おじいさんは、5匹の猫と一緒に暮らしていました。
ある日、おじいさんは、お医者さんに入院しなくてはならない病気だと告げられます。
ところが、入院している間、5匹の猫を預かってくれる人がいません。
5匹の猫以外に、おじいさんに身寄りはいなかったのです。
悩んでいるうちに入院する日が近づき…
ようやく、猫のボランティアをしている知り合いに
入院中の猫の面倒を頼めるようになりました。
その人が、おじいさんの家へ行くと…
決していい環境とはいえない所で、5匹の猫が身を寄せ合っていました。
やがて、おじいさんの病気は、ますます重くなり…
自分の命が決して長くない事を悟ります。
気にかかるのは、家に残してきた5匹の猫です。
おじいさんは、夏の暑い日、シェルターにやって来ては、おしゃべりしていくのですが…、なかなか5匹の猫のことを切り出す事ができません。
結局…、なにも話せないまま病院に戻る日々が、何度も続きました。
やがて、シェルターのスタッフが5匹の猫の事を知り、
おじいさんには直接言えなかったけれど
お医者さんに、5匹の猫の面倒をみることを伝言しました。
そして…
おじいさんは静かに息を引き取りました。
それは、スタッフが5匹の猫のことを伝言した、翌日のことらしいです。
5匹の猫はシェルターに引き取られました。
ただ、1匹はおじいさんの後を追うように、虹の橋を渡りました。
残った4匹の猫は…
さくらとすずは、新しい里親さんと幸せに暮らしています。
シロクロとクロは…
シェルターで、2匹身を寄せるように暮らしています。
優しい里親さんの元で、早く幸せになるといいね。
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