■■■■■■  万巻誤用塾・メルマガNo.13-②
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  誤読・誤用は恥ずかしい…キーワードは「誤用だ!御用だ♪」
  面白くオリジナリティゆたかに、イマを生きる話題性も添えて…。


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承前…つづき…

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 正解 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

■1■百は「もも」とも読みますが(例:百敷=ももしき)。

A.百合
  ゆり
  立てば芍薬すわれば牡丹あるく姿は百合の花


B.百姓
  ヒャクショウ。ヒャクセイとも。
これって蔑称?それとも尊称?


C.百足
  むかで。

足の多い種は100対どころか173対まであるらしい


D.百済
  くだら

大阪東住吉区にも「百済駅」があります。法隆寺には百済観音が  


E.百笑:どうめき(どめきとも)。

高知の中村市では「どうめき」と読む。字は違いますが「どめき」といえば、えちぜん鉄道に「どめき」駅があるそうな。こちらは「轟」と書き、車が三つで「とどろき」から転化したようです。
                 

■2■三字熟語もむつかしい。


A.百名山[ヒャクメイザン]

:登山家・深田久弥の随筆(1964年刊)からブレイク。 


B.百鬼園[ヒャクキエン]

:内田百閒(1889-1971)本名・内田栄造の別号。『百鬼園随筆』


C.百物語[ヒャク・ものがたり]

:日本の伝統的な怪談会のスタイルのひとつ。怪談話を100話語り終えると、本物の怪(妖怪)が現われるとされる


D.百舌鳥[もず]

:モズは昆虫やムカデ、カエルなどの小動物を捕らえ、それを木の小枝などに刺しておく習性があります(「百舌鳥の早贄(はやにえ)」)。
 「鵙」とも。谷崎潤一郎『春琴抄』のモデルとなった春琴は、実名「鵙屋琴」。大阪・道修町(どしょうまち)の薬種商の娘で、墓は市内下寺町の浄土宗の某寺にある。


E.百日紅[さるすべり]

:約100日間、くれないの花を咲かせるのが名前の由来。実際には、一度咲いた枝先から再度芽が出てきて花をつけるため、咲き続けているように見える。
「猿滑」とも書く。
「散れば咲き 散れば咲きして 百日紅」 加賀千代女(かがのちよじょ)


■3■「百」は八と同じく「多い」の意味ですね。


A.百[鬼]夜行:ヒャッキ・ヤコウ 
 
B.百家[争]鳴:ヒャッカ・ソウメイ


C.百花[繚]乱:ヒャッカ・リョウラン
  
D.百尺[竿]頭:ヒャクシャク・カントウ(ヒャクセキとも)。
  「百尺竿頭一歩を進む」という使い方をする。すでに到達した高い境地を、さらに一歩先へと進めること。転じて、もはや完全だと思われるものを、さらに努力を加えたり、限界を超えようと一段と勇気をふるいたたせることにたとえる。(元の意は「長い長い竿の先」)


E.百代[過]客:カカク。
李白の詩「春夜宴桃李園序」(「古文真宝後集」)に
  「夫天地者万物之逆旅也、
   光陰者百代之過客也、
   而浮生若夢」
   (読みは「春夜ニ桃李園ニ宴スルノ序。
    夫(それ)天地ハ万物ノ逆旅ナリ、光陰ハ百代ノ過客ナリ、
    而シテ浮世ハ夢ノゴトシ。
永久に歩き続ける旅人。時間・年月のたとえ


◇―――――――――――◇ 編集後記◇――――――――――◇


百物語(ひゃくものがたり)、内田百閒、米百俵、日本百名山などは編集後記(誤用塾メルマガ13-③で…)


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【発行者】神谷 雄高(かみや ゆうこう)

日本語教育研究所(第16期)客員研究員
日本漢字能力検定準一級(H12)認定


〔表記ルール〕
・読み方は音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで、基本的には丸谷才一『文章讀本』巻末の表記法に準じます。(ただし漢字からの送りは新仮名づかい)
・出典は出来るかぎり明記しますが、「慣用」使用などの場合は岩波『広辞苑4版』旺文社『古語辞典8版』角川『新辞源〈改〉』に準じます。