家族の家族は
ワーニャが生まれ育ったのは首都モスクワ
モスクワに住んでいると
年に何度かこんなことがあったのだそうです
週末にかかってくる1本の電話
いつものようにママが出ると…
アーニャと名乗る
全く知らない
人からの電話
しかもママにもパパにも心当たりはないのに
相手はやたらと親しげです
日本だとこんな電話がかかってきたら
オレオレ詐欺に間違いなし、という感じですが
当時のワーニャ一家にはよくあること
ママやパパの対応の仕方もきまっていたらしく
相手が誰だか分かった振りをして
話を進めます
そうしていると話のあちこちから
このアーニャなる人物はママの遠い親戚だということが
分かってくるのだそうです
そしてこのような誰だかさっぱり分からない
遠い親戚が突然電話をかけてくる場合、
用件はきまっていました
それはモスクワを訪れるから
ワーニャ家に滞在させてほしいというもの
誰だかわからないとは言え
親戚にそう頼まれて断るわけにもいかないママは
「この人、一体誰なんだろう」と思いながらも
快 諾
そして謎のアーニャ夫婦を
自宅に泊める約束をしたママは…
親戚の中で一番
顔の広いおばさんに電話をかけ
アーニャの正体探し
しかしほとんどの場合おばさんにもすぐに分からず、
アーニャとの会話に出てきた人物の名前を頼りに
例えば「この前○○おじさんに会ったのよ」みたいな
あちこちに電話して調べてもらうことになるのだそうです
そうして翌日あたりにおばさんから電話がかかってくると、
謎の人物アーニャは
ママのお母さんのお兄さんの
義理の妹の息子の奥さんの
お母さんのお姉さんの娘…
つまり
ほとんど他人
いや、他人じゃなくて
家族なんだそうです
こうしてモスクワに住むワーニャ一家の元には
会ったこともないどころか
存在自体知らなかったような遠い遠い親戚が
年に何組か泊まりに来たのだそうです
友達の友達はみんな友達、なんてもんじゃありません
家族の家族はもちろん、
家族の家族の家族の家族も
みーんな家族だったのだそうです
どんだけ遠くてもつながりが分かれば家族
つながりが分かるってのもすごい…