忘れ得ぬ9・20=全員野球の勝利に沸く杜の都=~9・20クリネックススタジアム観戦記(後編)~ | 町田堂野球魂日記

町田堂野球魂日記

2013年は、もう始まっている!

(前編より続く)

 2010年9月20日、私たちはこの日を、決して忘れる事ができない日として記憶する事でしょう。「鬼門」とされていた仙台市・クリネックススタジアム宮城。そこで累積した連敗は、16。そこにストップをかけたこの日の勝利はゲームとしても凄まじかったです。

 2010年の仙台のファンが初めてこの地で見た勝利試合-間違いなく、今季これまでのベストゲームとなるでしょう。それでは、「9・20」試合編を綴りたいと思います。


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 諸般の事情で球場入りが遅れた我が家。着いた頃には・・・


町田ロッテ2号
 「カルトE」のお時間でした。しかも、最終問題!お二人が同点だったので、「サドンデス」の問題でした。問題は、こちら!


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 むちゃくちゃマニアック・・・。

 マーティ・ブラウン。「ベース投げ」や「内野5人シフト」で有名なおっちゃんですが、実はカープの「助っ人」だった時代があります。1992~1994年、背番号43の選手でした。まぁ「助っ人」としては大して成功していませんが、ホームランは通算50本打った・・・らしいです(さすがに町田ロッテ的にもさほど印象は、ない)。


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 司会はお馴染みの古田優児さん35歳。鉄平ファンの女性が当てずっぽうに「う~ん、46本?」と書いたのが幸いして優勝し、その景品を渡すところでした。


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 かると~・・・E!

 いや、こんなペースで書いていては最大のメインである試合なんて書けないので、とっとと先に進んじゃいましょう。


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 「さあ、17連勝するわよ!」と、これまで今季無敗を誇っているKスタでのロッテ戦の勢いを借りてゴールデンエンジェルズは舞います。しかし、踊りバラバラ(笑)。


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 青野毅選手がカップヌードルをもらっているセレモニーから始まります。この日は「カップヌードル」マッチデーみたいなやつで、入口ではカップヌードルが配られましたが・・・


 お湯が、ない!(笑)結局もらった観客は皆、そのまま持って帰るしかなかったでしょうね(試合後にダイエー仙台店にお買い物に行った際、「万引きと間違えられないかしら?」とドキドキでした(笑))。


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 この日のラインナップです(しかし「カップヌードル39周年」って、半端にもほどがあります)。こういう時こそ「39番対決」で捕手はマッチと井野卓だったら面白いのに、と思いましたがマリーンズはやはり斉藤俊雄。このカードここまで全くの精彩を欠くトシオ・・・3戦目となるとスタンドの声も厳しく、トシオファンの我が家にとってはちょっと辛かったですね。


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 しかしやはり重要なのは投手の出来。前回の西武戦では序盤に大量失点をしてしまい優勝戦線からの離脱をほぼ決定づける「3タテ」を食らうことを決してしまったペン。真価が問われるマウンドとなります。


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 センターを守る聖澤諒。

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 ライトは牧田明久。


 ここまでいろんなバッターに打たれ尽くしたマリーンズですが、この両者には特にイタイ目に遭わされています。シーズン本塁打のほとんどを供給してしまっているマリーンズ、まずはここ、気をつけたいところです。


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 スタンドには、盛り塩をもって臨みます。もう負けるわけには、いかないのです!


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 楽天先発は永井怜。やはり岩隈久志、田中将大に次ぐ先発の核ですがここまで9勝10敗。チーム状態と同様やや苦しんでいる2010年。そんな永井から・・・

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 いきなり主将・西岡剛!放り込みます。逆方向に伸びた打球がぐんぐん伸びて、レフト内村賢介も途中で追うのをやめる・・・191本目のヒットは、華麗なる先頭打者弾でした!


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 そして5番・福浦和也。エラーで出した井口を塁上に置くもツーアウトでしたが、ここで2点目を叩き出すタイムリー!試合を優位に運びます。


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 結局残塁に終わりますが、サブローも初回に福浦に続いてヒットで出塁します。ツーアウトからもつなぐマリーンズ、「今日はイケる!」そう思わせてくれます。


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 一方マリーンズ先発のヘイデン・ペン。初回は素晴らしかったです。怖い怖い聖澤を三振に仕留め、続く渡辺直人もファウルフライ・・・


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 そして前日サヨナラヒットの高須洋介先生。こちらも何をしてくるか分からん恐ろしさはあったのですが・・・


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 キャッチャー俊雄が引き出す、アウトコース高目の速球に、高須のバットは空を切ります!打つべき人がリズム作って投手もそれに応える三者凡退。この相乗効果で「イケる!」感はますます強くなります。




 しかし、ここはKスタ、「呪いの地」でした・・・。ペンは2回以降、「へん」になります(ん?)。

 町田ロッテがスタンドから離籍した瞬間、山崎武司にソロ・・・。実はこのホームランのみならず前日の聖澤、牧田、高須のホームランは全て町田ロッテが見ていないときのもの。そうか、私がしっかり見ないと打たれるのか・・・。このとき、「なう」が一本入ります。


 「トイレもガマンして、スタンドでしっかり野球を見て下さい」(笑)。はい、ごもっともです。


 しかし町田ロッテがスタンドに戻っても「へん」に半濁音はつかず、ぽろぽろ打たれるのです・・・。3回には、怖い怖い聖澤をツーベースで出してしまい・・・


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 やっぱり高須先生。。。得点圏では変態的な働きをする巨匠にあっさりタイムリーを浴びて同点となってしまいます。やはりKスタ、そんなにカンタンじゃあ、ありません。


 しかし、この日のロッテは執念が違いました。たとえペンが「へん」でも、打線がそれを盛り返します。投手が苦しい時は打者が助ける、打者が苦しい時は投手が踏ん張る・・・強いチームができる戦いを、この日はしっかりとライトスタンドの我々に見せてくれました。俺たちは、いつも負けるわけじゃない!そこが敵地でも鬼門でも、関係ないぜ!

 高須クリニック大繁盛の後の4回、ややパッチリ二重になった永井の目を再び多部未華子ばりに腫れぼったくさせる攻撃!1アウトから清田がヒットで出塁すると・・・

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 打席にはトシオ。。。ついに1割を切ってしまったこのバッターに対してスタンドは厳しく、一打席目にはジンさんからも・・・

 「お~い! トシオ~!」(え?何言い出すの!?)

 そして・・・

 「もうちょっと・・・しっかりしろ~!」(ガーン・・・)

 まぁ、ショックでした。「一死一塁」の場面においての斉藤俊雄、スタンドの98%は進塁打すら期待していなかった事でしょう。しかし・・・何とバントで送ります!カウントはツーアウトとなってしまいますが無為にアウトになるよりかは遥かにいい進塁となります。心の裡には「ここで打ったらカッコイイぞトシオ!」と思っていた私でしたが、まぁ今のトシオのバッティングの実績からしたら仕方がありません。「自身に今できる仕事」をしっかりこなしたトシオ・・・そしてこれが得点を生みます!西岡がフォアボールを選んだ後に今江タイムリー!再び、勝ち越します。

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 そしてなぜかカラスコ登場!(笑)。突然過ぎて、唖然としちゃいました。


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 そのままレフトスタンドへ。う~ん、これはなんだったんでしょうか。


 しかしイーグルスを盛り立てようと登場したカラスコだったのでしょうが、4回以降は援護を貰った「へん」に半濁音がついてヘイデン・ペンは「6者凡退」!うん、今日のペンは大丈夫そうだ。


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 試合は3-2でマリーンズリードのまま後半へ。しかしまたまたヘンなのが登場。不吉だ・・・。


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 Kスタのこなっちゃん的なお姉さん、かなりパンチが効いています(笑)。


 6回、マリーンズは突き放すべく清田が再び1アウトからヒットで出塁。しかしこの日の清田は8番打者。という事は・・・次はトシオ。。。


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 ところがなんとトシオ、ここでも「1アウトからバント」をし、しかも決めます!打てないボクができる仕事・・・とにかく何点あっても不安なこの球場ですから、とにかく塁を進めることだけを考えてくれました。これは、グッジョブでした。


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 そしてそれが西岡の2ランホームランを呼びます!これで192安打目!しかも3点差!そして西岡を迎えた2人、今江もヒットで出塁し・・・


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 気付けば永井は6回でこんな球数に・・・


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 そして「とどめじゃ!」とばかりに井口タイムリーツーベース!


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 この時点で4点差!永井は結局6回で降板となります。うん、これは勝つよ!


 甘かった・・・


 6回ウラの事でした。何と出てきたのはペンでなく、西本コーチでした。そして内竜也がマウンドへ登ります。このとき思ったものです。「どう考えてもペンの降板、早すぎる・・・こういうのがリリーフへの皺寄せとなるんじゃないか!?」

 事実、危惧は現実のものとなります。


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 またしてもこの「63番」・・・。内はロクに抑えられず、牧田にタイムリーを浴びて3点差。

 そして慌てて繰り出した古谷拓哉でしたが・・・ここで斉藤またまたパスボール。ランナー生還してしまい2点差。


 ちょっと、ドタバタしてきちゃいました。縮まる点差、募る不安。


 しかし「取られたら取り返せ」のマリーンズは死んではいませんでした。永井を継いだ左腕・佐竹健太の前にあっさり2アウトとなった7回も・・・


町田ロッテ2号

 大松尚逸、復調気配を感じさせるマルチヒットで出塁。しかも左からです。

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 そして楽天投手が川岸強に交代するも、清田育宏続く!何と清田はここで猛打賞となります。しかし清田が出たという事は・・・トシオ。。。ここは2アウトなのでバントするわけにはいかないでしょう。ただレガースをつけてネクストで素振りしていたトシオ、外したのはレガースではなくて、この打席でした。


 さすがに代打です。

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 驚きました!「俺の角中」です!町田ロッテが入団当初から応援する努力の人。


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 しかし1,036インチが映すのは、厳しい現実。ここまでゼロまみれ・・・確率としては、トシオ以上に打てない事になっています。であればゼロじゃない部分、わずがではありますが「出塁率」に期待するしかありません。

 そして角中、期待に応えます。


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 フォアボールで出塁!実はここで西岡につないだのが大きかった7回の攻撃。そして西岡、ボテボテのセカンドゴロになり、高須はショートにトスしますが・・・


 一塁走者の足が勝り、セーフ!これが貴重な7点目となるタイムリー、かつ西岡の25回目の猛打賞を決める193本目のヒットとなります。


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 その一塁走者は、角中でした。打率は未だに数字を刻めない彼ですが、武器はやはり「足」!そして随所で選ぶ四球が得点になっているのも事実で、まだまだ彼が一軍で活躍できる可能性、とても大きいです。

 2度のバントを決めた斉藤といい、この回の角中といい、とにかく全員で勝利に向かってがむしゃらに野球をしている姿を見せてくれていました。本当に、素晴らしいゲームです。もちろん、勝てばなおさらステキ!


 しかし、そうカンタンでないのも、野球のもう一つの顔です。徐々に空は暗くなり、暗雲はやってきます。

 ペンを早く降ろしてしまったので「それ見たことか!」と毎度お馴染みの早めの継投となったマリーンズは、古谷が聖澤に内野安打を打たれた時点で薮田安彦を送ります。ただこの早めの継投、現地ではそう言ったものの、後で分かったのですがどうもペン、首かどっかを痛めたらしいです。それゆえの降板だったようで。

 そしてそんな状況の傍ら、聖澤は走り、内野ゴロ2つであっさりさっきの1失点を相殺する楽天。再び2点差・・・。そして、肝を冷やす場面も。


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 山崎のショート後方のフライ、何と西岡と清田が交錯!!

 絶句してしまいました。今や野手の要となっている二人が一挙に負傷離脱したとすれば、それは即ち「終戦」と言ってもいいくらいの痛手・・・


 とにかく、立ち上がってくれ!


 そう願っていた時・・・


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 「清田!清田!清田!清田!・・・」

 心を打たれました。レフトの楽天ファンからも、倒れて動けぬ清田に向かっての「清田コール」がありました。仙台のファン、本当に素晴らしいです!こういう時、敵味方もありません。


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 そして清田、何とか大丈夫そうでした。これはホッとすると同時に、楽天ファンに畏敬の念を抱いてしまいました。


 ただ戦いは別です。ロッテは、このまま勝たねばなりません!だが・・・


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 何と言う事だ・・・。

 まさかの薮田被弾で、7-7の同点についに追いつかれてしまいます・・・。

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 聖澤でした。ロッテとしては彼によるショッキングな本塁打がここまで非常に多いという印象があるのですが、この本塁打は何と「5号」。うち3本がロッテ戦で、全て覚えています。

 大嶺祐太(たしか)が食らった満塁弾・・・。

 前日の吉見初球の先頭打者弾・・・。

 そして、コレ・・・。


 うん、打たれすぎです。


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 本当に、勝てない・・・。

 いくら点があっても、追いつかれてしまう・・・。


 それゆえここは「鬼門」なのか。


 私自身「都合6連敗」のこの地で、現地・仙台のファンはロッテの勝利を1年以上見ていません。かつての「ジプシー」だった1974年に優勝を決めたこの地には、町田ロッテの人生を超える期間ロッテを愛し続けたファンもいます。ロッテにとって縁が全くないわけではないこの地での屈辱・・・そろそろ終止符を打たねばなりません。

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 流れを変えたのは、60試合目の伊藤義弘でした。

 3年目の今シーズンは誰よりも多く投げ、初めて故障での離脱も経験した2010年でした。9月の正念場で戻ってきたセットアッパーはやや苦しみましたが、この試合の流れにおいて貴重な「堰(せき)」となりました。3番・高須先生からの恐ろしい打順-いつもながら、不公平なくらいしんどい場面を担当させられます。しかし・・・

 高須洋介、左飛。

 山崎武司、三振。


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 そしてランディ・ルイーズ・・・三振!


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 伊藤がいい流れを作って、延長戦に突入します。


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 もう総力戦。さっきの代打角中の後にマスク被った的場直樹にも、代打ひさおを送ります。すると10回からは3人目のキャッチャー、田中雅彦となり、伊藤は10回もマウンドに登ります。「どんな仕事も嫌がらずに取り組む」をモットーとする田中は「捕手3番手」という立場にも腐らずに2イニング目の伊藤をリード。そして伊藤も魂の投球で応えます。

 6番・草野大輔、二ゴ。

 7番・嶋基宏(危うく「嶋大輔」と書くところだった(笑))、二ゴ。

 そして8番はあの男、牧田明久。


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 右飛!

 伊藤義弘、怒涛の「2回完全」投球でした!


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 そんな伊藤から襷(たすき)を受けたのは・・・これまた驚きました、小野晋吾です。実はここ暫く登板のなかった晋吾、西武戦にメッタ打ちに遭った後でしたから「配置転換の先発戻し」もあるのかと思っておりました。事実前日の宏之を前倒しにして起用し、高須先生のサヨナラ弾を浴びた試合においても登板はなかった晋吾ですから、ここでのリリーバーは意外でした。ただ・・・既に内、古谷、薮田、伊藤は出しており、宏之2イニングは「暴挙」としか言えない場面・・・もうブルペンには晋吾と川越英隆しかいない状況では今後のプランを崩してまでも投げてもらわねばならない場面だったでしょう(尤も「プラン」が先発復帰であったかは定かではありませんが)。

 まさに、「明日なき総力戦」です。これが、終盤の戦い方か。

 デッドヒートの真髄を今、見ています。


 さて晋吾。先の伊藤の場面からそうだったのですが、失点即ち「17連敗」という修羅場において、1アウトからランナーを出してしまいます。そのランナーは、またしても聖澤・・・。三塁打を打てばサイクル、という場面で許したのは、内野安打。もちろん三塁打が出れば外野フライで終戦という状況ゆえ、そんなもの献上するわけにはいきません。しかし、大したバッターです。そしてアウトカウントはまだ1つ、俊足を得点圏に進めるのはかなりナインを凍らせるものとなりますので次の渡辺直人には、「送らせない、走らせない、進塁打すら許さない」という凄まじい条件が要請される場面です。晋吾・マッチのバッテリーのみならず、守備も神経を使う・・・


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 いかに!?

 ・・・


 何と4-6-3!併殺でチェンジ!!

 ロッテにとってはとてつもなく大きく、楽天にとっては最悪の結果となりました。


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 暮れなずむ宮城野に、照明が灯される---延長12回。現行ルールでは最終回となる延長12回。オモテにロッテが無得点に終われば、連敗は止まらない事になります。


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 ライトの黒は、ここで集結します。最終回に全ての想いを賭けて。関東圏から敢えて「鬼門」に臨んだ熱いファンも、現地のファンも。

 1974年の村田兆治に惚れた者も、1980年のレロン・リーに魅せられた者も、1988年の高沢秀昭に勇気づけられた者も、1995年の伊良部秀輝に夢中になった者も・・・そして2005年のヴァル・パスクチを愛した者もww


 ここで止めるんだ!

 仙台で、勝利を見るのだ!

 負けねぇぞ!


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 しかし楽天・山村宏樹の前に清田、田中があっさり倒れて2アウト。。。バッターボックスに向かうのは、主将でした。いつものように体を「逆く」の字にし、バットは傾(かし)ぐ。


 終わりません。194本目はライト前。


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 そして、今江敏晃は一瞬でした!というより、気づいた頃には打球は内村賢介の遥か向こうを転々とし、上川誠二の腕は回り、主将は既に三塁キャンバスを突っ切っていました。


 西岡と嶋の交錯の後、数秒あったと思います。




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 球審・秋村謙宏の腕は、広がりました!


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 さらにその後もつなぎ、テギュンもタイムリーで9-7の2点差。




 そして、いよいよ12回裏です。


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 やはり最後は「41」です。連夜の敗戦投手となってしまった小林宏之にとって、最高の雪辱の場面が訪れます。

 もう、宏之と心中するしかないのです。スタンドの総意は信頼を伴い、全て彼の右腕に託されます。


 「鬼門」仙台を終わらせるのには、宏之以外にはいません。きっと、眠れぬ杜・・・苦難、艱難、困難、全てに終止符を打つべく、小林宏之はあらん限りの魂で、放る。


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 11球目はやはりフォーク!ルイーズの外へ鋭く落ちて、バットには当たりませんでした。


 終止符は、打たれました。


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(9月20日・クリネックススタジアム宮城)

M:200103100002=9

E:011002120000=7

勝:小 野(5勝4敗0S)

敗:山 村(0勝2敗1S)

S:小林宏(3勝3敗28S)

本塁打:【ロ】西岡10号(1回永井・ソロ)、西岡11号(6回永井・2ラン)/山崎26号(2回ペン・ソロ)、聖澤5号(8回薮田・2ラン)


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 2010年、仙台の地にて初めて西村ダンスが舞われる瞬間、時刻は18時前後でした。


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 「一試合一試合、全部勝つしかない」ヒーロー、今江は語ります。

 この勝利がCS出場をぐっと手元に手繰り寄せたもの、というわけではありません。同率3位日本ハムもオリックス相手に勝利を収めており、苦しい戦いはまだまだ続きます。そして両者の直接対決は既に残されていない状況ゆえ、どちらのチームも次に迎える戦い一つ一つを、とにかく勝っていくしかない苦しい最終コーナーとなっています。1勝は、1勝でしかない・・・


町田ロッテ2号
 とはいえ、この地での初勝利はやはりとてつもなく大きく、照明が落とされてもなおスタンドは熱く、人は涙し、抱擁し、雄たけびを上げます。

 2010年9月20日。新聞やニュースでは大きく取り上げることのない、パ・リーグ3位チームの1勝に過ぎません。しかしこの地に身を置いた者としては、決して忘れ得ぬ9月20日となったと思います。


 間違いなく、(ここまでのところの)今年一番のゲームでした。ベンチ入りした全ての選手の想い、スタンドの想い、お茶の間からこの熱戦を応援した全国のファンの想いが結実した、宮城野でした。


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 「鬼門」とは、もしかしたらみんなの心の中に知らぬ間に占拠していた虚構に過ぎなかったのかもしれません。それを打ち破ったのは、この日の素晴らしいゲームでした。この場にいる事ができた僥倖に、ただただ感謝するばかりです。


◇◆◇

 その翌日、「強さ」を得たマリーンズは圧倒的な投打の力で難敵イーグルスを撃破します。

(9月21日・クリネックススタジアム宮城)

M:105 320 001=12

E:000 001 001=2

勝:マーフィー (12勝6敗0S)

敗:松 崎(1勝2敗0S)

本塁打:【ロ】井口15号(3回松崎・2ラン)、サブロー18号(4回松崎・3ラン)

 西岡選手はこの日も猛打賞で、かのイチローの「猛打賞26回」の記録に並びます。また200本安打まであと3本とする195~197本目のヒットとなりました。

 一方投げてはマーフィーが鋭く落ちる「スラーブ」を駆使しての12勝目。リードも冴えた斉藤俊雄に久々のヒットが出るどころか、初「マルチ」(多分プロ入り初かと)ともなりました。

 やはりこの日もハムは勝ち、同率3位は変わりません。相変わらず、苦しいです。しかしそれこそがシーズン終盤。最後まで熱くさせてくれる野球とは、そしてロッテとは・・・まさに「わが人生」を派手に彩るものとなってしまっています。


 9月20日の感動、ここに冗漫ながらもしっかり記すことが叶い、満足です。


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