こんにちは。事務局長の橋本です。


 今日はふうせんバレーボールで使用している公式球(公式風船?)についてお話します。


 ふうせんバレーは頸椎損傷や筋ジストロフィーの方が中心となって1989年に

北九州市で作られたスポーツです。これらの障害は車いす使用者の中ではかな

り重度に分類されるもので、上半身にも筋力の低下や麻痺を伴います。


 ところが車いすで行うスポーツは上半身の力を使うものが多いですよね。実は・・・。

例えば車いすバスケであれば、椅子に座った状態で3mのリングまでボールが届かないと

シュートができません。当時はそういった方たちのチームスポーツがそれほど

広く知られていませんでした。(ウィルチェアラグビーやツインバスケは当時既にありましたけどね)


 そこで「みんなと楽しくスポーツがしたい」と生まれたのがふうせんバレーボールであり、

使用する風船は


力が弱くても少しでも遠くへ飛ばせる


ものである必要がありました。


 そこで探して探して探しぬいてたどりついたのが現在使用している


㈱マルサ斎藤ゴム  2寸6分ピンクの風船です。


この風船は指一本で突いただけで3mは飛んでいく優れもの。


今日はその秘密をこっそりとお教えします。長いですがもうちょっとお付き合いください。


秘密1.素材が柔らかい


 風船の素材は天然ゴムです。もともとは車のタイヤなんかと一緒の素材です。

そこに軟化剤という風船製造メーカーさん独自の油を加えて、素材を柔らかくしていきます。

マルサさんの風船はふんだんに軟化剤を加えているため、材質がとっても柔らかい。

なので、膨らませた時の弾力性が他とは一味違うのです。


秘密2.とっても肉厚


 素材が柔らかいので、風船の肉厚を厚くしても柔らかさが保たれます。肉厚なので、

大きくふくらませても風船の肉が薄くなって強度が落ちることはありません。大きく

ふくらませた状態で弾力性も強度も十分。思いっきりアタックしても割れません。

バレーボールで使う風船ではないのにもかかわらず、バレーボールにも使えてしまう。

これがその秘密なのです。


秘密3.形が丸い


 普通の風船は膨らますと長細くなってしまいます。これは、専門用語では

「涙型」といいます。でもふうせんバレー用の風船は丸型で、膨らませた状態で

かなり球に近い形になります。実はこんな風船はなかなかありません。


秘密4.職人の技術


 なぜそんな風船がないのか、というとこれだけ肉厚で、丸型の風船を弾力性を

保てる状態で製造することが機械ではできないからです。ふうせんバレー用風船は

ハンドメイド。風船職人さんが一つずつ手作りで作っています。


 長くなりましたがお付き合いありがとうございました。


 風船についてご質問のある方は東京ふうせんバレーボール振興委員会まで

お問い合わせください。


tokyo.fusen.staff@gmail.com