緑鮮やかな、青空の美しい季節になりました。





なかなか・・・



ブログを書くという動作に至らず。



書きたいことは山々、でも、生きている時間は平等に一日24時間で



彼らが元気でいるならば、笑顔でいるならばそれでいいと



そして、折に触れて 



そのような便りを受け取ることのできる幸せが



書き綴る、という動作にまで至らない一つの



ある意味幸せな 時のうつろいの現れなのかもしれません。



「心豊かに待つ」ということは



彼らの 私たちに最も望むことでしょう。



それを一日一日 リアルな社会でも それなりに倹しく暮らさせていただき



体調を大きく崩すことなく 日々責務も果たさせていただいて



彼らの笑顔や 頑張っている姿や 



素晴らしい作品に触れること



心優しい仲間の皆さんと 声をかけあって



元気で居られること・・・



そんな風に過ごしている事が 



次に彼らに会えた時に 



「綺麗でいてくださいね・・」と言ってくれたヒョンと



立派に約束を果たすことになるのでしょうね^^*





さて




書くことに緩さの否めない状況ながら



やはり、この作品についての思いのエッセンスは



書いておこうと思います。









その昔



中学校時代から、映画に嵌りはじめ



高校、大学、就職して結婚するまで




まあ、若干好みに偏りはありましたが(笑)



古き良き映画から 話題に新作まで 



よく 映画館に足を運んだものです。



昔の映画館は



今のように シネマスクエア的な構造ではなく



好きな作品は 一回の料金で時間が許せば2回見られたり



大作でなければ2本立てで封切られたり



映画館と映画館を梯子したり・・



ああ、懐かしいなあ・・・




グッズと言えばパンフレットしかなく



古い映画のパンフレットを手に入れたときには



書棚に飾ったりしたこともありました。



映画文化が発祥して、何百万、何千万という作品がつくられ



製作者の思い、体現する表現者の資質、そして受け手である



私たちの感性



そうした中、映画文化は時代や世相を反映しつつ



心を潤し、問題提起をし、人と人とを繋いできたものであると



今はしみじみそのように思います。



昔のような勢いはありませんが



これは・・と思うものには



どうにか時間をつくって見に行こうとしますが、



なかなか自由が効かないことも多いのですが。






やはり



この作品を、2年前より待ち焦がれていたファンの一人として



とても楽しみにして



片道車で1時間20分もかけて



最寄りの(笑)TOHOシネマズまで足を運びました。






きちんと、映画館で韓国映画作品を拝見するのは初めてでした。



DVDや深夜にTVで放送されたもので



評判のよかったものに触れ、その評判に違わぬ作品の質に



心を大きく動かされてきましたが、




巨匠と言われる、ポンジュノ氏の製作脚本、そしてその氏の信頼厚い



脚本家のシムソンボ氏の初めての監督作品という



それがどれほど凄いことなのか、失礼にも今一つ理解していなかった有様でしたが



とにかく



何ともたとえようのない



「感動の嵐」とでもいいましょうか



でも、いわゆる『感動巨編!』の感動とははっきり違います。



心がざわつき、泣き、虚ろになり、空しさと悲しみと



それでも、何かに希望を託さずにはいられない、



「生きる」ということ対する、いろいろな感情と思いが



うねりのように襲いました。




広島まで行きましたからね、帰りに少し買い物して、カフェに少し寄って・・などと



見る前には思っていたのですが、終わって、誰かに顔を見られるのも辛い、



早く車の中に戻りたい、と、足早に階段を駆け下り、車の中で



号泣しました。




昔の思い出で・・



高校生のときでしたか・・



ドイツ映画でフォルカーシュレンドルフ監督作品の



「ブリキの太鼓」という映画を見て以来の



上記のような複雑な感動の渦に久しぶりに身を沈めた・・



ふと、そんな気がしました。



比べること自体おかしな話なんですが・・



あの頃はその作品が難しすぎて、よくわからなかったところもありつつ



第二次世界大戦をはさんでのドイツやポーランドの



人々の生き様が赤裸々に描かれて



しばらく席から立てなかったのを覚えています。



そして、幾多の経験を経て



作品としては異種極まりないながら



実は、根底にあるものが同じ



「人間の性」「生きることとは」



であり、受け止め方として、受け入れがたいものばかりではあるけれど



慮れるところが多々あった・・ 



ああ、それがこうだったら、もっと違ったのに



ささやかな幸せが待っていたかもしれないのに・・




起こってしまったことは、凄惨な悲劇で



そこに至る人の心のえぐさと弱さと



でも、だからこそ強くあらねばと



方法や方向は迷走してしまったけれども



それぞれが、人としての強さや優しさや温かさや



弱さや醜さを




その登場人物のどこを切り取っても感じられる作品でした。



シム・ソンボ監督があるインタビューで



「悪者のいない物語」と語っておられました。



(そして、監督の考えるこの作品の『悪』とは『お金』だと・・ちょっと納得しました^^;)


カルチャーサイト LOADSHOW



だからこそ



このポスターを、映画鑑賞後に見ると何度も



涙が出そうになっていました。










出演者の皆さま



多くを語る必要はないでしょう・・。




舞台俳優出身の方が多く、その実力は言わずもがなですよね。




何事もなければ、愛嬌たっぷりなヒョンたちや




何事かあってもなお、『こうあらねば・・』と



それぞれの信念をもって対峙していこうとする



船長、機関長、甲板長・・



最も未熟で父親のいないドンシクにとっては



3人も父が居るような、チョンジン号という船は



「家族」そのものでした。




紆余曲折があり



結果最後まで愛するホンメを守り、陸に届けたドンシクは



実はヒーローのようで、ヒーローにあらず。



「悪者」はいないが、いわゆる「良い者」も実は居ないのでは。。と




様々解釈の分かれる、見る人の感性が大きく左右する



そして、いたるところに伏線が巧妙に張られた




とにかく、心揺さぶられる作品でした。



私にとっては、です。




船員さん達です。


































そして



運命的な2人

















メイキングDVDを見ましたが、重厚で深淵な内容の作品を



実にアグレッシブに、ある時は快活に、そしてある時はのんびりと



撮影されていたのが印象的で、



まあ、そうでもしなくては、心身ともに持たないところもあるのかもしれないのでしょうか。




そして完成試写会での、ユンソク氏やサンホ氏のお茶目さ



イェリさんの美しさ、そして




その中の一人として




凛々とした出で立ちで、ごく自然に溶け込むユチョンが



どれほど誇らしいと思ったことでしょう・・・



作品を見る前の



各映画賞をすべて受賞してきた、そのトロフィーを受け取る姿を見たときにも



もちろん思いましたが、そこはまだ想像の域を越えてはおらず




思いの深さは、作品をこの目で見たときに



数百メートル近く深まった、、といっても



ちっとも大げさではない気持ちです。




どれほど



この作品へ、役者人生を賭けたか、



それも、悲壮感を感じさせることなく



「スポンジのように」とか「赤ちゃんのように」などという



キャッチフレーズを先輩たちにもらうほど



一つ一つを逃さず、吸収し、自分のものにしてきたのでしょう。




そこにあるのは、今まで培ってきたものを支えてきたのと変わらない




人柄と謙虚さと勤勉さと賢さ。




今、本当にユチョンの顔が素敵で。




悩みすら、人生にとって必要なものだと思えるくらいの悩みで



普通にいい仕事をし、普通に家族との時間を大事にし、



普通にそれを一つ一つ自分のものとしている彼。





また、いい出会いをしましたね・・・。



ホントに・・・。







人生が豊かになるには



どれほどの人との出会いがあったかが左右する



より良い人に出会ったときの心構え



逆風を与えられる人に出会った時の心構え



それぞれがあれば、



のちのちの その人の心根を深くし



さらに、後進の人々にとって、良き出会いを与える人となります。





まさに、そんな「人間ユチョン」形成のための



素晴らしき出会いとなった、マイルストーン的な作品




「海霧 해무」(邦題:「海にかかる霧」)




私にとっても一生忘れられない作品になりました。







最後に



「破格的なベッドシーン」などという前評判のあった



ユチョンの濡れ場でしたが



あの撮影時のエピソードを本人がどこかで語っていました



悲しくてしかたなかったと。




よく よく



理解できました。




あんな 悲しい濡れ場は、久しぶりに見ました。



それも、大好きなユチョンが演じたことが



とても、とても印象的でした・・・。




作品全般を通して、



ドンシクの顔つきが変わっていくのも



見事としか言いようがありませんでしたね・・。





最後の、



陸の労働者となった



6年後のドンシクの表情が、今でも忘れられません。





ありきたりですが




これからが楽しみで仕方ないですね。








今日は、




この映画のことについて、どうしても綴っておきたかったので




この辺で、閉じたいと思います。




皆さまは



どのようなご感想をお持ちでしたか?




語りつくしてみたい衝動にかられつつ



夕飯を急いで作ります。





















ホッとしますね~ (*^▽^*)




(画像お借りしました)