暦に関するあれこれ ~イスラム教徒の年齢は!? | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

「あれこれ」シリーズ(?)です。


ちょっと前のことになりますが、1月23日、オンライン英会話(Keyeye)のフィリピン人講師のレッスンで「今日は中国人の新年なのでフィリピンでも祝日だ。日本でもそうか?」と聞かれました。

え? それって旧正月? 旧正月って新年=旧暦の新春=立春=2月4日頃だったっけ?

・・・あれ? 何かおかしい・・・。

あとで調べた結果、以下のようなことを自分は今までぼんやりとしか知らなかったことに気づきました。


暦には大きく分けて、以下の3種類があります。

太陽暦: 地球が太陽の周りを回る周期を基にする暦。
     現在日本および世界各国で用いられているグレゴリオ暦は太陽暦。
     周期は約365.24219日なので、グレゴリオ暦では、400年間に97回の閏年を設ける。    

太陰暦: 月が地球の周りを回る周期(月の満ち欠けの周期)を基にする暦。
     この周期はおよそ29.5日なので、1ヶ月が29日の月と30日の月をほぼ交互に繰り返す。
     1年はおよそ354日になるので、太陽暦と1年に11日ほどずれる。
     イスラム圏で用いられるヒジュラ暦は太陰暦。

太陰太陽暦: 夜間の明かりが月しかなかった時代、月を基に日付けを決める太陰暦は自然。
     (そもそも暦も天体も「月」だし、英語のmonthとmoonも同根語ですね。)
     しかし、一方で太陽の動き=季節と毎年ずれていく太陰暦は農業には不向き。
     そこで、太陰暦を基にしつつ、約3年に1回閏月を挿入して季節のずれを補正した暦が太陰太陽暦。
     中国や台湾・シンガポール・韓国などで重視される中国暦や、日本の「旧暦」(天保暦)は太陰太陽暦。


中国暦での1月1日は中国では「春節」と呼ばれ、これが日本の「旧正月」に相当します。
これは月の動きに基いていて新月の日(朔日)ですので、1月22日から2月19日頃までを毎年異動します。
2012年1月23日、2013年2月10日、2014年1月31日、2015年2月19日となっています。(立春の前後ですね。)

一方、立春は「二十四節気」の第一です。
二十四節気とは、太陰太陽暦において、1太陽年を24等分し、季節とのずれを修正する指標とされたものです。これには、春分・夏至・秋分・冬至、立春・立夏・立秋・立冬の他、大暑・大寒・啓蟄などが含まれます。

こちらの方は、太陽の動きに基いていますので、毎年せいぜい1日程度しかずれません。
立春は、毎年2月4日で(ほぼ)動きません。

→うーん。こんなこと、知らなかった…。


関連してその1。

日本での数え年の数え方については、私は知っていましたが、念のため。
生まれたときが(0歳ではなく)1歳で、毎年1月1日に一斉に歳を取ります。
したがって、12月31日生まれなら、翌1月1日には2歳になります(生まれて2日目で)。

Wikipediaには、面白いことが書かれていました。

・「数え年」を使用した理由は、約3年に1回ほど閏月が入ったので、閏月に生まれた者は閏月のない年には(正確な)誕生日がないので満年齢が正確に計算できないため。

・日本・中国・朝鮮半島・ベトナムの東アジア諸国では古くから満年齢は使われず、数え年が使われてきた。しかし多くの国では満年齢に切り替わり現在は韓国のみで、公的及び民間で広く使われている。
 (→とすると、韓流スターの年齢は数え年??満年齢だと1~2歳若い?)


関連してその2。

イギリス人と暦の話をしていて知ったのですが、欧米でも「復活祭(Easter:イースター)」の日は月の動きに基づいて決まるので、毎年異なるのだそうですね。

調べると、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と決まっており、3月22日から4月25日の間で動くそうです。そしてこの復活祭の日を起点にして決められる祝日も、一緒に動くようです。



さらに関連してもう一点、その3。

イスラム圏の暦に関する習慣について、ふと疑問に思ったことを中東某国人に聞いて確認しました。
それは、「彼らの誕生日はグレゴリオ暦(太陽暦)に基づくのかヒジュラ暦(太陰暦)に基づくのか」ということ。

結果は、伝統的な習慣および国の制度としては誕生日はヒジュラ暦に基づくとのこと。ただし、この会社内ではグレゴリオ暦を使っているとのことでした。


これの何が面白い?
ヒジュラ暦では1年がおよそ354日しかありません。それで何が起きるかと言うと…、

・太陽の動きに基づく1年に比べて、ヒジュラ暦の誕生日は毎年毎年11日早くなります。
 子供の頃は誕生日が冬だったけど、最近では誕生日は夏だ、というようなことが起ります。
 (これはラマダン=断食月の動きと同じです。)

 →私など、誕生日は毎年毎年(←当然)真冬なのですが、季節が変わる方がちょっと楽しいかも。

・さらに、グレゴリオ暦で年齢を数えるのに比べて、ヒジュラ暦ではおよそ33年に1歳分早く歳を取ります。したがって、年齢を聞いた場合は「それはヒジュラ暦で?」と確認しないと、正確なところはわかりません(1~2歳くらい、気にしないでしょうが:笑)

 こちらの会社の制度では、誕生日はグレゴリオ暦に基づくと定めているので、ヒジュラ暦に基づく場合に比べて定年退職が約2年遅くなります。
 …どの暦を使うのかが、こんな切実な問題に絡んできます。


そのほか、中国暦と日本の旧暦(天保暦)との違いなどもわかってきましたが、詳しすぎるので、この辺で…。