ある女性に出合った。
場所は鳥羽市の畔蛸(あだこ)にある西明寺(さいみょうじ)。
2年前、恋愛で悩んでいたいたとき、気分転換に、友達グループで鳥羽に来た。
鳥羽の畔蛸町の民宿に泊まり、西明寺の和尚さんの話が面白いと聞いて、
友達と朝、説法を聞きに行った。
お話から学ぶことが多く、気持ちを切り替えようという決意をした。
畔蛸を出て、しばらくすると、車の中で、突然、彼女の携帯が壊れたという。
原因は分からない。今まで、使えていたのに、急にである。
多くの知り合いの電話番号も消えてしまった。
そう、別れたあとも何度も電話してしまい、
気持ちに整理のつかなかった前の彼氏の電話番号も。
その後、彼に電話することもできなくなり、彼への思いを断ち切ることができた。
結果的には、いい出会いがあり、今度、結婚することになったという。
今日はそのご報告とお礼に来たという。
伊勢神宮にお参りして、鳥羽の宿で、美味しい海の幸を堪能し、
ここちよいお湯につかったら、次は心の洗濯が必要だ。
旅先で心も健康になり、明日への活力や生きるヒントがもらえたら最高だ。
鳥羽市の畔蛸(あだこ)に、西明寺(さいみょうじ)というお寺がある。
なかなかの名刹で、開基は鎌倉幕府5代執権 北条時頼。
出家後、全国行脚をしていた時頼が立ち寄ったという。
時頼の廻国伝説は有名であり、能、謡曲「鉢の木」にも表れている。
鎌倉時代の黄門さんといったところだろうか。
開山は時頼の師でもある兀菴禅師(ごったんぜんじ)。
彼も中国へ帰る途中、船の修理のため畔蛸に立ち寄ったという。
禅師は鎌倉の建長寺第二世であり、中国の宋から来た高僧である。
ごったんぜんじ は、「ごたごた」や「ごった煮」の由来にもなったという人物である。
この畔蛸にある西明寺の和尚さんがとてもユニークで、
この和尚さんの説法を聞きに観光客が訪れている。
和尚の話はこの寺の由来や、畔蛸の町の紹介から始まり、
人生相談や時には恋愛相談にも及ぶという。
「お寺はもっと普段から身近な場所でありたい」
「記憶に残る旅を」という
住職の思いが詰まっている。
予約は1週間前から前日まで。
時間や内容も相談に応じてくれる。
催行人員は3人から30人まで。
(地元でお葬式が入ったときはごめんなさい)
料金は「お気持ちで」としか言ってくれないが、
お抹茶を出してくれるので、
一人、500円くらいでどうですかと観光客の方には提案している。
問合せは
西村屋 0599-33-6089
西明寺 0599-33-6112
僕が出合った彼女は晴れ晴れとした顔で、
民宿へ戻っていった。