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訃報

コント55号のコメディアンで俳優の坂上二郎(さかがみ・じろう)さんが10日午前9時40分、脳梗塞のため死去した。76歳だった。通夜、告別式は執り行わず、近親者のみで密葬を行う。喪主は未定。


 昭和9年、鹿児島県生まれ。歌手を目指して19歳で上京、歌手の付き人を経て漫才師になり、東京・浅草のストリップ劇場「フランス座」のコントで共演した萩本欽一さんと昭和41年「コント55号」を結成。松竹演芸場や有楽町の日劇で「机」「帽子屋」など、舞台狭しと駆け回る勢いのあるコントを披露、萩本の全身を使った突っ込みをきっちり受け止める「チッコイ目の二郎さん」として人気者に。コントの中で始めた飛行機の手振り付きの「飛びます、飛びます」は多くのお笑いタレントが物真似のネタにし、二郎さんの代名詞ともいうべきギャグだった。

 その後、テレビのバラエティー番組にも進出、お茶の間でも人気を得るが、昭和40年代後半から俳優としても活躍、TBS系「夜明けの刑事」、NHK大河ドラマ「翔ぶが如く」など多くのドラマに出演した。また、二期会のオペレッタ公演「こうもり」に出演するなど、歌手としても実績を残した。

 平成15年9月、ゴルフのプレー中に脳梗塞(こうそく)で倒れ、一時は生命も危ぶまれる状態だったがリハビリ中の16年1月、東京・明治座のコント55号公演で舞台復帰、18年3月には舞台劇「富豪と、嘘と、のぞみ」で完全復活を遂げていた。


謹んでご冥福をお祈りします。