フラクタルにフィボナッチ数列 不思議な野菜 ロマネスコ | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

ロマネスコ。

不思議な形をした野菜です。

最近、日本のテレビ番組で立て続けに2回観ました。最近、だんだん人気が出てきているのでしょうか?ひとつの番組では「カリッコリー」と呼んでいました。

http://karapaia.livedoor.biz/archives/52043209.htmlより。

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カリフラワーの一種で、味はブロッコリーのようだと。私は食べたことがないですが。

しかし何よりこの野菜の形が、実は数学的に面白いのです。


まず、典型的な「フラクタル形状」だということ。

フラクタルとは「どの部分をとってみても自分に相似な部分から成り立っている」というような形状です。

有名なフラクタル図形のひとつが、「コッホ曲線」です。
http://mcm-www.jwu.ac.jp/~physm/buturi01/fra01/fractal.html

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また、「シェルピンスキーガスケット」も有名なフラクタル図形です。
http://www.gaia.h.kyoto-u.ac.jp/~fractal/detail/index.html

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自然界では、リアス式海岸の海岸線や雲、樹木の枝分かれや血管の分岐などがフラクタルだと言われます。フラクタルはフランスの数学者マンデルブロが1975年に初めて提唱した新しい概念で、1980年代に日本でも大きな話題となりました。私も大学生時代にホットな話題として本を読んだ記憶があります。

さて、ロマネスクを見てみましょう。小さな円錐と大きな円錐は相似であることが容易に見て取れます。ここまで見事なフラクタルは、なかなかないでしょう。

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なぜ、生命現象の中にフラクタルが見られるのかについては、Wikipediaに説明がありました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB

(引用開始)
血管の分岐構造や腸の内壁などはフラクタル構造であるが、それは次のような理由によるものだろうと考えられている。

例えば血管の配置を考えたとき、生物において体積は有限であり貴重なリソースであると言えるので、血管が占有する体積は可能な限り小さいことが望ましい。一方、ガス交換等に使える血管表面積は可能な限り大きく取れる方が良い。

このような目的からすると、有限の体積の中に無限の表面積を包含できるフラクタル構造(例えばメンガーのスポンジを参照)は非常に合理的かつ効率的であることが解る。しかも、このような構造を生成するために必要な設計情報も、比較的単純な手続きの再帰的な適用で済まされるので、遺伝情報に占める割合もごく少量で済むものと考えられる。
(引用終わり)


さらにこの野菜、「フィボナッチ数列」にも従っています。

フィボナッチ数列とは、最初の二項は0、1で、以後どの項もその前の2つの項の和となっているような数列です。具体的には、このようになります。

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, …
(0+1=1, 1+1=2, 1+2=3, 2+3=5, 3+5=8, 5+8=13, 8+13=21, 13+21=34, …)

ヒマワリの種は螺旋状に並んでいますが、その列の数を数えると、どの向きに数えるかによって21本、34本、55本、89本となります。松ぼっくりも同様です。

ロマネスクの場合、円錐が螺旋系に並んでいますが、私が数えたところ右曲がりでも左曲がりでも13列あるようです。13は、フィボナッチ数列に含まれる数字です。

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なぜ、ロマネスコやヒマワリはフィボナッチ数列に従うのでしょうか?調べたら、納得できる説明が見つかりました。

「植物の成長になぜフィボナッチ数が現れるのか」
http://himakou.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

ちゃんとした数学的説明はこちらを読んでいただくとして、エッセンスだけ抜き出して引用します。

(引用開始)
植物は無理数とか黄金比とかフィボナッチ数とかそんな難しいこと(?)知っているはずがなく,茎がねじれながら成長していく過程で「???回転したからそろそろ次の葉っぱをつけるか」とか考えているだけでしょう。

こうした中で,葉っぱをつける回転角度とは,各植物に偶然与えられた個性といってもよいでしょう。0.5回転の植物は左右交互に葉っぱをつけることになるでしょうし,0.333・・・回転の植物は上から見ると正三角形を描くように葉っぱをつけることでしょう。

回転角度が黄金比(あるいはその逆数や積)に近ければ,多少ズレていても整数の分数で近似することすら容易でないため,かなり大きな整数回繰り返しても葉っぱの致命的な重なりは避けられやすいということです。これが黄金比の競争力の正体であり,隣り合うフィボナッチ数の比はまさに黄金比の逆数を分数近似したものなのです。

フィボナッチ数のらせんというのは人間が何となく種の位置関係からそう見えているだけにすぎないのかなという気もします。ヒマワリがそう見せようと考えているわけではまったくなく。
(引用終わり)


ロマネスコという野菜に見られる数学…。

そんな小難しいことより、どんな味なのか食べてみたいという方、多分そちらのがかなり健全です(笑)。