暑さ寒さも彼岸までと言いますが,すっかり涼しくなってきた今日この頃です。
このぐらいの気候がちょうどいいですねー

さて,このブログでも何度もイベントやネットワーキング,ソーシャルといったテーマを扱ってきましたが,今回は,イベントでの「緊張感」について書いてみようと思います。

■緊張感ってなんだろう?

緊張感――これってなんなんですかね?

goo辞書で調べてみたところ,

心やからだが引き締まること。慣れない物事などに直面して、心が張りつめてからだがかたくなること。

とのこと。

英語で書くと「tension」とか「feeling of tension」のようです。

僕なりの理解としては,

・気持ちの張り
・自意識
・焦り・不安
・ワクワク感


といったものが織り交ざったものだと思っています。最初の1つはそもそもの「緊張感」の意味ですし,あとの3つ,とくに「自意識」っていうのは,おそらく「緊張感」に限らず,人が持つ「感情」すべてに影響するものではないかと。

つまり,自意識が過剰になってくると,「気持ちの張り」を必要以上に意識してしまい,その結果,良い意味では「ワクワク感」が高まり,悪い意味では「焦り」「不安」が大きくなっていって,いずれにしても非日常な自分の(気持ちの)状態になっちゃうんだと思います。

式で表すと

緊張感(の大きさ)=(気持ちの張り)×(自意識)

みたいに定義できそうです。

よくスポーツ選手や芸能人が「テンションを高める」っていうのは,気持ちの張りを高めつつ,まさに非日常(≒通常以上にレベルの高い)状態に自分を持っていくことだと思います。

■イベントでの「緊張感」

で,本題ですが,イベントでの「緊張感」。
人前で話したり,たくさんの方を出迎えるとなると,この「緊張感」という気持ちが,ときになかなかやっかいだったりします。

そのあたりを,これまでの自分が体験したイベントを振り返りながら考えてみます。

・初めて人前で話したもの:WikiBana/VOL.5(2005年10月18日)
自分のmixi日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=46462756&owner_id=5543
WikiBana/VOL.5のまとめ
http://wikibana.socoda.net/wiki.cgi?WikiBana%2fVOL%2e5#i10

・初めてのモデレーター:HDE Solution Forum 2006(2006年04月21日)
自分のmixi日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=121453543&owner_id=5543
『Software Design』の掲載記事(PDF)
http://www.hde.co.jp/seminar/reports/20060421/20060421.pdf

・直近の出演イベント:明星和楽2012(2012年9月9日)
自分のmixi日記
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1869906080&owner_id=5543
Startup Datingの記事
http://www.startup-dating.com/2012/09/myojowaraku-photoreport-2/


1つ目は,初めて人前で話したもの。かれこれ7年前。当時編集長を務めていた『Software Desgin』の連載がきっかけで,WikiBanaというWikiを扱うコミュニティでお話させていただきました。とても懐かしいというか,恥ずかしいというか(笑)
とにかく「人前で話さなきゃ」という気持ちだけが先走っていて,話した内容はあまり覚えていないんですが,「緊張感」がずっと張り付いていたように思います。

2つ目は,初めてモデレーターをしたイベント。このイベントがきっかけで,というわけではないかもしれませんが,今,さまざまなイベントでモデレーターをやらせていただける最初の一歩として。このときは,WikiBanaやその後に話をした第6回WebSig会議とは異なり,ビジネス色が強く,皆さんスーツだったのを覚えています。あと一番違ったのが「一人ではない」ということ。話の展開とか,スピーカーの話す量とか,今の自分だったら気にするポイントをまったく知らず,手探りで70分間進行したような気がしています。

そして,3つ目。一番直近の出演イベントは,福岡の明星和楽2012でした。
こちらは,とにかくパネリストの顔ぶれがすごかった。開催前からどうなることかとドキドキしていました。
(ほんと,無事終わって良かった(笑))

こうして振り返ってみると,最初の2つのころと,3つ目とでは7年間という時間も経っていて,自分自身の経験も変わっているので,感じる「緊張感」というのが変化してきています。それは,良く言えば「成熟」,悪く言えば「慣れ」でもあり,いずれにしても「緊張感」という言葉から捉えると,冒頭で述べた「気持ちの張り」の「緩み」につながるんじゃないかなーと。

■緊張感はあったほうが良い?なかったほうが良い?

改めて,イベントにおける「緊張感」について考えてみると。
おそらく,ほどよい「緊張感」というのは持っていたほうが良いんだと思っています。

なんでそう思ったかというと,3つ目に紹介した明星和楽の体験があったからです。

このトークセッション自体,出演が10日ほど前に決まって,ひさびさに事前打ち合わせ無し,パネリストのうち,数年来からの知り合いというのが家入さんだけ,國光さんも名刺交換程度,そして猪子さん,片桐さんにいたっては初対面と,心構えのまったくない状態で挑んだものでした。なので,進め方のシミュレーションから,どんな人柄なのかもまったくわからない状態で,正直,久々に先の見えないワクワク感,焦り,不安……さまざまな要素の「緊張感」を感じたトークセッションでした。

なので、まずは改めて進行の仕方を意識したモデレーション、それから、パネリストの方たちの発言の取捨選択、まとめ、時間配分を意識していました。
(実際はかなりはっちゃけてましたが 笑)

こういう意識って、まさに、緊張感と紐付いていて。

で,イベントが終わって,また,次のイベントの出演が近づいてきて感じたのが,「そういえば最近イベントでああいう緊張感を感じていなかったな」ということ。

勘違いしないで欲しいのですが,これまで関わったイベントでは,イベントに対する意気込みだったり,配慮だったり,経験からくる余裕だったり,そういったものを持ちあわせて取り組んできました。

ただ,明星和楽で感じたような「緊張感」はしばらくなかったなーと思って,少しでもつねに感じていたほうが,場が馴れ合いにならず,イベントが刺激的に,そして,参加している皆さんと一緒に楽しめるなーと感じたのです。

「馴れ合いより刺激を」by 蔵馬
(c)『幽☆遊☆白書』

ってやつですかね(笑)

■出演でも舞台裏でも「緊張感」を大切に

そして,このエントリを書こうと思ったときに,出演ではなく,運営する立場としてイベントの「緊張感」を考えてみたところ,なおさら,「緊張感」の持ち方・扱い方が大事だなと思うようになりました。
とくに,イベントの事前準備や運営というのは,通常は表に出ないがゆえに,冒頭で述べた「自意識」というのを(良くも悪くも)コントロールしやすいと思っているからです。結果として,自分の判断基準だけで進行しがちになってしまい,ひとりよがりになってしまうケースがあるんじゃないか(あったんじゃないか)と思うようになりました。

とはいっても,あんまり小難しいことを考えながらイベントを創っていくのは,手段が目的になって本末転倒だと思うので,そこはほどよく:-)

改めてまとめてみると。

ここ数年,イベントをやることや出演することは自分としても楽しいので,お誘いいただければ可能な限り参加してきました。また,そこから生まれるさまざまな価値についても大切だと思っていますし,たぶん,この先も同じ気持ちを持っていられると思います。

でも,そこの感覚に慣れずに,つねにちょっとした「緊張感」を持ちつつ,毎度毎度予想外の展開も期待しながら,これからもイベントに関わって,終わった後の満足感と次回へのモチベーションにつなげていけたらいいなと思っています。

■宣伝~ :-)

最後に宣伝を。
今週末からいろいろなイベントに出演させて頂きます。
まだ申し込み可能なものもありますので,
お時間のある方,ご都合の良い方はぜひご参加くださいー!

9月28日
第11回FreeBSD勉強会(東京・麹町)
http://atnd.org/events/30986

9月29日
YAPC::Asia Tokyo 2012(東京・本郷)
http://yapcasia.org/2012/talk/show/ea24040c-db90-11e1-8a64-4c8f6aeab6a4

10月4日
TechLION vol.9(兵庫・神戸)
http://www.zusaar.com/event/362008

10月6日(東京・八王子)
WebSig1日学校2012
http://1ds.websig247.jp/2012/

11月16日
TechLION vol.10(東京・六本木)
http://techlion.jp/vol10

ps
そもそも,元来すごくあがり症な自分としては,こんなに人前で話すことが多くなるとは思っていなくて,イベントに出演させていただくこと自体が10年前の自分からしてみれば予想外な感じです。ご一緒させていただく皆さん,いつもありがとうございます!

幽・遊・白書 17 (ジャンプ・コミックス)/集英社