月曜に夫の昔の恋人の遺体が発見されたというニュースが届く。恋人は50年前にスイスで氷の割れ目に落ちて亡くなったため、遺体は当時のままであるという。その情報がもたらされて以降の6日間、それこそ「さざなみ」のように夫婦の間に波紋が広がる。

 その恋人が亡くなったのは、夫が妻と出会う前の話。夫は浮気をしていたわけではないし、本来は妻は気にしなくてもいいことだ。それでもどうしようもなく「さざなみ」は押しとどめようがない。パーティがあるから、仲睦まじい夫婦でいなくてはいけない。長年連れ添った夫婦の絆を、周囲にアピールしなければいけない。向田邦子がよく、こういう世界を描いていたなぁ。人間の表面と内面は違いますよ。みんな、取り繕って生きているんですよ。

 

 これはもう、初めに妻を演じるシャーロット・ランプリングありきの映画である。シャーロット・ランプリングももう70歳かぁ。円熟の最果ての地に行ってしまったような女優である。

 情報はなかなかもたらされない。夫の元には遺体が発見されたという手紙が来ただけだし、妻はなかなか昔の恋人の写真を見せてもらえない。観客なんか、もっと見せてもらえない。シャーロット・ランプリングの中に疑いが満ちていくのを見守るしかない。

 ラストはどうするんだろう?と思いながら観ていた。夫を殺す? 自殺する? 結果は、想像し得る限りで一番残酷な終わり方だった。向田邦子だねぇ。

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