■ビスケット (biscuit)

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小麦粉を主材料に焼いた洋菓子である。小麦粉に牛乳、ショートニング、バター、砂糖などを混ぜて、サクサクした食感に焼いたもの。チョコレート、ナッツ、果実加工品などが加えられる場合もある。

●名称

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左がアメリカ式、右がイギリス式のビスケット

本来の英語圏では日本でいうところのクッキーと区別は存在せず、英国では両者をビスケットと呼び、米国では両者をクッキーと呼ぶ。米国のビスケットは英国のスコーンに近いもので、日本ではケンタッキーフライドチキンなどを通して知られている。

ビスケットの名はフランス語のビスキュイ(biscuit)から来ている。フランス語でbisは「2」を意味する接頭語もしくは「2度」を意味する副詞であり、cuitは動詞cuire(「焼く」を意味する)の過去分詞形であるため、全体として「二度焼いた」という意味を表す。さらに遡っての語源はラテン語の「二度焼いたパン」ビスコクトゥス・パーニス(biscoctus panis)より。これは保存食として作られた堅パンを指し、ビスケットもまた本来は軍隊用・航海用の保存食であった。現代フランスにおいても、ビスキュイの語には焼菓子のそれと堅パンの両義がある。 なお、Dr. Johnsonの英語辞典(1755年初版)には「遠洋航海用に(保存性を高めるため)四度焼く」との説明がある。

さらにフランスではビスキュイの一種としてサブレと呼ばれるものも存在する。これはビスキュイ(ビスケット、クッキー)に比べてバターあるいはショートニングの量が多く、よりさっくりした食感のものを指す。

クラッカーもビスケットの一種で、全くあるいはほとんど糖分を含まず、軽い食感のものを特にその名で呼ぶ。菓子として食べられるほかに、カナッペなど軽食の食材として、また近年では乾パンに替わる軍隊食としても利用されている。

広義にはラスクや乾パンもビスケットに含まれる。

●歴史

日本には、南蛮菓子のビスカウトとして平戸に伝えられた。黒船来航の際には日本人にふるまわれ、好評を得ていた[1]。

日本ではじめてビスケットに関する記述が登場するのは、幕末に長崎で開業していた医師である柴田方庵の日記であり、水戸藩からの依頼を受けビスケットの製法をオランダ人から学び、安政2年(1855年)にその製法書を送ったことが書かれている。

●定義

日本では、1971年(昭和46年)に施行された「ビスケット類の表示に関する公正競争規約」において、

(定義)第2条

この規約で「ビスケット」とは、小麦粉、糖類、食用油脂および食塩を原料とし必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、食品添加物の原料を配合し、または、添加したものを混合機、成型機およびビスケットオーブンを使用し製造した食品をいう。

(種類別の名称)第3条

規約第3条第1号アに定めるクッキーとは、次に掲げるものをいう。
(1)「手作り風の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜などにより製品の特徴づけをおこなって風味よく焼き上げたもの。

と定義付けられている。これは、当時の日本にあって、「クッキー」は「ビスケット」よりも高級品だと思われていたため、安価な「ビスケット」を高級品である「クッキー」というのは、消費者を誤認させる恐れがあるとの判断から、定められたものである。ただ、この規約は日本ビスケット協会による自主ルールであるため、協会に加盟していなければこれに従う必要はない。

●製法

堅いビスケットを焼く前に、小さい穴をたくさん開けて、焼くときにビスケット内部から出る気体がその穴から出るようにする。そうしないと、焼くときにビスケット内部から出る気体が、ビスケットの表面をでこぼこにしてしまう。

●米国のビスケット

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アメリカ式のビスケット

米国で言うビスケットとは、生地にショートニングやラードを加え、重曹とベーキングパウダーで膨らませた、外側はサクサク感で内側はふっくらとした食感のあるパン/ケーキのこと。英国のプレーンのスコーンとよく似ているが、動物性油脂のバターを使うスコーンに較べて植物性油脂のショートニングを使うビスケットは油気が少なくあっさりしている。朝食として供されるほか、料理の付け合わせや菓子類に加工されることもある。料理ではグレイビーをかけたり、焼いたハムやソーセージを挟んで食べることもあり、アメリカ南部料理によく使用される。また本来のショートケーキはスポンジケーキではなくこのビスケットを土台に用いたものを指す (ショートとは「サクサクしている」「崩れやすい」という意味)。

日本ではケンタッキーフライドチキンがこのタイプのビスケットを販売している。

●ビスケットの日

1980年に社団法人全国ビスケット協会では、2月28日をビスケットの日と定めている。

●参照

三浦基弘『身近なモノ事始め事典』東京堂出版

●リンク

社団法人ビスケット協会

http://www.biscuit.or.jp/


■プリャーニク(ロシア語:пряник、日本語では複数形のпряникиに基づきプリャーニキとも呼ぶ)

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小麦粉を主体とする生地で作るロシアの焼き菓子の一種で、風味付けのために蜂蜜、クルミ、レーズン、果物やベリー類のジャム、各種スパイスを加えて作るものである。レープクーヘンやジンジャーブレッドの一類型であり、一般に長方形ないし楕円形の板状の形をしていて、上面には絵や図版が刻印してある。

プリャーニクは、祭日のみに作られていたわけではないが、祭日のシンボルとなっている。

プリャーニクといえばトゥーラ市のものが有名で、サモワールや武器と同様に同市の名物となっている。チェコの町パルドゥビーツェのプリャーニクもはなはだ有名である。目次
トゥーラ風プリャーニク。押し型を当てて成形するタイプのもの。

●語源

「プリャーニク」の語源は、形容詞пряный(プリャーニィ=スパイスが利いて香ばしい、古形はпьпьрянъ)から来ている。この単語は、スパイスや香辛料を意味していたперец(ピェーレツ=コショウ、古形はпьпьрь)の語を元にしている。

●歴史

プリャーニクの歴史は古い時代にさかのぼる。その発祥は、新石器時代に既になされた人類の最も偉大な発見であるパンと不可分につながっている。

プリャーニクの原形である蜂蜜入り丸パンの風味付けに加えられた香辛料に関する最初の文献記録は、紀元前350年頃のものである。すでに古代エジプト人はこれらのスパイスのことを知っていた。古代ローマの市民には、「パーヌス・メリトゥス (panus mellitus)」すなわち蜂蜜を塗って焼いたパンは馴染みのあるものだった。蜂蜜入り丸パンは、歴史的には「レープクーヘン」の名でも知られている(現在ではドイツのクリスマスの菓子として知られる)。今日我々に知られているスタイルのものは、初めはベルギーのディナンで考案されたものである。

ロシアのプリャーニクは、9世紀ごろには既に存在していたが、当時は「медовыи хлеб(ミェドーヴィー・フレープ=蜂蜜入りパン)」と呼ばれていた。それらはライ麦の粉を蜂蜜や果物の汁と混ぜたものであり、そのうえこれらに含まれる蜂蜜の量はほかのすべての材料のほとんど半分にもなった。やがて「ミェドーヴィー・フレープ」には野草の葉や根が加えられだすようになった。12-13世紀になってルーシにインドや近東から運ばれてきた異国風のスパイスが現れ始めた頃になると、「ミェドーヴィー・フレープ」のかわりに「プリャーニク」の名称で呼ばれるようになり、この時点で実際上、今日われわれが知っているような甘い菓子のスタイルにまとまった。

ロシアのプリャーニクの味付けの多様性は、生地による部分もあるが、いうまでもなくスパイスと副材料によるものである。これらのスパイス類はむかし「スホーイ・ドゥーフ(干した香りもの)」と呼ばれていたもので、その中でもいちばんよく使用されているのは、黒コショウ、イノンド、トウヒ、レモン、ハッカ、バニラ、ショウガ、アニス、ウイキョウ、ナツメグ、チョウジである。

18-19世紀にはプリャーニクの製造は既にペルミ、アルハンゲリスク、クルスク(コレンナーヤ修道院ru:Коренная пустыньの名物「根っこ入りプリャーニク」もそのひとつ)、ハリコフ、リャザン、カルーガ、トヴェリ、ヴャジマ、トゥーラ(トゥーラのプリャーニクといえばロシアで最もよく知られていると言えるだろう)、ノヴゴロドで繁栄していた。トヴェリのプリャーニク職人たちはベルリンやパリやロンドンにも店を構えていた。

●バリエーション

プリャーニクにデザインを施す方法には、押し型を当てる方法、抜き型で抜く方法、浮き彫りを施す方法の3通りがある。押し型を当てる方法は、最も普及している方法で、以前は硬い種類の木材から作られたプリャーニク用の型板を利用していた。抜き型で抜く方法は、金属製の型を用いて生地から型を抜くもので、最も簡単で成形しやすい方法である。浮き彫りを施す方法は、最も古くからある方法で、とりわけ北部地方で普及していた。

このほかのロシアにおけるプリャーニクの地域的バリエーションとして、コズーリ(ru:Козули)がある。コズーリはアルハンゲリスク地方でたいへん人気があり、北方地方のシンボルの一つとみなされている。現代風のコズーリは、作成方法で分類すると、型抜きしたプリャーニクに近いものに分類できる。コズーリ用の生地には多様なレシピがあり、またしばしば家族うちで十周年記念日を祝うのに貯蔵もされる。コズーリの生地に特徴的な材料として「ジジョーンカ」があるが、これは砂糖のシロップを琥珀色から褐色になるまでカラメル化したものである。コズーリはたいてい、いろいろな着色料を加えて泡立てた卵白で絵や字を描き、華やかに飾りあげられる。

●作りかた

以下はトゥーラ風プリャーニクの作り方である。

柔らかくしたバターに蜂蜜と卵を加え、入念に混ぜ合わせる。

重曹と一緒にふるった粉と、水を加えて混ぜ、生地を作る。

フィリングを作る。ジャムを砂糖と一緒に煮て、濃くなって流れなくなるまでじゅうぶん煮詰める。

生地を薄く延ばして2層に折り畳み、その間にフィリングを挟む。

非常に熱いオーブンに1-2分間入れる。

いったん冷まし、熱いオーブンで更に5分間火を通す。

再び冷まして、砂糖のアイシングを刷毛で塗る。

●諺と言い回し

「鞭とプリャーニク (кнутом и пряником)」:日本語の「飴と鞭」に相当する慣用表現。

●リンク

トゥーラのプリャーニク博物館のサイト(ロシア語)

http://www.redesign.ru/index.htm

トゥーラにあるプリャーニク製造企業のサイト(ロシア語)


■ブリヌイ(ロシア語:複数Блиныブリヌィー、単数Блинブリーン、英語:blini)

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直径13-18cm位の薄いパンケーキに類似する食べ物。

●概要

薄力粉またはソバ粉、卵、牛乳、塩、砂糖、ヨーグルトなどを混ぜ合わせたものをイーストで醗酵させ、専用のフライパンでひまわり油やバターを使って薄く焼き上げる。バターをたっぷりと塗ってからサワークリーム、キャビア、ザワークラウト、魚の燻製などをのせて前菜としたり、ジャムなどをのせてデザートとして食べる。

現地では常日頃から食べられているが、特に2月下旬に催される四旬節の前の週マースレニッツァ(バター祭 Масленица、Maslenitsa; cf.謝肉祭)には大量に消費される。ブリンはその丸い形状から太陽の象徴とされ、キリスト教が広まる以前のスラブ民族の間でいくつかの儀式に利用されていた。この習慣はキリスト教が広まった後も正教会により引き継がれ、冬が終わり新しく太陽が再生される事を祝うマースレニッツァには伝統的にブリンが用意される(cf.冬至、クリスマス)。マースレニッツァの終わりは四旬節の始まりであり、肉、魚肉はもとより、乳製品や卵の消費が復活祭まで禁じられるため、マースレニッツァの間にブリヌィを消費することは乳製品や卵を四旬節までに使い切ってしまうという現実的な意義もある。マースレニッツァの最終日までに消費しきれなかったブリヌイは、藁でできた巨大な人形(ひとがた)のマースレニッツァ姫(冬の象徴。モレーナまたはコストローマ Kostromaとも)と共に火にくべられ、その灰は豊作を願って畑に撒かれる。

ブリヌイの丸くて欠ける所のない形は、満月や人生の円満さをも象徴している。葬儀の際には、死者を悼んでブリヌイが振舞われ、先祖の魂の象徴として、棺桶の中に一緒に入れる。出産をした後の母親にも供される。ロシアには、巡礼者や貧者のために窓の下枠にブリヌイを供える風習もあった。

なお、食品名としてはブリンでもブリヌィでも通じるが、1つの場合はブリンとしか言わないので注意。基本的にはブリンである。

ブリンは通常以下の食べ方がある。

そのまま食べる - この場合にはバターやレーズン、玉葱、ジャガイモなどを生地にふりかけて焼く事もある。

具をのせる - ベーコン、サワークリーム、ジャム、キャビア、鮭やチョウザメの燻製などをのせて折りたたんだり巻いたりして食べる。キャビアをのせるのはロシアの伝統的なスタイルで、カクテルパーティによく出される。

ブリヌイのパイ(ピローグ Пирог/Pirog)- 残ったブリヌイの間に上記のような具をはさんで重ね、オーブンで焼く。

●語源

元来はスラブ人の食べ物であり、語根ブリン blinは「すりつぶす」という意味の古いスラブ語ムリン mlin、またはウクライナ語ムリネチ млинець mlyneć に由来する(となると、ゲルマン語 Müller, mill(er) (cf.チェコ語 mlynář, ラテン語 molinarius 「水車小屋の人夫」) などと語根が同じ事になる)

ブリヌイの指小形がロシア語のブリンチキ(Blinchiki)であり、こちらはクレープと似た食べ物で、東欧系ユダヤ民族のブリンツともよく似ている。

●参考文献

Anne Volokh. The Art of Russian Cuisine. Collier Books, New York, 1983.

●リンク

ロシアのブリヌィ。写真付き

http://www.rol.ru/news/misc/news/04/02/19_028.htm

ロシアの食べ物&料理ブリヌイレシピ集

http://russianfood.knaka.com/burinui.html


■プリンゼ(die Plinse, Plinze)

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東部ドイツの料理で、中に詰め物をしたパンケーキのこと。プリンツェとも。複数形がプリンゼン。英語でペストリー pastry、クロアチア語でムリンツィ mlinci とも訳される。

●リンク

Spreewälder Hefeplinze (イーストプリンツェ)

http://www.gruener-strand.de/Speisen/Plinze/plinze.html


■ブリンツ(英語:blintz、blintze;イディッシュ語:blintse;ウクライナ語:блинці)

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クレープに類似する食べ物。

●概要

薄力粉、卵、牛乳、塩、砂糖、ベーキングパウダー、ヨーグルトなどをなめらかになるまでよく混ぜ合わせて生地を作り、フライパンでひまわり油やバターを使って薄く片面のみ焼き(これをブレトラハ、Bletlachと呼ぶ)、具をのせて長方形になるように折りたたみ、炒めるか、もしくは油で揚げたものである。大抵はサワークリームをつけて頂く。 具は甘みをつけたコッテージチーズ、ジャム、果物の他、炒めた挽肉、家禽(鶏肉、鴨、アヒル、ガチョウ、七面鳥などの肉類)、もつなどをのせることもある。

よく似た食べ物に、ロシアのブリンチキ(Blinchiki)、ポーランドのナレスニキ、ウクライナのナリスニキ (налисники nalysnyky)などがある。

東欧系ユダヤ人(アシュケナジム)の家庭で日常的に食べられるが、シャヴオット(Shavuot 五旬節)には欠かせない食べ物であり、伝統的には収穫を感謝する意味で、生地にチーズを巻いただけのものを食べる。ブリンツを二つ並べたものを、シナイ山においてモーセが神から与えられた律法の象徴とすることがある。また、油を使った食べ物であることから、聖油の奇跡を記念する祝日ハヌカーの期間中にもよく作られる。

北米では、ある程度大きいスーパーマーケットなら冷凍ブリンツを冷凍食品コーナーで扱っており、朝食専門のチェーンレストラン「アイホップ」(IHOP)のメニューには、巨大なチーズブリンツが存在する。

冷凍ブリンツはフライにして食べることもある。

●語源

元来はスラブ人の食べ物であり、語根ブリン blinは「すりつぶす」という意味の古いスラブ語ムリン mlin、またはウクライナ語ムリネチ млинець mlyneć に由来する(となると、ゲルマン語 Müller, mill(er) (cf.チェコ語 mlynář, ラテン語 molinarius 「水車小屋の人夫」) などと語根が同じ事になる)

ブリンは、ウクライナ語ブリンツィ(指小形)、イデッシュ語ブリンツェ בלינצע blintse を通して、blintzという表記で英語に導入された。

●リンク

http://www.cooks.com/rec/doc/0,1626,138190-240197,00.html

http://www.chabad.org/holidays/shavuot/shavuot.asp?AID=2123

http://www.tastingmenu.com/media/2003/20030919-legourmand/imagepages/image9.htm

http://www.virtualcities.com/ons/0rec/06blintz.htm


■プレッツェル(ドイツ語 Brezel、英語 Pretzel)

独特な結び目の形に作られている焼き菓子のひとつ。

小麦粉とイーストを原料とし、焼く前に数秒間水酸化ナトリウム水溶液(3-5%)つける。焼ける間に空気中の二酸化炭素と反応して炭酸ナトリウムと水に変化し、表面が特徴的な茶色になる。稀に炭酸水素ナトリウム水溶液にくぐらせることもある。焼き上げる前に岩塩の粒をまぶす。

●概要

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プレッツェル - アメリカのスナックタイプのもの

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ドイツの伝統的なプレッツェル

プレッツェルには柔らかく焼き上げた大きい種類と、固く焼いた小さい種類がある。パンのように柔らかく焼き上げたプレッツェルは、焼きたてを食べ、長期の保存には向いていない。スナック菓子のように固く焼きしめた小さいプレッツェルは保存性がある。
柔らかく焼きあげたプレッツェルはドイツの伝統的なプレッツェルである。ドイツではプレッツェル売りが、パブなどビールを飲む場所を回ってビールを飲んでいる客に販売する伝統がある。

北米ではスナック菓子タイプのプレッツェルとパン・タイプのプレッツェルの両方が普及しており、どちらも同じPretzel(プレッツェル)の名称が使われている。スナック菓子タイプのものは、アメリカで作られた食べ物で、北米を中心に販売されている。スーパーマーケットで袋入りで市販されている。北米の固いプレッツェルはビールを飲むときのおつまみとして食べる。スポーツ観戦時のスナックとして定番である。アメリカにおけるプレッツェル市場は1億8000万ドルを越える巨大な産業である。

●歴史

語源はラテン語ブラーキテッルム brachitellum に由来し、その語根は bracchium 「腕」である。腕組をしたような形を示している。古高ドイツ語 brezitella を経て、現代の諸方言につながっている。

プレッツェルの起源ははっきりわかっていない。一般的な説では、プレッツェルはブレーツェル Brezel、あるいはブレーツェ Brezeと呼ばれている南ドイツ(バーデン地方)の焼き菓子が広まったものとしている。それ以外にもドイツとの国境に近いフランス・アルザスの料理であるとする説もある。最初に作られたのは中世ヨーロッパ時代とする説もあれば、ローマ帝国時代だとする説、他にも古代ケルト人の菓子であったとする説もある。

プレッツェルの独特の形についてもいろいろな説がある。窃盗の罪を犯したパン職人が、一つのパンから太陽を一つの角度から3度見ることができれば牢獄に入らなくても良いと領主に言われ、生地をプレッツェルの形にねじり上げて焼き上げたという伝承がある。プレッツェルの形は祈りをささげている修道士をかたどったものだとする伝承がある。また別の伝承によるとこの3つの穴はキリスト教の三位一体を象徴しているとする。プレッツェルはパン屋のシンボルとして、よく店の看板やマークに使用されることがある。かつてドイツでは3つの輪をつなげた看板がパン屋の看板として使われていたが、プレッツェルの形が看板として使われたのか、プレッツェルが看板の形に作られたのかはっきりしない。しかし、いずれの伝承も後付けされたものであるようで、答えはわからない。

●逸話

ブッシュ大統領が2002年1月NFLのゲームをテレビにて観戦中に喉に詰まらせたとされるものもこの固いプレッツェルである(放送局によってはクラコットとも報道された)。この時、アメリカの風刺漫画家はこぞって「新手のテロか?」などと描き立て、新聞各紙に大量に掲載された。当時イラク派兵に関してアメリカと反目していたフランスの市民から、皮肉とエスプリを込めてブッシュにプレッツェルが贈られた。フランスではブッシュが食べたスナックタイプのプレッツェルが一般的では無いため、アメリカのプレッツェルを知らなかったフランス人はドイツの伝統的なプレッツェルを郵送したそうである。

●ドイツ以外の国家での事情

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アメリカの棒状プレッツェル Pretzel sticks

〇北米

アメリカとカナダではスーパーなどで手軽に買えて日持ちのするスナックタイプのプレッツェルが一般的である。スナックタイプのプレッツェルは伝統的なプレッツェルの形状だけでなく、棒状のプレッツェル・スティックス(Pretzel sticks)も販売されている。
ベーグルのような生地を用いて特に柔らかく焼かれたソフトプレッツェルは、アメリカでもパン屋などでしばしば販売されている。マスタードをつけて食べたり、一般的な塩味ではなく甘く味付けして売られたりする。

〇ポーランド

特に中世以来ポーランド王ヤン1世の勅令にのっとった製法を守り古都クラクフの旧市街とその周辺の決められた地域でのみ製造が許可され、同地域内に出店する公認屋台だけで販売が許可されるソフトプレッツェルはベーグルのもとになった食べ物と推定されており、これは「オブヴァジャーネック(the Obważanek)」と呼ばれる。ヨーロッパ連合(EU)の法律によって、2010年10月30日よりこのプレッツェルだけがこの「オブヴァジャーネック」の名称の使用を許されている。この食べ物はプレッツェルとベーグルの両方に共通する特徴があり、英語ではポーランドのプレッツェルとして紹介されることもあればポーランドのベーグルとして紹介されることもある。

〇スイス

北部では柔らかいプレッツェルをサンドイッチに使うことがある。
ハンガリー
ペレツ perec と呼ばれる。これではスラヴ語で「胡椒」を意味する語と同じになってしまう。(クン地方伝統ペレツ)

〇日本

日本ではグリコのプリッツを代表とするスティックタイプのプレッツェルが製造されており、広く親しまれている。 また、アメリカ製のハードタイプのプレッツェルも販売されており、輸入食料品店などで入手することができる。

●関連項目

ベーグル - いくつかの情報によると、ベーグルはプレッツェルの一種として作られたのが始まりだとされている。


■ポッフェルチェ(ポッフェルチェス、ポッフェルチュス、オランダ語: Poffertjes)

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パンケーキの一種で、オランダの伝統的な菓子。たこ焼きに似た丸い形をしており一般のパンケーキよりも小さく、小麦粉とそば粉を1対1で混ぜて溶いた生地にイースト菌などを加え発酵させているためパンケーキよりも口当たりが軽い(イーストを入れずに焼く場合もある)。ポッフェルチェは片面が完全に焼きあがる前にひっくり返すため、中も非常に柔らかい。焼いたポッフェルチェには普通砂糖をかけるほか、バターや糖蜜、ホイップクリームなどをかけたり、イチゴを添えることもある。

ポッフェルチェを作るのは難しくないが鋳物や銅でできたたこ焼き機のような特別な調理器具を必要とする。またテフロン加工したアルミ製の器具も売られている。オランダの大きなレストランにはポッフェルチェ用の器具が用意されており、シェフが生地を器具に流し込んで、完全に焼きあがってしまう前に器用にフォークでひっくり返して丸い形にしてゆく。スーパーマーケットにも、ベーキングパウダーなどの膨張剤が入っているポッフェルチェ用の粉も売られており、家庭で卵や牛乳を混ぜるだけで簡単に作ることができる。3月から9月にかけては、オランダ各地にポッフェルチェスを焼く屋台が建ち、1ダース単位で皿に入れて売っている。

ポッフェルチェはフランスの修道院で作られる聖餐用のパン(ホスチア)の一種がもととなった。フランス革命時、小麦粉の不足のために修道士がそば粉でホスチアを焼いたところ、普通よりも密度が高くおいしい味になった。修道士たちはホスチアを市場の商人らに売って物を交換していたが、その味に驚いた商人たちは修道士からレシピを聞いて自らも作るようになり、専用の調理器具も作られオランダにも広まった。ポッフェルチェという名は、これを焼く時に生地から空気が抜ける時の音から名付けられたとされる。

●リンク

Traditional Dutch Poffertje Recipe

http://www.cookrepublic.com/view/recipes/rec/10260/-/

Wikibooks - Poffertjes

http://de.wikibooks.org/wiki/Kochbuch/_Poffertjes


■ポテトパンケーキ(英語:Potato Pancake)

すりおろしたジャガイモの生地を、フライパンや鉄板で焼いた料理。ジャガイモはすりおろす以外にみじん切りにされる場合やせん切りにされる場合もあり、せん切りで作る場合はハッシュドポテトに似たものになる。冷めたマッシュポテトで作っても美味しく、この場合は焼いたコロッケに似ていなくもない。

●主なポテトパンケーキ

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カルトッフェルプッファー

ポテトパンケーキは、北欧・東欧で広く食べられている料理である。下記の他、ラトビア、フィンランドにも様々なポテトパンケーキが存在する。現代北米で見られるポテトパンケーキは、ヨーロッパ系移民の伝統的なポテトパンケーキがもとになっている。

●ドイツ

〇カルトッフェルクーヘン Kartoffelkuchen

〇カルトッフェルプッファー Kartoffelpuffer

〇ライバーダッシ Reiberdatschi

〇ライベクーヘン Reibekuchen

●スイス

〇レシュティ Rösti

●ポーランド

ポーランドの北西部では様々な味付けをされたポテトパンケーキが食べられており、ポーランド語で言うハンガリーのフリッター(プラツキ・ヴェンギェルスキェ Placki węgierskie)は、スパイスを効かせたグヤーシュ(牛肉の煮物)の厚切りを加えて焼き上げたものである。

●東欧ユダヤ民族(アシュケナジム)

〇ラトケス Latkes, Lotkes

●スウェーデン

〇ラッグムンク Raggmunk 

〇ポタティスカーカ Potatiskaka

〇ポタティスブッラー Potatisbullar

〇ポタティスプレッター Potatisplätter

〇ロラカー Rårakor

〇ポタティスヴォッフラー Potatisvåfflor

〇レヴヴォッフラー Revvåfflor

●北米

〇ハッシュドポテト(ハッシュブラウン)Hash Brown

〇テイタートッツ Tater Tots


■マカロン(macaron)

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アーモンドを使ったフランスを代表する洋菓子である。

マカロンと名の付く菓子には色々な種類があり、単にマカロンと言えば、通常は固く泡立てたメレンゲに砂糖、アーモンドプードル(パウダー)等を加えて混ぜて焼き上げた柔らかな2枚の生地にクリームやジャム、ガナッシュをはさんだパリ風マカロン(マカロン・パリジャン、macaron parisien)のことを指し、正式にはマカロン・ムー(macaron mou)と言う。いろどりも豊富で贈り物としても人気がある。

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パリの店先のマカロン

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マカロン・ダミアン

パリ風マカロンは、パリにある「ラデュレ」菓子店の経営者ピエール・デフォンテーヌが、1930年に2枚のマカロンにジャムやクリームをはさんで売り出したのが始まりである。日本では生地を小さく絞ったまま焼いたものもマカロンとして売られていることがある。「ラデュレ」のマカロンは、日本経済新聞の日経プラス1の「おすすめのマカロン」で見事1位を獲得した。バニラ以外には、チョコレート・ローズ・ピスタチオ味が有名だが、梅や抹茶などの和風マカロンも作られている。めずらしいものでは、黒ゴマ味のマカロンなどがある。

現在でもフランスの各地で、さまざまなマカロンが作られている。13世紀から作られているサン=テミリオンのマカロン・クラックレ(macaron craquelé)や16世紀から作られているアミアンのマカロン・ダミアン(macaron d'Amiens)、18世紀から作られているナンシーのスール・マカロンなどが有名である。最も古いマカロンは、791年から現在まで製造されているロワール地方のコルムリー修道院の物である。この他、ピレネー=アトランティック県サン=ジャン=ド=リュズなどにも名物のマカロンが存在する。

16世紀にカトリーヌ・ド・メディシスがアンリ2世のもとへ輿入れする際にイタリアから持っていった菓子も古典的なマカロンの一つで、イタリアではアマレッティと呼ばれる。


■マフィン(英: Muffin)

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パン、もしくは焼き菓子の一種である。

アメリカ式のカップケーキ状の焼き菓子と、イギリス式の丸型で焼いたパン状のいわゆるイングリッシュ・マフィンがある。しかし単に「マフィン」と言えば、現在ではイギリスにおいても一般的にアメリカ式のものを指すことが多い(明確にする場合、アメリカ式のものをCake Muffinと呼んで区別する)。本項は主にアメリカ式のものを取り扱う。いろいろな種類の粉で作られ中にブルーベリーなどのフルーツやナッツ、チョコチップなどが入っているものが多い。ベーキングパウダーで膨らませる。

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オーブン内のマフィン

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Lemon Meringue Muffins

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Muffins aux groseilles demoules

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NCI Visuals Food Muffins

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Schokoladen muffins

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Chocolate and coconut muffin

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Strawberry and Banana Muffins

●レシピ

薄力粉 130g
ベーキングパウダー 小さじ1
マーガリン 50g
砂糖 50g
卵 1個
牛乳 60cc

〇調理法

薄力粉とベーキングパウダーをふるう。

オーブンを180度に予熱する。

マフィン型に薄紙を敷くか、バターを塗る(紙製の容器を使う時はそのままで)。

マーガリンをクリーム状にし砂糖を入れて混ぜる。

白っぽくなったら溶き卵を数回に分けて入れる。

1の粉と牛乳を数回に分けて交互に入れ混ぜる。

型に入れて180度で25分間焼く。

好みでいろいろなトッピングを加えることができる。

●イギリスのマフィン

イギリスのマフィンはイギリス国外、特にアメリカではアメリカ英語: English muffin(イングリッシュ・マフィン)と呼ばれている。スコーンやクランペットに似た甘みのないパンの一種で、二つ割りにしてトーストやサンドイッチに用いられることが多い。


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