よしながふみ女史の本は何冊か持っていてお気に入りなのですが、「大奥」は1巻が刊行された時にパラ読みした程度。
二宮君の映画も見てないし、TBSドラマでやってるのも偶然目にしただけだったのですが。
大河ドラマ「平清盛」で平重盛役の硬派な俳優さんがチャラ男の捨造をとっても上手に演じていたのが目にとまり見始めると、まぁまぁ達者な役者さんばかり。
堺雅人さんの有功は原作ファンも納得だ、とは聞いていたけれど、然もあらん。
かつ、夜行バスで東京遠征の折、休憩に入ったネカフェで原作本を繰ったところ、家光に関しては、多部ちゃんの圧勝じゃない?
あの薄暗い業を背負った眼差し。
原作の家光があまりに普通に少女で、多部ちゃんの持つ雰囲気がドラマ特有のものだと分かって、私はドラマに軍配を上げましたね。
有功も堺雅人さんのが魅力的で。
あの抑制美。品。透明感と闇の深さ。
よしながさん特有の生臭さのある純愛も大好きなのですが。
麻生さんも平山さんも…とにかく上手い!


で、このドラマって男性は視聴に耐えられるのだろうか。
主人公は所謂、「耐える女」だ。かつ「都合のいい女」だ。
(注:主人公の有功は男性。無理やり家光(♀)の側室に迎えられた元僧侶)
伝統的に女性に科されたポジションを我が身に転嫁された時、男性は耐えることが出来るのかな。
一生物と定めた仕事を取り上げられ、そんなことよりお前の価値は種馬だ、と飼い殺し。
あげくは種無しだから身を引け、とか。
女性にとっては、慣れた痛みというか。言われ慣れた論法というか。
でも、男性は…ここらへん超ナイーブじゃない?
仕事にしても性にしても。
不妊治療だって女性の何倍も嫌がるって言うのに。
主人公の痛々しさはちょっと辛い。
かつ、ムチャクチャ強いよ。
それは所謂男性的な強さではないかもしれないけれど。
正直、ありえん男性だと思うけれど、堺雅人さんは凄い説得力を持たせているなぁ…。