【ワシントン=黒瀬悦成 読売新聞】

ケンプソーン米内務長官は14日、地球温暖化で北極海の生息圏が脅かされているアラスカ州のホッキョクグマ(シロクマ)を「米絶滅危惧(きぐ)種保護法」の対象種に指定した、と発表した。

 米政府が、特定の野生動物について、温暖化の影響で絶滅する恐れがあると公的に認定したのは初めて。

 長官によると、北極海ではこの数十年、ホッキョクグマの移動やえさの捕獲に不可欠な海氷が温暖化の影響で激減し、「このままではホッキョクグマは約45年後には絶滅の危機に直面する」としている。

 一方で同長官は、「今回の指定を根拠に温室効果ガスの排出規制を進めるのは不適当だ」と述べ、指定は政府の温暖化政策に影響しないとの立場を強調した。