案の定、あれ以来仕事の依頼は全く来ない。
来なけりゃ行くぞこの野郎。というわけで
師匠の手伝いの合間に持ち込み用のやつをまた描いている。

ところで、私は持ち込みを本格化させてからは
師匠の仕事場にはもう半年以上行ってなくて
背景を描いたりとか、直接原稿を手伝うことはしばらくやってない。
じゃ何を手伝っているのかというと、ネームの作成。
ネームというのは、セリフを含めたラフ原稿のようなもので
コマ割りをして、人物や吹き出し(セリフの入る丸囲み)の
大体の配置をざっと描いたもの。
編集部から送られてきた原作の文章を
師匠が私にファックスで丸投げし、それを私が描き起こしラフにして
ファックスで送り返し、それを師匠が清書して完成原稿にする。

直接仕事場に行ってた頃からこの作業はよくやっていたのだが
初めのうちは完成原稿にする段階で結構手直しをされていた。
だが、最近はそのまま使う事の方が多いようだ。
これは私のウデが上がったからというよりも、
単に面倒くさくなったからではないかという気もする。
まあ、超重要な作品に関しては師匠が全部自分でやるわけだが。

それにしても、急に12ページ分を明日まで、とか
無茶なペースを要求される事もあり、結構アセる。

私の場合、分量の少ない文章から
多くのページを描き起こすのは結構得意だ。
勝手にキャラの性格付けをしたり、
原作にないセリフを考えたりするのは結構楽しい。
5行ほどの原作から7ページ起こした事もある。
逆に、メチャクチャ分量の多い文章を
2ページとかにまとめろっていうのはすごく苦手だ。
この部分を強調して、とかの指示があればまだしも
全て丸投げだともうどうしていいか分からない。
どこか無駄な部分を切り捨てないと収まらないわけだが
無駄と思って捨てた部分が実は重要だったりするのだ。
最近は少し分かってきたけど。

というわけで、プチSOHOとも言える現在の仕事状況なのだが
この作業だけだとお金はそんなにもらえない。
直接行って背景描いてた頃の半分ももらえない。当たり前だが。
実家暮らしでなかったらとっくに私は氏んでいる。
なので早く自分名義の仕事を続々とゲットしたいのだが
世の中なかなかそう上手くはいかないようだ。