デザインイノベーション特論(5/19)エドワード・タフテ
今回はEdward Tufteについて。
アメリカでかなり有名なデザイナー。
これまでに4冊ほどしか本を出していません。大体15年に一冊くらいのペースです。
この本を出すために自分で出版社を立ち上げたのだとか。
ただ、残念なことに現在日本語に訳された本はありません。是非出して欲しいんですが…。
これが授業中にまわってきた本の表紙です。
中身はいろいろな図やグラフなどの表現でギッシリ詰まってます。
さて、エドワード・タフテはどんなことをしているかというと、私たちのいる3次元の空間を印刷物や画面上などの2次元でいかに表現するか、ということをしています。
情報をいかにわかりやすく、伝えやすくするか、ってことですね。
タフテの考え方は
Escaping flatland
平らな土地を避け、大事なものは上にあげる。必要な、伝えたい情報をピックアップしてわかりやすくする。
この考えを基に、5つのアプローチ
1、MICRO/MACRO Readings
MICROとMACROという関係は階層化されていて、ふつう同時には見れないものですが、これを同時に見せるという考え。
WEBページではよく 【HOME>○○○>△△△】 というようなのが表示されていますが、こうすることで自分が全体(MACRO)の中のどこ(MICRO)にいるかを示しています。
これは、ベトナム戦争の戦没者慰霊碑です。
壁の高さはその年に亡くなった人の数を示していて、離れて見ると死者の多さがわかり、近づくけば亡くなった方の名前が彫られているのがわかります。
これもMICROとMACROが関係しています。
2、Layering and Separation
視点の違う情報を、重ねるか分けるかして伝える。
これは重ねることでわかりやすくしています。
3、Small Maltiples
小さい情報をたくさん並べることで比較ができるようになる。
ひとつひとつの情報だけではわからないが、並べることで全体像がわかる。
上の本の表紙に色違いのTシャツの絵が並んでいますが、こうやって並べて見たほうが自分の好みのものって選びやすいですよね。
4、Color and Information
色は情報を与える。複数の色にうまく意味付けをすると、複雑な情報がわかりやすくなる。
5、Narratives of Space and Time
小さい図とかグラフィックで情報に軸を加える。
これはナポレオンの遠征時の死者を表す図です。
川にぶつかったところなどでたくさん人が減っていき、戦争でいかに人が戦わずして死んでいくかを伝えています。
以上がタフテのアプローチです。
これはタフテの彫刻作品です。
森の中にアルミ板を組み合わせた形で置かれています。
周りの木に日が当たることで影がこのアルミの板に投影されます。
これは光の情報をピックアップして、板という平面上に表しています。
これもEscaping Flatlandってことなんですね。
今回の授業はホント学ぶべきことが多かったです。
これらのアプローチはプレゼンとかいろいろなことに活用できる大事なことばかり。
他の授業の課題とか、ちゃんと見直さなくてわ・・・。