■■■■■■  万巻誤用塾・メルマガNo.16-①
■■■■■   
■■■■  IT時代必須の文章力漢字力
■■■   
■■  漢検受験から就職も校正も  
■   

  誤読・誤用は恥ずかしい…キーワードは「誤用だ!御用だ♪」
  面白くオリジナリティゆたかに、イマを生きる話題性も添えて…。


◆今回は「肉体特集」。身近だけど意外に手ごわいかも。
◆群ようこさんにもファンが多いと思いますが『肉体百科』からの作問です(編集後記↓)。
◆ノー辞書・ノーGoogleでチャレンジしてみてください。

●「解説ページ」を移転しました。
「お気に入り」・ブックマークされている方は変更してください。

http://kanjiya.blog116.fc2.com/



■1■次の言葉を読んでください(「 」の部分は『肉体百科』から引用)。

A.贅肉
 「……すると二の腕の贅肉が、まるで着物の袂のようにぶるぶるする(「二の腕」)」  


B.盆の窪
 「……首にあるのに、どうして「盆の窪」というのかわからない(本文ではひらがな)」 


C.脛毛
 「……彼女の息子(高校生)が必死に脛毛のお手入れをし始めたという」


D.腋臭
 「……腋臭についての悩みが載っていた(「腋臭」)」 


E.旋毛
 「……わたしには旋毛が三つある(「旋毛」)」


■2■次の言葉を正しく読んでください(『肉体百科』から)。

A.股擦れ
 「……夏場は太ももがすれて股擦れを起こし・・・(「太もも」)」
  
B.踝  
 「……しゃがみこんで両足の踝を必死でさすって…(「踝」)」


C.睫
 「……ひとこと「下まつげが長い」といいきった。(「睫」)」


D.靨 
  ※難しい字だが、音は「ヨウ」、部首は面。笑窪とも書くが大抵はカタカナ
 
E.項
  ※「コウ」ではありません。が、からだの一部です。「ひたい」の裏側


■3■次の言葉を正しく読み、意味を答えてください。

A.紅差し指

B.酒池肉林 

C.尻毛を抜かれる  

D.耳朶を染める  

E.人品骨柄(「ジンピン・ほねがら」は誤読)

              

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 正解  〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

■1■『肉体百科』に登場する漢字。

A.贅肉[ゼイニク]
  贅肉は二の腕よりもまず下腹につくらしい。毎日腹筋20本が効きます


B.盆の窪[ボンのくぼ]
  うなじの真ん中の窪んだところ。ボンの語源は「坊主」「頭」「骨」「頚」など諸説あり


C.脛毛[すねげ]
  女性も脱毛に苦労する(「臑毛」とも書く)。かつて欧米ではテープで貼り剥がしたとか


D.腋臭[わきが]
  楊貴妃の腋臭は「魅力的と感じられる体臭要素」だったという


E.旋毛[つむじ]
  毛髪のてっぺんの台風の目。「つむじ風」は旋風とか「旋風かぜ」とか書く



■2■これはかなり難読の漢字。

A.股擦れ/[またず]れ
  デブは歩くと内腿が股擦れを起こすから困る?


B.踝[くるぶし]
  くるぶしとは、足首の関節の内外両側に突き出した骨


C.睫[まつげ]
  まぶたの縁に生えている毛。(睫毛とも)マスカラとどうちがう?


D.靨[えくぼ]
  痘痕(あばた)も靨(えくぼ)なんていう成語もある  


E.項[うなじ]
  からだの一部となると「うなじ」。「うな」「たてくび」とも



■3■成語は意味が面白い。

A.紅差し指[べにさしゆび]
  くすり指のこと。無名指、薬師指、お姉さん指などとも。婚約指輪は右手、結婚指輪は左手の薬指


B.酒池肉林[シュチ・ニクリン]
  酒や肉が豊富で豪奢な酒宴という意味。祭事だったという説が有力。司馬遷の歴史書『史記』の一篇「殷本紀」に記された一節が語源


C.尻毛を抜かれる[しりげ]
  弱みをつかまれること。実際いきなり抜かれたら多分そうとう痛いでしょう。「鼻毛を読まれる」も近い表現


D.耳朶[ジダ]を染める
  赤面する事の優雅な表現。耳朶は耳たぶの事や耳全体を指す。「朶」は本来垂れた木の枝のこと


E.人品骨柄[ジンピン・コツガラ]
  人としての品格、品性・人柄。 人品も骨柄も同じ意味。「人品骨柄卑しからず」とか使う

 

●編集後記以後は次号16-②で…

編集後記では「刺と剌とは別字である」/「尻毛を抜かれる」などを詳説します。
    

◆解説ページは
http://kanjiya.blog116.fc2.com/


【発行者】神谷 雄高(かみや ゆうこう)

日本語教育研究所(第16期)客員研究員
日本漢字能力検定準一級(H12)認定


〔表記ルール〕
・読み方は音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで、基本的には丸谷才一『文章讀本』巻末の表記法に準じます。(ただし漢字からの送りは新仮名づかい)
・出典は出来るかぎり明記しますが、「慣用」使用などの場合は岩波『広辞苑4版』旺文社『古語辞典8版』角川『新辞源〈改〉』に準じます。

PS:なお、このブログの本文中のこの直下(↓ ↓ ↓)の広告はアメブロさんのカウントになります。

  私のカウントになるのは( ← )左カラムのバナーだけです。