レビュー:SE112(SHURE) | (´・ω・`)

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2018年年末をもってアメブロでの投稿を止めました。またどこかで・・・。

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※音質以降はHP-CN40A(Maxell)とATH-IM50(オーテク)との比較を中心に書いています。
※HP-CN40Aは、イヤーピースをハイブリッドイヤーピース(EP-EX11M)に変えてあります。

【使用環境】
NW-A918に直挿し。自宅(室内)で試聴。
   表1.室内の暗騒音
騒音測定器※1 騒音計※2
L-07C 51dB ×
Nexus7(2012) 31dB 35dB

【デザイン】
かなりプラスチックな感じで、カッコよくは無いと思います。ハウジング部が持ちやすい点は地味に良いですが、ステムの位置が独特なので使いやすくはありません。普通の着け方もSHURE掛けもできるデザインで、機能特化な傾向があります。

【音質】
 フラットに近いカマボコだと感じました。フラットな音質と言われているCN40Aに比べ、高音と低音の音圧が低いと感じたためです。解像度は良い方だと思います。
 音圧の比較の話をすると、
 高音:CN40A>IM50>SE112 
 中音:CN40A≧SE112>IM50 
 低音:IM50>>CN40A>SE112 
と感じました。後に触れますが、3種の中ではSE112が最も遮音性に優れているため、暗騒音の影響をあまり考慮しない音質に設定されていると考えられます。試聴環境が割と静かなところだったので、他2種は暗騒音に埋もれがちな低音がよく聴こえた結果が上記の大小関係だと思います。

【フィット感】
イヤーピース頼りな感じです。基本的にハウジングは肌に触れず、イヤーピースで位置を固定している形になっています。イヤーピースがフィットしている状態であれば、着け心地は良好です。

【タッチノイズ】
ケーブルが太く、いざとなったらSHURE掛けもできるので、タッチノイズに困ることは殆どないと思われます。

【外音遮断性】
SHURE製品全般に言えることですが、非常に遮音性に優れています。SE112には、遮音性が高いと評判のコンプライ製のイヤーピースは付属していません。シリコン製のイヤーピースしか付属されていませんが、シリコン製でも並みの耳栓と同等の遮音性を体感できます。

【音漏れ防止】
無評価

【携帯性】
普通のイヤホンと同じくらいです。強いて言うなら、ステムが細く、断線対策が甘いように見えるので、携帯する際は少し気を付けた方が良いかもしれません。

【総評】
 SHUREの製品はモニタリング目的でも使えるようになっているため仕方ないですが、正直、遮音性以外は味気ないと感じました。5000円以上のランクを知った後だと、色んな点が中途半端に感じます。ただ、5000円前後で非常に高い遮音性と癖の少ない音を手に入れることができると考えると、コスパは良いと思います。


~ 番外:ATH-IM50との比較 ~
 個人的に、SE112とIM50はライバル関係にあると思っています。何故なら、
・フラグシップモデルも用意されているシリーズのエントリーモデル
・価格が5000円前後
・モニター用途も考慮されている
・3000~10000円クラスの中での人気機種
という共通点があるためです。どちらも発売が割と最近ということもあり、SE112の情報が出てきた頃から気にしていました。

【デザイン】
 SE112をIM50と同じくらい使ってみたら変わるかもしれませんが、IM50の方が好みです。IM50の方がSHURE掛けに特化している分、使い勝手が良いです。どちらもチープな外見と言われがちですが、IM50の方が高級感があります。

【音質】
 高音は、どっちもどっちだと思います。SE112は、解像度が高いのに音圧が低めなので、聴こえが悪いです。IM50は、SE112より聴きやすい音で解像度も悪くありませんが、低音のせいで印象に残りにくいです。
 中音は、IM50の方が好みです。IM50は、輪郭がはっきりとした音なので、非常に聴き取りやすいためです。SE112は、良くも悪くも質素な音です。
 低音は、単体で考えると、どっちもどっちですです。しかし、IM50は低音が支配的なので、SE112の方が良いと思います。
 音の広がり・位置感は、IM50の方が好みです。IM50は、音の広がりが良くて、位置感も良好です。SE112は、位置感はIM50に少し劣り、音の広がりは狭めです。
 感度は、IM50の方が良いです。再生機器のホワイトノイズも拾ってしまうくらいに…。

【フィット感】
デザインの時点で決着が付いてしまっていますが、IM50の方が良いです。ただ、そのデザインの関係でIM50は装着感が悪いと感じる人がいるので、SE112の方が無難ではあります。普通の着け方もできますからね。

【タッチノイズ】
SE112の方がタッチノイズを感じにくいです。IM50も感じにくい方ですが、ケーブルが硬いので、眼鏡を掛けていると眼鏡とケーブルの接触音が気になるときがあります。

【外音遮断性】
SE112の圧勝です。IM50は、見た目の割に遮音性は然程高くありません。

【リスニング用途】
好みの問題もありますが、迫力だったり音の傾向だったりを考慮するとIM50の方が向いています。"原音重視!"という人は、この価格帯からは選ばないでしょうし。

【モニタリング用途】

真剣な場で使わないとして、一般的にはSE112の方が向いています。遮音性が高く、音に癖が少ないためです。しかし、周りがうるさくない所で音の聴き分けをするなら、IM50を使うと思います。低音が出ている音源では難しいですが、音の聴き分けにはIM50の方が向いているためです。

【総評】

 どうなんでしょうね。立ち位置は似通っていても、性能面は別々の方向性を持つものです。IM50の低音が支配的でなければ、「遮音性のSE112、それ以外のIM50」と決めることができました。しかし、この感じでは「遮音性と比較的フラットな音質を重視するならSE112、音場とハッキリした音を重視するならIM50」と分けることになります。飽くまで、"個人的には"という話で。


※1:Androidアプリ「騒音測定器 - Sound Meter」での測定結果
https://play.google.com/store/apps/details?id=kr.sira.sound&hl=ja
※2:Androidアプリ「騒音計」での測定結果
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.eonsoft.SoundLevelMeter&hl=ja