これまで、ジャコのベースが世界に与えた衝撃は甚大なものであったのだと考えてきた。
確かに誤りではない。
しかし、必ずしも彼の演奏を聴いた全ての人が、それに脱帽したわけではないのではないかと思った。
ミロスラフ・ヴィトウスの『限りなき探求』(1969)を聴いた。
いや、正確には“Freedom Jazz Dance”を。
その豪華な参加メンバーの顔ぶれ(ジョー・ヘンダーソン、ジョン・マクラフリン、ハービー・ハンコック、ジャック・ディジョネット、ジョー・チェンバース)も十分に注目すべきことだが、それ以上に特記すべきはやはり、ヴィトウスのベースだろう。
正直、ジャコ登場以前とは思えなかった。
まさに革新的であり、後にウェザー・リポートの初代ベーシストになったことも納得がいく。
60年代新主流派ジャズとフュージョンとをつなぐ“ミッシング・リング”とも呼べるこの作品。
是非、多くの方に体験していただきたい。
超名盤(名演)です!!