かなり長くなります。



お子さんのウンチの事で悩んでいる方、

同じではないかもしれませんが、

読んでみて頂けると嬉しいです。


お兄ちゃんは新生児の頃から、オムツを変える度に、

おしっこだけではなく、ウンチも出ている子でした。



しかも、たっぷりではなく、毎回ちょこっとだけ。



なんていうんだろう。



オムツにウンチをかすっている??状態。



「う~ん」なんて頑張っている姿は見たことがなく、

おしっこのように自然に、漏れているというのか

出てしまっているようでした。



完全に自分勝手な言い訳ですが、

私にとって初めての子供だったし、

生活も経済的にものすごい大変で、

息子が2ヶ月半くらいから保育園に預けて

フルタイムに近い状態で働きながらの子育てだったので、

それがおかしいと思ってあげることが出来ませんでした。



1歳になっても2歳になっても3歳になっても

そのちょこちょこウンチを1日に10回以上もしていました。



私も私の母もずっと、便秘ではなく、

下痢なんだと思っていました。



健診に行く度に、保健士さんや小児科の医師に相談するものの、

なかなかはっきりしたアドバイスも得られず・・・



良く言われたのが、「その内」

その内ちゃんとするようになるよ。

その内トイレにも行けるようになるよ。

その内う~んって頑張るようになるよ。



お腹が張ってつらそうで病院に行くと、

「便秘でウンチが溜まり過ぎてお腹が痛いんですよ」と言われ、

浣腸をして出してもらうことも何度もありました。



浣腸をすると、オムツから溢れるほどのウンチが出ました。



でもその時も病院では、

その後に対する注意もアドバイスも何にもなく・・・・



ここでも、

「その内腹筋が発達してくれば、

ちゃんと出るようになるんじゃないかな~」



今思えば、新生児でもちゃんとうんちをするのに、

3歳になっても、新生児より”腹筋”が無いって事ですか??

って感じなんだけど。



常にウンチをしている状態なので、

トイレトレーニングなんて上手くいくはずもなく、

保育園の先生や保健士さんには、

「ウンチをする時間って大体わかるでしょ?

う~んって頑張りそうになったらトイレに連れて行くようにすればいいのよ」

と言われたけど、

ウンチをする時間??1日中ウンチしてるんだけど??

という状態でした。



保育園のベテランの先生に相談してみても、

「う~ん、なんでしょうね~・・・・」と言われるだけ。



1日中ウンチばかりして、お尻を何度も何度も拭くので、

お尻はかぶれて、一番ひどい時はケロイドのような状態になっていました。



薬を塗ったり、

やけどの時に貼るような透明のシートみたいのを貼って

次のウンチに触れないようにしてあげたり。



それでも何度もウンチをするので、

拭かないでお風呂で洗うようにしたり・・・・



そして3歳の時、いつものようにお腹が張ってつらそうなので、

またかかりつけの病院に行き、浣腸してもらわなきゃ・・・と思い、

暗い気持ちで病院に行ったところ、偶然、いつもと違う先生。



しかも、その先生、

失礼な言い方になっちゃうけど、

その病院に通うお母さんの中では、

「ヤブ」と言われていた先生。



ちゃんと見もせずに、

触ったりもせずに、

適当に薬を出すから、

折角病院に行って薬をもらっても

適当な薬じゃないのか、

なかなか治らない・・・と。



しかもまた1から説明しなきゃならないかな・・・

と思ってちょっと身構えていたのですが、

思いがけず「レントゲン撮ってみましょうか」



「えっっ??」



何のことなんだろう?もしかしたら患者間違い?

と思った。



だって、お腹が張ってるから、浣腸をしてください

って言ったのに、レントゲン???



でも、その先生は、今までのカルテをまじまじと見て、

「もしかしたら大学病院みたいな大きなところに行く必要があるかもしれません」と言い、

今まで何の解決策を出してくれる人もいなかったので、

なんだか直感ですが光が見えた気がして、先生に任せて見ることにしました。



レントゲンを撮って、また診察を受けると、

「このレントゲンを持って、出来るだけ早く大学病院に行ってみてください」と、

その先生がこういう症状に一番いいと思う先生の病院を紹介してくれて、

その日の診察時間まで調べてくれました。



その足で急いでその先生のいる大学病院に向かいました。



しかし、待たされることなんと4時間・・・・



その日は小児外科の診察日ではなく、

最初は外科の診察を受けるはずが、

病棟を見回っていた小児外科の先生が急遽見てくれることになり、

その先生待ちだったようです。



待ちくたびれて、「もういいよ」と思っていたその時、

やっと呼ばれて診察室へ。



しかも1から説明して見てくださいとのことで、

生まれた頃からのことを説明する羽目に・・・



レントゲンをまじまじと見ながら、メモをしながら、

じ~っと聞いていた先生。



そこで初めてお兄ちゃんの本当の状態を知りました。



お兄ちゃんは『遺糞症(いふんしょう)』だったそうです。



私も初めて聞いたのですが、

お兄ちゃんはおそらく生まれた時から

腸の動きが少し悪くて、

ウンチを排出する力が足りず、

少しずつ腸のきわめて肛門に近い部分に

ウンチが蓄積してしまい、

それがすっごくでっかいウンチの塊になり、

そのせいでウンチが出てこれず、

またそれが塊に加わり、どんどん大きくなってしまって、

腸が普通の5~10倍に伸びてしまっている状態。



その塊のせいで肛門が常に少し開いてしまっていて、

塊の横の隙間からウンチのかけらなどが通り抜けて、

無意識のうちにちょこちょこ出てしまっている状態。



だそうです。



そして、ず~っと気になってはいたのですが、

なんなのかわからなかった、右側の下っ腹の『しこり』のようなもの。



それは・・・腸に溜まっているウンチだったそうです。



今後の対策は、



①とにかく溜まっているウンチの塊を出すこと。



②出し切ったら、伸びてしまった腸が元に戻るまで、

そこに再びウンチが溜まらない様に、

薬を使ってでも1日1回必ずウンチを出すこと。



③薬を使わずに自力でウンチが出るようにすること。



そして、とにかく、その腸に溜まってしまっている塊を

出すことから始まりました。



出すと簡単に言いましたが、これが一番大変でした。



出るまで毎日毎日、1日2回の浣腸を繰り返すんです。



病院ではなく、自分たちで。



その時はもう離婚して実家に戻っていたので、

母と二人で頑張りました。



泣いて暴れるお兄ちゃんを一人が抑えて、

一人が浣腸をして、2分間、

出てしまわないように肛門を押さえる。



そして肛門を押さえたまま抱え上げてトイレに座らせ、

ウンチをさせる。



その繰り返し・・・・



お兄ちゃんはもちろん大泣きだし、

私たちも大変だしそんなお兄ちゃんを見るのも辛いし、

何より精神的に本当に大変でした。



虐待をしているみたいな光景でした。



最初は柔らかいウンチがほんの少しずつ出るだけでした。



でも10日続けたくらいの時に、すっごく大きな塊が出たんです!



ウンチを柔らかくする薬も毎日飲みました。



3歳児に毎日朝晩の粉薬。



これも慣れるまでは大変でした。



そして2週間後に診察へ。



出たことを報告し、もう一度レントゲンを撮ると、

「塊がなくなっている」とのこと。



とっても嬉しくて泣きそうになりました。



でもその後も、回数を減らして、

浣腸は続けなくてはなりませんでした。



だって、まだ①をクリアしただけだから。



毎日二回→毎日一回→二日に一回→三日に一回・・・・



大変でしたが、お兄ちゃんのウンチの出方が、

明らかに変わったんです。



1日に数回、量は少なめだけど、

ちゃんとしたウンチが出るようになったんです。



それまで、お兄ちゃんのバナナ状のウンチなんて

1度も見たことがありませんでした。



最初に浣腸無しで出たのを見た時は、

感動してお兄ちゃんを抱きしめて喜んだほどです。



だんだんに浣腸の回数は減り、

薬を飲まなくても出るようになりました。



最初に大学病院の先生の診察を受けてから、

毎日欠かさず記入していた『ウンチの記録』



何日の何時にどんなウンチがどのくらい出たかを書いていました。



目に見えて良くなっていって、本当に嬉しかったです。



病院には1年半通いましたが、今では薬の力も借りず、

浣腸に頼ることも全くなく、

少なくとも2日に1回は正常なウンチが出ています。



大学病院の先生の初めての診察の時、

もう少し来るのが遅かったら、腸が破裂して、

大変なことになっていたかもしれない、と言われました。



生まれた時から兆候はあったのに、

4歳近くになって初めて状態を把握できたなんて・・・・

親として、もっと早く気づいてあげなきゃいけなかった。



ウンチが出なくて、トイレトレーニングもうまくいかなくて、

周りに色々言われて、

イライラしてお兄ちゃんに当たったことも何度もあって、

本当に自分が情けない。



毎日毎日浣腸されて、大泣きして、

そのくらいの時間になって気配を感じると、

泣いて走り回って逃げていたお兄ちゃん。



母と、「こんなの続けてたらお兄ちゃんの性格が

ねじまがってしまいそうだね・・・」と話していた程、

壮絶で、大変でした。



保育園の先生も、毎日毎日何回もウンチばかりして、

本当に大変だったと思います。



病院に通い、だんだん良くなるお兄ちゃんを見て、

一緒に涙ぐむほど喜んでくれました。



今では母とも、「こんなことがあったねぇ、

大変だったよねぇ」と、思い出話の一つになっています。



でも、どこかに同じ症状で苦しんでいる子、

そして親御さんがいるんじゃないかと思って、

ここに書かせていただきました。



実際、お兄ちゃんが通う保育園の3つ下のクラスにも、

同じ症状で、でもなんなのかわからずに

苦しんでいる親御さんがいました。



先生に聞いて、お兄ちゃんの話をしたら、

すぐに病院に行って調べてもらい、

やはりお兄ちゃんと同じだったようで、

「なんなのかわかって安心しました」と

泣いて感謝されました。



子供が苦しんでるのに

なんだかわからなくて、解決できない。



それが一番親にとって辛いし、

子供にとっても親にとっても大変だと思います。



私もお兄ちゃんのウンチで悩んでいる時は、

ず~っと胃が痛くてまともに食事すらできない時も多々あったし、

精神的にすごく荒れていて、

家族にもたくさん迷惑をかけたと思います。



今、ちび二人を産んで育ててみて初めて、

「あぁ赤ちゃんでもちゃんとう~んって踏ん張って、

健康的なウンチをするんだな」

「こんなに小さくても1日にまとまったウンチを

1回ちゃんとするんだなぁ」って知って、

感心してしまいました。



お兄ちゃんは結局五歳になってから

おむつが取れました。



だんだん大きくなって、

デパートの赤ちゃんルームみたいなところで、

おむつを替えていると、

「障害があるのかしら」

「どんな育て方してるの?」

「(自分の子供に)大きいのにおかしいね~」

と聞こえる声で言われることもしょっちゅうでした。



おむつのサイズもだんだん無くなっていました。



気にしない気にしないと自分に言い聞かせながらも、

ものすごく険しい顔でおむつを替えていたと思います。



お兄ちゃんはその私をずっと見ていたんだよね。



自分はお母さんに迷惑を掛ける子なんだ

ダメな子なんだって思っていたみたい。



でも、苦労した分、

初めてお兄ちゃんのパンツを買った時は

ものすごく感動でした。



とっても長くなりましたが、読んでくれた方がいましたら、

ありがとうございます。



子育て、頑張りましょう。