犬混合ワクチン | 戸部ウータン動物病院のブログ

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ワクチン接種は人工的に免疫を与える方法です。

人間も赤ちゃんの頃から年齢により各種のワクチンを接種し感染症を予防しています。
犬も同様でワクチン接種により命にかかわる感染症から守っています。


当院ではWSAVA(世界小動物獣医師会)AAHA(米国動物病院協会)ワクチネーションガイドラインにのっとったワクチン接種を推奨しています。

 

初年度は6〜8週齢で初回接種、その後16週齢以降まで2週間隔接種、次に歳の誕生日に接種します。

その後はコアワクチン年に回抗体価を測定してから必要があれば接種ノンコアワクチン年に接種します。

 

他のワンちゃんと接触する可能性がある子はパラインフルエンザ(ケンネルコフの原因)の予防が含まれる種以上の混合ワクチン年に接種をお勧めします。

 

当院でペットホテル・トリミングを利用する子は感染症予防の為、種以上の混合ワクチン年に1回接種が必要です。

 

ワクチンプログラムは生活環境、月齢、健康状態などでその子その子で変わります。
当院では診察時にオーナー様とご相談の上、その子に合ったワクチンプログラムを決めていきます。

 



 

当院で取り扱っているワクチンは5種・6種・10種混合ワクチンです。

 

5種混合ワクチン:6,000円

6種混合ワクチン:6,500円

10種混合ワクチン:8,000円

 

クチンで予防できる病気

犬ジステンバーウイルス(コアワクチン)

予防接種により数は少なくなっているとはいえ、現在でも周期的に発生しています。死亡率の大変高い病気です。
ジステンバーウィルスによる接触または空気感染で3~6日の潜伏期間の後、
発熱・目やに・鼻水・くしゃみ・元気消失・下痢・運動障害があらわれたり・脳を冒されたりします。

 

犬パルボウイルス(コアワクチン)

経口感染による伝染力の強い、致死率の高い恐ろしい病気です。
下痢・嘔吐・発熱・脱水などの腸炎型、突然呼吸困難になり急死する心筋炎型があります。

 

犬伝染性肝炎(コアワクチン)

アデノウィルス型の経口感染により特に幼齢期に発症し、突然死の原因となる病気です。
発熱・腹痛・下痢・嘔吐・扁桃腺の腫れ・眼球の白濁などが起こる。

 

犬伝染性喉頭気管炎(コアワクチン)

この病気単独ではあまり死亡率は高くはありません。
ほかのウィルスとの合併症により死亡率も高くなる伝染病です。

 

犬パラインフルエンザウイルス(ノンコアワクチン)

パラインフルエンザ型ウィルスにより呼吸器症状出ます。
この病気単独でそれほど死亡率は高くなく、ほとんどの場合自然に治ります。
咳・鼻水などの症状が現れます。

 

コロナウィルス(ノンコアワクチン)

コロナウィルスの経口感染により、下痢・嘔吐の症状が出ます。
幼齢期の弱っている犬がパルボウィルスと同時に感染すると重症になります。

 

犬レプトスピラ(ノンコアワクチン)

レプトスピラという螺旋状の細菌が、ネズミの尿などから犬やヒトに移る病気です。
この細菌は水の中では長く生きるので、池、下水、汚れた川に犬が入り、粘膜や傷のある皮膚を通して感染します。
症状は嘔吐・高熱・食欲低下から肝障害や腎障害、黄疸・痙攣・昏睡・血便などで、早期であれば抗生物質で治療可能な病気です。
しかし症状が進むと尿毒症となり数日で死亡することもあります。
動物からヒトに伝染するため、診断された場合保健所に届け出をしなければなりません。

 

 

3年に1回のワクチン接種?

近年、コアワクチンの追加接種を3年に1回にする意見が広まってきています。

これは欧州・アメリカではコアワクチン接種は3年に1回、ノンコアワクチン接種は1年に1回となっており、その3年に1回が強調されて広まったものです。

海外のコアワクチンの免疫力はデータ上でも3年に1回接種すれば体内の抗体は維持されています。
ただし、データは海外のもので、ワクチンメーカー、ワクチンの接種率やウイルスの汚染状況の違う日本において、そのまま適応できる保証はありません。

日本のワクチンメーカーにおいても1年ごとの追加接種を推奨している以上、安易に3年に1度でよいと判断するのは危険でしょう。

理想的には免疫力がどのくらい残っているのか毎回検査して、足りない分だけを追加接種できるといいのです。

 

コアワクチンの免疫力の検査には6,600円かかります。(採血代 別途1,000円)

(ジステンパー・パルボ・アデノウイルス抗体価測定)

 

当院でも抗体価検査を何度か実施しましたが、何頭かは3年間抗体価が持続する結果はでませんでした。

ノンコアワクチンに関しては1年に1回接種が必要なのは日本も海外も変わりません。

日本ではワクチンプログラムにおいて、ガイドラインの統一が未だできていません。

よって先生によっていろいろな意見、やり方がございます。

あくまでも任意の接種です。

 

どうするかの最終判断は担当の先生とよく相談の上、飼い主様が決めることになります。