試乗記 1台目 「日産ムラーノ350XV FOUR」  | 記憶の中のイメージについての回想、とクルマのことも。
車体色 ブライトカッパー


銀座を走ったけど、このモデルはすでに都会の街には溶け込んでしまっていた。
ムラーノはすでにはびこっていたのだ。

唯一の救いは、遠くからでもよく見える車体色だった。
明るいオレンジ色はムラーノの別の側面を際立たせる。
他の色には出せない、妖しさや正体不明な色香をかもし出す。
デザインのポイントは、なまめかしさとは正反対のクリーンなエロさにあると思う。
出身地が不明な印象を受ける危険さと、でも試してみたい衝動とが合わさって興味をそそる。

ムラーノは速い。
クールに加速する。
3500ccの排気量がもたらす加速力と、CVTによるシームレスでスムーズな変速。

2輪駆動車との比較試乗は行っていないので、評価はできないが
四輪駆動車の走行安定性はしっかりしたものだった。
特に高速走行時には、何の不安も無く車線を縫うように走ることができる。

前方の走行車両を、レーストラックのパイロンのごとく抜き去るような、下品なドライビングも簡単にこなしてしまう。


北陸の海岸沿いのサービスエリアに停めて
岩のりうどんをすすった。

平日のパーキングには、オレンジ色の車はこの1台しかいなかった。
注目度が高かったのは、周囲のひとがおじさんやおばさんばかりだったからだけではないだろう。

大きくて目立つこの車は、銀座では埋没してしまう存在かもしれない。
でも、どこかの地方都市に行けば、注目の的になる。

そうはいっても自分は、
都会的な風景にも
自然がたくさんあって、閑散とした地方都市にも
風景の中に溶け込んでしまう不思議なデザインの車だなと思った。

ちなみに、シートの出来はあまりよろしくない。