■■■■■■ 万巻誤用塾・メルマガNo.14-②
承前…つづき…
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〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 正解 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
■1■美人のいろんな形容とお仕事(E.は難問)。
A.佳人:[カジン]
かつては「佳」は「カ」または「よし」としか読まなかったらしい。
最近は桑田佳佑とか小椋佳とか「ケイ」と読む人が輩出して「ケイ」とも読む。
B.麗人:[レイジン]
1982年1月に発売された沢田研二の35枚目のシングルにもある。
C.傾城:[ケイセイ]
君主がその色香に迷って城や国を滅ぼす、くらいの美人・美女。
また、近世以後は太夫・天神などの高級な遊女をさす。
D.別嬪:[ベッピン]
嬪の字に注意=「賓」の字の右横の点が取れています。
E.花魁:[おいらん]
江戸の遊郭・吉原で位の高い女郎・太夫をこう呼んだ。
京都・嶋原の太夫は高水準の芸が売り物で、通称は「おいらん」ではなかったとか。
■2■ここは簡単ですが字がむつかしい。
A.虞美人:[グビジン]
「…虞や虞や汝を如何せん」という『垓下の歌』が有名。
ヒナゲシの異名でもある。漱石の『虞美人草』は朝日入社第一作目の小説(1907年)。
B.美人局:[つつもたせ]
語源には複数の説があり『広辞苑』では「なれあいまおとこ」とある。
C.富士額:[ふじびたい]
富士山のような形のひたい(はえぎわ)も昔は美女の形容だった。
D.柳眉を逆立てる:[リュウビをさかだてる]
柳腰も美人の形容。
E.小股の切れ上がった美人:[こまた] 和服が似合うスラッとした女性。
■3■「美人」は中国ばかりじゃない。
A.大和撫子:[やまと・なでしこ]
北京五輪で「なでしこジャパン」は準々決勝は対中国戦。
中国に2-0で勝ち、初の4強進出。準決勝では米国と対戦するがメダル期待。
B.明眸皓歯:[メイボウ・コウシ]
ぱっちり眼差しと真っ白い歯。昔もプチ整形ってあったの?
C.蟇目鉤鼻:[ひきめ・かぎばな]
平安時代の女性は蟇目(引き目とも)鉤鼻、おかめ顔が美人とされていた?
D.沈魚落雁:[チンギョ・ラクガン]
沈魚落鳥とも。沈魚落雁・閉月羞花と続く。
「落雁美人」を王昭君とし、「閉月美人」を貂蝉とする説がある。
E.解語の花:[カイゴのはな]
玄宗が「蓮の花より解語の花の方が美しい」と言ったらしい。
出典:開元天宝遺事(カイゲン・テンポウイジ)
◇―――――――――◇ 編集後記◇――――――――――◇
●編集後記では
◎嫦娥[ジョウガ]
◎菖蒲 杜若[あやめ かきつばた]
◎国色天香[コクショクテンコウ]
◎閉月羞花[ヘイゲツ・シュウカ]
◎西施[セイシ]
◎漆姫[シツキ]
などを解説します。
次号「メルマガNo.14-③」で…。
【発行者】神谷 雄高(かみや ゆうこう)
日本語教育研究所(第16期)客員研究員
日本漢字能力検定準一級(H12)認定
〔表記ルール〕
・読み方は音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで、基本的には丸谷才一『文章讀本』巻末の表記法に準じます。(ただし漢字からの送りは新仮名づかい)
・出典は出来るかぎり明記しますが、「慣用」使用などの場合は岩波『広辞苑4版』旺文社『古語辞典8版』角川『
新辞源〈改〉』に準じます。
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