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2012-02-02 12:27:18

ハワイで実践 バイリンガル育児 その51 ライティング力を育てる

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

今週末はオバマ大統領の母校、プナホウカーニバルがあります。

毎年この時期は雨が多いのですが、今年はどうなるでしょうか!

プナホウカーニバルは生徒と保護者で運営されているファンドレイザー(資金集め)です。

この時期にハワイにお越しの方はプナホウカーニバルにも足を伸ばすと楽しいですよ。

ハワイの情報誌「ライトハウス」に連載中の記事をお届けします。

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バイリンガルの子どもが現地校で苦労するのが英語のライティングです。

ライティングというのは言語能力の中でも、最も高度なスキルを要求します。

文字を正しく書くことから始まり、綴りのルール、句読点の用法、文法ルール、文章表現などを知っていなければ文章を書くことはできません。

日本人の子どもは単語を書くのは上手ですが、作文の課題が出ると「何を書いていいのか分からない」「文章が思いつかない」と言います。

英語力不足で文章がうまく書けない場合もありますが、それ以上に、自分の考えを整理して人に伝える経験が不足しているために作文が書けないケースが多いのです。

アメリカのライティング指導は、日本の自由作文とは異なり、論理的に筋道を立てて考える「思考力」や自分の考えを的確に伝える「表現力」の育成を兼ねています。

もちろんライティング技術は学校で教えてくれますが、家庭でも子どもがより深く思考したり、自分の考えを表現する機会を増やすよう支援することが大切です。

初歩のライティング指導

アメリカでは幼稚園から本格的なライティング指導がスタートします。

フォニックスを通して文字と音の関係を覚えることから始まり、頻出単語であるサイトワーズや身近な生活単語のスペリングを学んでいきます。

段階を追って単語からフレーズ、フレーズからセンテンスへと進み、幼稚園の終わりには1~3センテンスの文を書けることが目標です。

小学1年生になるとジャーナル(日記)やブックレポート(感想文)など、5センテンス程度の文章を書くことが求められます。

先生の方針にもよりますが、この段階での重点はトピックに合った内容がしっかりセンテンスで書けていることです。

細かいミスは気にせずにどんどん書かせることで、思考を文章で表現することの楽しさを子どもたちは学びます。

1年生の後半になると「最初」「次」「終わり」というように順を追ってパラグラフで文章を書く練習が始まります。

ストーリー展開を簡潔に表現するための練習で「昨日起きた事」「クラスでする事」「クリスマスカードの作り方」など様々なトピックを三つのパラグラフに分けて書くことを学びます。

書く習慣をつけるには

学校で毎日のようにライティングを練習をする子どもにとって「書く習慣」が身についていることは極めて重要です。

作文嫌いの理由のほとんどは「面倒くさい」というものです。

「書く習慣」が育っていない子どもは集中力に欠け、文章を書くのに人一倍時間を要するので「作文は面倒くさいから嫌い」となってしまうのです。

子どもに書く習慣を与えるにはプリント学習が効果的です。

毎日5分~10分でいいですからプリントに取り組むことを日課としましょう。

もともと子どもは書くことが大好きですから、まだ早い、と思わずにできるだけ小さい時から紙とクレヨンを与えて自由に書かせてください。

書くことに慣れてきたら、ぬり絵や迷路など筆圧をつけるための楽しいプリントを与えます。

なぐり書きから線、丸、ジグザグなどを書けるようにするための練習です。十分に筆圧がつき鉛筆が持てるようになったら文字や数のプリントに取り組ませてください。

プリント学習を成功させるコツは、無理強いをしないこと、子ども一人でやらせないこと、できたら褒めること、短時間で切り上げること、毎日継続することです。

内容の出来不出来をとやかく言う前に「今日もプリントができて偉いね」と褒めることを忘れないでください。

毎日休まずプリント学習をしていると、集中力と忍耐力が育ち、子どもは書くことに苦労を感じなくなります。

さらに集中して思考する力、粘り強く答えを探し出す力、自分から進んで勉強する力なども育ちますから一石三鳥です。

表現力を育てよう

日本人の子どもに不足しているのが自己表現です。

日本では相手に「察し」を期待した非言語コミュニケーションが通用しますが、欧米社会では自分の考えをはっきりと言葉にすることが求められます。

子どもの言葉使いは、親がほんの少し対応を変えるだけで驚くほど変化します。

幼い頃から自分の考えを口に出すことを親から促されて育った子どもは、英語でも豊かな自己表現力を発揮できるようになります。

両親は子どもの言葉にしっかり耳を傾け、もっと子どもが自分の思いを発信したくなるように励ましてあげてください。
2012-01-16 04:44:41

ハワイで実践バイリンガル育児 その50 読み書きが英語力を伸ばす

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをお届けします。

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バイリンガル育児で見落とされがちなのが英語の読み書きの力です。

英会話力は現地の学校に通っていれば誰でも自然に身につけることができます。

しかし、読み書きは適切な指導を受けなければ身につけることができません。

「英語を話すのは得意ですが、学校の成績が今一つで困っています」という相談をよく受けますが、大抵は基礎的な読み書き能力の不足が原因です。

アメリカの子どもたちは小学校に入る1年前、キンダーガーテンで読み書きを習い始めます。

フォニックスで文字と音の関係を学び、サイトワーズと呼ばれる頻出単語を覚えることでリーディングフルエンシー(読みの流暢さ)を身につけていきます。

小学1年生に上がるまでには一人で簡単な本が読めて、短いセンテンスを書けることが目標です。

バイリンガルの場合、学校の取り組みだけでは読み書きの練習が不十分ですから、家庭でもしっかりとサポートして下さい。

家庭で読書教育を行う

子どもが読み書きをスムーズに習得するには家庭での読書教育が極めて重要であり、日常的に本や活字に親しんでいることが大切です。

日本語で構いませんので絵本の読み聞かせを毎日行いましょう。

読み聞かせは子どもを本好きに育てるだけでなく、想像力を働かせて文章を理解する力(読解力)を育ててくれます。

このイメージ化の訓練が足りないと、文字を読めるようになっても読解力が伴わずに勉強で苦労するようになります。

日本語で育った読書力や読解力は英語にも応用されます。

日本語で本好きに育てば英語でも本好きに育ち、日本語で高い理解力を有していれば英語でも高い理解力を発揮するようになります。

毎日コツコツと読み聞かせを行い、子どもを本好きに育てましょう。

今の小さな努力の積み重ねが将来の大きな力となって子どもの英語力を支えてくれます。

本嫌いの子はイメージ力不足

本嫌いの子に共通する理由は「読むのが面倒くさい」「面白くない」というものです。

なぜ本を楽しめないかというと、活字で書かれている内容を自分の想像力を働かせてイメージ化することができないからです。

その結果、ストーリ理解や感情移入が深まらず本の世界の面白さを経験することができないのです。

現代社会は子どもたちの周囲に「映像」が氾濫しています。

想像力をフル活動させてイメージするよりも、テレビやゲームのように一目で内容が分かる映像メディアに子どもたちがどっぷりつかってしまっているのです。

映像の氾濫は子どもからイメージ力を奪い取ります。

特に3歳までの幼い子どもを育てている家庭ではあまりテレビやビデオは見せないようにしましょう。

その代わりにお母さんの声でお話をしてあげたり絵本の読み聞かせを行なってください。

家庭でのサポート方法

日本人の親にとって子どもに英語の読み書きを教えるのは簡単ではありません。

フォニックスを指導するにはアルファベットを正確に発音できる英語力が必要です。

家庭で読み書きを教える場合、CDやDVDなどの音声教材を活用しましょう。

TLC教室ではフォニックスの歌、フラッシュカード、ワークシートの組み合わせで読み書きの指導をしています。

五感を使って学ぶことで、どの子も簡単に文字と音の関係を覚えていくことができます。

フォニックスと同様に重要なのが「サイトワーズ」と呼ばれる頻出単語です。

「I」「the」「you」「my」など、文中で必ず見かける単語なのですが、フォニックスのルールに当てはまらない綴りのものが多く、子どもたちは覚えるのに苦労します。

サイトワーズはくり返し練習しなければ身につきませんので、書店でワークブックを購入して家庭で取り組ませてください。

本を読む時は音読させる

フォニックスとサイトワーズを覚えると簡単な本が読めるようになります。

そうなったら子どものレベルに合った本をどんどん与えて読ませましょう。

子ども向けの本には読書レベル(RL)や対象年齢が記載されていますから、それらを参考にレベルや興味に合った本を多読させてください。

リーディング練習で最も効果的なのが「音読」です。

黙読では理解しづらい文章も、声に出して読むと頭に入りやすくなります。

特に本を読み始めて間もない子どもは正しく読むことに集中して理解が伴わないことが多いので音読が有効です。

また、一人で読ませるのではなく、親が一緒に聞いてあげることで子どもの学習意欲が高まります。
2012-01-08 05:02:12

ハワイで実践バイリンガル育児 その49 9歳の壁

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをお届けします。

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移民の国アメリカでは学齢期の子どもの10%に相当する約530万人が英語を第二言語で話すELL(English Language Learner)です。

あまり知られていませんが、ELL生徒のうち学習活動で要求されるレベルのリーディング力を身につけることができるのはごく一部です。

2009年にNational Assessment of Educational Progress(NAEP)が行なったリーディングテストでは、4年生で良(Proficient)以上の成績を収めたELL生徒はたった6%でした。

バイリンガルの子どもたちが満足なレベルのリーディング力を身につけるのは簡単ではありません。

本人の努力はもちろん、保護者と先生が連携してきめ細かいサポートを与えていくことが必要です。

9歳までにリーディングの土台を!

「9歳までにリーディングが身につかないと、学年が上がってからキャッチアップするのが難しい」というリサーチ結果を受け、ロサンジェルスタイムズ紙がスポンサーとなり「Reading By 9」というキャンペーンを立ち上げました。

メキシコからの移民が多い南カリフォルニアの学校コミュニティーを中心に、書籍の寄付、ガイドブックの配布、ワークショップの実施などを通して9歳までのリーディング教育の重要性を家庭、学校関係者、地域社会に啓蒙する活動を行なっています。

実は「9歳の壁」は移民の子どもに限った問題ではなく、英語を母語とする子どもたちも直面します。

前述のNAEPのテストおいて、英語ネイティブの4年生のうちリーディングで良以上の生徒は全体の36%にすぎませんでした。

ELL生徒に比べれば高い割合いですが、英語ネイティブでも2/3の生徒が十分なリーディング力を身につけられないのです。

家庭できること

9歳の壁は「生活言語」から「学習言語」への移行と関わっています。

授業内容が具体的思考から抽象的思考へ、直接体験から間接体験へとシフトしていく小学4年生頃になると勉強についていけなくなる子どもが急増します。

日常生活の身近な話題から、文化、歴史、経済、科学など話題が広がるに伴い、抽象思考を支える言語力やイメージ力の発達度合いが読解力や理解力に大きな影響を持つようになるのです。

家庭では

1)読書力をつける
2)幅広い分野の本を読む
3)論理的に考える習慣をつける

の3つを意識した環境作りとコミュニケーションの実践を心がけてください。

特に読書習慣を確立させるには家庭での長期的な支援が不可欠です。

まだ本が読めない子どもには、読み聞かせを実践してください。

文字を覚え始めた子どもには、簡単な絵本やワークブックを与えくり返し練習させてください。

一人で本が読めるようになった子どもは、図書館に頻繁に連れて行き、様々な本に接すると同時に毎日30分の読書を日課とさせましょう。

コミュニケーション面では、子どもが今読んでいる本や授業内容について話をする機会を増やしましょう。

それぞれの教科で今何を勉強しているのか、子どもの言葉で説明してもらいます。

もし理解が浅いようならば、親が背景や補足説明をしてあげてください。

また、会話の中に「なぜそう思うのか」「どうしたらいいと思うか」「もし~すると、どうなるか」「もし~しなかったら、どうなるか」「自分ならばどうするか」などの「問い」を増やし、子どもが論理的に深く思考する習慣を持つように導いてあげましょう。

先生との連携を強めるために

子どもが9歳の壁を乗り越えるには先生との連携が必要です。

英語が苦手という親にとって、先生とコミュニケーションをするのは勇気がいることです。

しかし、アメリカでは自分からアクションを起こさなければ、誰も手を差し伸べてくれません。

まずは親が積極的に学校に関与するように努力してください。

先生は生徒について多くの情報を知りたがっています。

親からの情報が多ければ多いほど生徒に適切な指導ができるようになるからです。

また親も先生とのコミュニケーションを密にすることで、学校が子どもに何を期待しているのかを知ることができ、家庭で十分な支援をすることが可能となります。

以下先生に伝えておきたい項目を列挙しますので参考にしてください。

1)子どもの家庭での使用言語について
2)英語の発達状況について
3)性格・興味・才能について、
4)家庭での様子について
5)家庭でのサポート方法について
6)家庭の教育方針・将来の目標について

先生に対しては常に協力的な態度で接することが大切です。

一方的に要求するだけでなく、自分も学校コミュニティーの一員として様々な形で貢献したいという気持ちを先生に伝えましょう。
2011-12-02 12:20:41

ハワイで実践 バイリンガル育児 その48 サマープログラムで多文化教育

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの生活情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをお届けします。

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温暖な気候と美しい大自然に囲まれたハワイは日本人にとって最も身近な英語圏です。

日本から気軽に来られる利便性と環境の良さからでしょうか、夏になると多くの家族が子どもをサマープログラムへ参加させるためにやってきます。

円高の今は子どもに本場の英語と異文化体験をさせる絶好のチャンスと言えます。

ハワイはメルティングポット(人種のるつぼ)と呼ばれ、様々な人種や文化背景を持つ人たちが文字通り「溶け合って」暮らしている地域です。

子どもの学校を見ればこれは一目瞭然で、多様な国籍、人種、民族、言語、文化を背景とする子どもたちが一つ屋根の下で仲良く席を並べて勉強しています。

そこにはマジョリティーやマイノリティーという優劣意識はなく、国境や人種・民族を越えて、一人の人間としてお互いを認め、尊重し合う雰囲気がごく自然に育まれています。

そんなユニークな複合文化を有するハワイは、子どもたちの多文化教育の場として最適です。

自己の文化とは異なるバックグラウンドを持つ同年代の子どもたちと交流することで、異文化への理解を深めると同時に「人間は皆同じである」という偏見のない幅広い視野を持つことができます。

ハワイのサマープログラム概要

ハワイのサマープログラムへ参加できる年齢は一般的に5歳以上です。

プログラムの多くはハワイの学校が夏休みになる6月初旬~7月下旬にかけて実施されます。

日本の学校が夏休みになる7月末から開催されるプログラムもありますが、6~7月と比べると選択枝は少なくなります。

サマープログラムは学校が主催するサマースクールとYMCAなどの各種団体が主催するサマーファン(サマーキャンプ)に大きく分かれます。

学校主催のサマースクールは、学校の設備を利用して、年齢やレベル別に勉強、音楽、スポーツなどを教えるコースが主流です。

学校主催のサマースクールに参加するには先生や周囲の生徒と簡単なコミュニケーションがとれる程度の英語力が必要です。

YMCAやKamaaina Kidsなどが主催するサーマーファンはビーチや水族館などを訪れて様々なアクティビティーを行なうプログラムです。

もちろん遊んでいるだけではなく、動植物に触れ合ったり、ハワイの文化体験をしたり、スポーツをしたりと、盛りだくさんな内容です。

サマーファンはアクティビティー中心なので英語力はあまり必要ありません。

と言っても、最低限のサバイバル英会話(挨拶、トイレに行きたい、喉が乾いたなど)は知っている必要がありますが。

明るく積極的な子どもに育てる

ハワイといえども外国です。

英語や欧米の習慣に慣れていない子どもにとってサマープログラムへの参加は、親が思っている以上に大きなストレスです。

言葉の不自由さに加えて、右も左も分からない外国の学校へ通うプレッシャーの大きさを親は理解してあげてください。

嫌がる子どもを無理矢理参加させても、異文化体験どころか、英語やハワイへの拒否感を植えつけてしまうケースもあるので注意してください。

子どもに国際感覚を身につけさせたければ、日頃から積極性と社会性を伸ばす子育てを実践しましょう。

いろいろな人と関わりたい、様々な経験をしたい、何でもチャレンジしたい、という明るく前向きな心が育っている子ほど、サマープログラムでの経験は有意義なものになるでしょう。

子どもの積極性を伸ばすには、できるだけ親の干渉を減らし、自主性を引き出す子育てが大切です。

幼い子どもが自分でクツを履こうとしているとき、時間がないからとお母さんが履かせてしまう。

子どもが「やる気」でしようとすることを、待てない親が先取りして代わりにする。

これを繰り返していると「過干渉」になり、子どもから積極性を奪い、ついには性格までも弱めてしまいます。

親の責任でプログラムの選択を

サマープログラムを選ぶ際には、親が情報収集し、親が学校と直接コンタクトをとるように努力してください。

可能であれば、参加を決める前に学校訪問をして、学校設備、先生の人柄、生徒たちの雰囲気などを自分の目で確認しましょう。

親が英語苦手だからと人任せにしていると、何かトラブルがあった際に、学校とのコミュニケーションがうまくいかず嫌な思いをすることになります。

親子共に「体験して良かった」と思えるサマープログラムにするには、親も子どもと一緒に参加するという気構えで準備することです。
2011-11-19 11:25:09

ハワイで実践 バイリンガル育児 その47 言葉の遅い子どもの心配

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの生活情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをお届けします。

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海外で子育てをしている家庭からの相談で多いのが「言葉の遅れ」です。

「三歳になるのに言葉が出でこない」「単語ばかりで意味をなさない」というものです。

子どもの言葉は周囲の人との言葉を介したコミュニケーションによって育つのですが、海外在住の場合、子どもを取り巻く言語環境やコミュニケーション機会が貧弱になりがちなので注意が必要です。

日本に住んでいれば、両親をはじめ、祖父母、親戚、兄弟、友達などがひっきりなしに子どもに話しかけ、あやしかけています。

ところが、海外では、一日中お母さんと子どもが二人きり、家庭ではいつもテレビをつけっぱなし、という環境も珍しくありません。

子どもの言葉は、家庭での親子関係や、社会での人間関係の中で、多くの体験を通して人々とコミュニケーションをとることによって発達していきます。

赤ちゃんを沈黙のままにしてはいけない

生まれたばかりの赤ちゃんは、いくら話しかけても言葉を理解するはずがありません。

だからといって沈黙のまま過ごさせていると、赤ちゃんにとって言葉は生きるために必要のないものとなって、あまり言葉に反応しない子に育ってしまいます。

親が子どもの世話や遊びを通して言葉がけをたくさんしてあげれば、言葉が刺激となって、言葉に応じやすい頭の回路がどんどん成長していきます。

おとなしい、手のかからない赤ちゃんだと喜んではいけません。

このような赤ちゃんは、周囲とのコミュニケーション機会が少なく、そのため言語刺激も少なくなり、言葉の発達が遅れる危険があります。

赤ちゃんが泣かないから、静かにしているからと放っておいてはいけません。

赤ちゃんが起きている時は積極的にコミュニケーションをとることを心がけてください。

愛情溢れる言葉が子どもには必要

話しかける言葉は親が一番自然に気持ちを伝えられる言葉で行なってください。

言葉の発達には親子の愛情溢れるふれ合いが必要です。

子どもと遊んでいる時、世話をしている時に親の口から「自然に出てくる言葉」が子どもにとって「意味のある言葉」です。

子どもをバイリンガルに育てたいからと、不得意な言葉で単調な語りかけをしても、子どもの言葉の力は育ちません。

同様にテレビやラジオなど一方通行の機械音を聞かせていても言葉は育ちません。

それだけでなく、子どもの頭が機械音に適合してしまい、人間の言葉に対してあまり反応しなくなってしまいます。

赤ちゃんが言葉を一つひとつ理解していくのは、親の愛情溢れる言葉によってのみ可能であり、そこには一方通行でない、双方向のコミュニケーションが必要なのです。

母親と一緒に体を動かしたり、遊んだり、何かを共有して楽しむことで、母親への信頼感が育ち、人と気持ちを伝え合う関係を成立させることが可能になります。

二カ国語での語りかけ

国際結婚家庭では、お母さんは日本語、お父さんは英語というように、それぞれの使用言語を決めて語りかけてください。

「二つの言葉で育てると子どもが混乱しませんか」と相談を受けますが、全く心配ありません。

大切なのは一親一言語を徹底することです。

日本語と英語のミックスで語りかけていると、二カ国語が育つどころか、言葉のインプット量が不足してしまい、言葉が遅れることがあります。

よくバイリンガル環境の子どもは言葉が遅いと言われますが、それは二カ国語で育てていることが原因ではなく、それぞれの言葉のインプット不足によるものです。

子どもの言葉は、豊かにインプットされるからこそ、豊かに出てくるようになります。

子どもをあやしている時、着替えの時、食事の時、入浴の時、できるだけたくさんの言葉をかけてあげてください。

お父さんとお母さんが競争して英語と日本語を大量にインプットしてあげましょう。

始めにコミュニケーションありき

言葉の働きはコミュニケーション、思考、行動の調整だといわれます。

子どもは周囲の人との相互関係を通して、これらの能力を習得していきます。

最初に獲得するのがコミュニケーション機能です。コミュニケーション機能が育たないと、人に何かを伝えたい、人と関わり合いたいという欲求が少ないため、言葉があまり必要とならず、言葉に遅れが出るようになります。

日頃から親が子どもと楽しく接すること、言葉がけを豊かにすることを実践していれば、子どもの言葉と心はスクスクと成長していきます。
2011-11-05 06:43:14

ハワイで実践 バイリンガル育児 その46 子どもの学校選び

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの生活情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをご紹介します。

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アメリカでは小学校に入学する1年前、キンダーガーテンから子どもの本格的な学校生活がスタートします。

キンダーガーテンは、読み書きや算数の基礎、コミュニケーションスキルなど、小学校での勉強と集団生活への準備をする学年です。

アメリカ本土に住んでいれば、子どもが5歳になる年になれば、特に考えることなく学区内の公立学校(キンダーガーテンと小学校は併設されています)に通わせることでしょう。

しかし、ハワイには通学可能な圏内に多くの私立学校があり「私立校にすべきか、公立校に通わせるかべきか」両親は頭を悩ませるのです。

子どものニーズに合った学校選びを

学校選びを難しくしている理由の一つにハワイ州の公立学校のレベルが全米平均よりも低いことがあります。

もちろん全ての学校が低いわけでなく、全米でトップクラスの学力を誇る優秀校も点在します。

しかしハワイ州共通の問題として、学校財政の悪さ、優秀な教師不足、生徒の人種・民族・言語の多様性などがあり、地域や学校によって学力格差が大きいのです。

親であれば我が子によりよい教育環境を望むのは当然です。

多くの日本人家庭が私立学校や学力ランク上位の公立校への入学を希望するのもうなずけます。

ただバイリンガルという特殊な言語事情を持つ子どもにとって、ローカルに人気のある学校が必ずしもベストマッチというわけではありませんので注意が必要です。

英語を母語としない子どもが勉強で必要な英語力(学習英語力)を身につけるには5年~10年という長い期間が必要です。

この学習英語力の習得をスムーズに身につけるには、読み書き技能の導入段階において、丁寧な指導をくり返し与えることが必要です。

幼稚園から小学校は「学習英語力の土台を定着させる時期」であり、一人一人の子どもの英語レベルやニーズに合った英語指導を与えることが望まれます。

英語力が弱い子どもの場合

ハワイに来たばかりで英語がほとんど分からない、両親とも日本人で子どもの英語力に不安があるという場合、学校と家庭が連携して、英語力のサポートを根気強く与えることが重要です。

学校選びのポイントは、ELL(英語学習者)指導の充実度と指導実績です。

アメリカでは2002年に「落ちこぼれゼロ法」が制定され、全ての公立学校にELL支援と指導成果の報告が義務づけられました。

これは英語力が弱い子どもたちにとって朗報です。

実際に多くの公立学校では大変熱心なELL指導を実践しています。

ただ、学校ごとにカリキュラムが異なり、指導にばらつきがあるので、学校訪問をして指導内容、先生の人柄、クラスの雰囲気等を必ず自分の目で確認しておきましょう。

私立学校でESL(英語が第二言語)生徒の受け入れをしている学校はごく一部です。

また、私立学校は通常の授業料に加えてESL授業料が必要となりますので経済的な負担も考えた上で学校を選択しましょう。

私立学校は「落ちこぼれゼロ法」の対象外ですから、学校が指導成果を報告・公表する義務はありません。

学校の先生と直接面談をし、カリキュラムや家庭でのサポート方法を確認しておくことが大切です。

英語力に問題がない子どもの場合

ハワイで生まれ育って英語に自信がある、国際結婚家庭で日本語よりも英語が強い、という子どもの場合、学校選択の幅は広がります。

と言っても、バイリンガルである限り、英語力に問題ないように見えても、同年代のネイティブ(モノリンガル)より英語運用能力は劣ることを両親は理解してください。

公立学校では、英語を母語としない子どもは、州が指定する英語能力テストの受験が義務づけられています。

テスト結果によりELLと判断された場合、学校が提供するELLプログラムを受けることになります。

英語が得意という子でも、テストの結果ELL対象となり、通常クラスとは別プログラムでの学習を余儀なくされるケースが多いようです。

子どもをELLに入れたくなければ、ESLクラス設定がない私立学校を選択することです。

私立校の入学には受験が必要ですが、合格すればクラスメートと同じカリキュラムで勉強することができます。

但し学校から英語面での多くのサポートは期待できませんので、家庭で十分な支援を与えられることが条件です。

どの学校を選ぶにせよ、大切なのは親が先生とコミュニケーションを密にすることが大切です。

家庭と先生との連携がしっかりとれていれば、子どもは大きな問題を抱えることなく必要な英語力を身につけていくことができます。
2011-10-18 03:33:53

ハワイで実践バイリンガル育児 その45 落ちこぼれゼロ法について

テーマ:ライトハウス記事
こんにちは。ハワイのバイリンガルキッズを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの生活情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをお届けします。

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2002年にアメリカの公教育のあり方を大きく転換する「No Child Left Behind Act」(落ちこぼれゼロ法/以後NCLB)が成立して10年が経とうとしています。

この法律は公立学校の学力向上を目的としたもので、2014年までに公立学校に通う「すべての子ども」の読解と算数の成績を「良」(Proficient)以上に引き上げるという壮大なものです。

NCLBは公立学校に通う「すべての子ども」に同一の学力レベルを期待しており、英語を母語としないELL(English Language Learner)の生徒も対象となっています。

NCLBの施行により、これまで詳細なデータが存在しなかったELL生徒の学業成績や年度ごとの習熟状況が明らかになり、各学校がどのような成果をあげているのか保護者は確認できるようになります。

学力の測定・評価

小学3年生から8年生(中学2年)のすべての生徒に、毎年最低1回、州が指定した読解と算数の標準テストを実施します。

テスト結果は人種、所得階層、ELLなどのグループに細分化され公表されます。

各学校には2014年までに全生徒の成績を「目標に到達させること」、さらに、目標達成までの期間中、生徒の学力を「毎年向上させること」が義務づけられています。

年間の向上目標をクリアした学校には報奨金が出ますが、達成できない学校には、カリキュラムの見直し、職員の交代、補助金カットなど厳しいペナルティが課せられます。

気になるハワイの学校成績ですが、読解の学力達成率は、2003年の41%から2011年は66%へと向上しました。算数は2003年の20%から2011年は54%へと向上しました。

年間の向上目標は、公立学校の約半数に当たる140校が「良好」と評価されましたが、全体の35%に当たる100校がリストラクチャリング対象となっています。(各学校のステイタスについてはハワイ州DOEウェブサイト、学校ウェブサイトを参照してください)

NCLBの利点

アメリカの公教育は学校や教師の自由度が高く教育水準の格差・不平等が長らく問題となっていました。

NCLBによって、人種・民族や社会経済的地位に関わりなく、すべての生徒が質の高い教育を受ける機会が保障され、教育格差の縮小が期待されています。

「すべての子ども」には英語を第二言語で話す子どもたちも含まれます。

学校はELL生徒に対する詳細な英語力の評価と習熟状況の報告を義務づけられ、これまでより一層彼らの指導に重い責任を持つことになります。

ELL生徒はより効果的なカリキュラムでの学習が可能となるほか、学校が一定の成果を上げていない場合、転校したり、無料チューターなどの追加支援を受けることができます。

学力向上に対する学校や教師の責任が大きくなることで、教師の質の向上、カリキュラムの改善、保護者の学校参加の活発化など、学校コミュニティー全体の意識向上につながります。

低学力校はリストラ対象となりますので、学校関係者は一丸となって生徒の学力向上に取り組むことが要求されています。

NCLBの問題点


学力テストは読解と算数だけなので、それ以外の教科が手抜きされる危惧があります。

実際にNCLBの制定前と後では英語と算数以外の授業時間は減少する傾向にあります。

公立学校では音楽や体育などの授業はそもそも少なかったのですが、それが一層加速されていくと思われます。

アメリカの学校教育システムの優れた点が「考える力の育成」です。

考える力は、教科書中心・講義主導型の授業では育たず、生徒主導によるディスカッションやプレゼンテーションによって培われます。

NCLBによって学校は「テスト対策」により多くの時間を費やさなければならず「生徒主導型」の授業は減っていくことが予想されます。

NCLBのバイリンガル家庭への影響

NCLBによりバイリンガルへのサポートは確実に充実してきています。

以前はELL生徒といえば「お客様扱い」でしたが、この法律によって学校はELL生徒の学力向上に大きな責任を負うことになりました。

各学校は一昔前とは比較にならないほどきめ細かい指導を実践しており、生徒の英語力向上に対する学校の真剣な姿勢が実感できます。

しかし一方で、期待されたほどの成果が上がっていない学校も多く、ELL生徒の指導の難しさが浮き彫りになっています。

ELL生徒の学力向上には、生徒本人の努力はもちろん、教師と家庭が連携し、子どもの能力や家庭環境に合った支援を与えることが必要です。

今後は以前にも増して保護者の積極的な学校への関与が求められていくことでしょう。
2011-10-03 12:54:50

ハワイで実践バイリンガル育児 その44 小学生の英語習得

テーマ:バイリンガル教育
こんにちは。ハワイのバイリンガルを応援するTLC for Kids塾長です。

ハワイの生活情報誌「ライトハウス」に連載中のコラムをご紹介します。

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海外転勤で小学生の子どもを連れて海外に引っ越すケースがあります。

両親は「バイリンガルに育てよう!」と意気込む反面、英語はできるようになるのか、学校の勉強についていけるのか、日本語が遅れるのではないか、友達はできるのか、考えれば考えるほど不安で一杯になります。

海外赴任になった時、家族で一番苦労するのが、学齢期の子どもたちです。

それまで日本語を何不自由なく操っていたのに、ある日突然、言葉が全く通じない世界に放り込まれるのです。

英語が分からず、授業が分からず、友達ができず、言いたいことが言えず、毎日本当につらい思いを経験します。

日本では元気だった子どもが、現地校に入ったとたん、無口になったり、自信喪失状態に陥ることもあります。

生活英語力と学習英語力

英語力には社会生活で必要な「生活英語力」と学校の勉強で要求される「学習英語力」があります。

学齢期の子どもが海外に移り住んだ時、優先すべきは「学習英語力」の習得です。

学習英語力は、言い換えれば「読み書き能力」であり、教科学習のベースとなる力です。

子どもが学校生活に早く適応するために、そして、勉強についていけるという自信を取り戻すためにも読み書きのサポートが早急に必要です。

また英語習得の効率性の面からも学習英語力に重点を置くことが大切です。

日本人は英語というと「英会話」ばかりに着目しますが、そもそも会話力は、学習によって習得するものではなく、現場での実践において慣れていくものです。

家庭で英語のテレビを見たり、学校で先生や友達と話をしたり、周囲の人とのコミュニケーションを重ねることで少しずつ身についていきます。

社交的な性格であるほど生活英語力は早く身につきますが、それでも会話で不自由を感じなくなるには最低2年は必要です。

一方、読み書きの力は学習次第でどんどん伸ばすことができます。

小学校低学年でアメリカに移り住んだ子どもであれば、本人のやる気次第で、約1年で学年レベルの学習英語力を身につけることも可能です。

もちろんネイティブと全く同じ語彙力、読解力、文法力、作文力というわけにはいきませんが、学習活動に支障のないレベルの学習英語力は短期間で十分に習得可能なのです。

読み書きが子どもの自信となる


子どもは学校で「英語で」授業を受けています。

先生の話を聞き取る力や議論で発言する力も重要ですが、それ以前に読み書きができなければ日々の勉強についていけません。

海外へ来たばかりの子どもは、毎日学校で「英語」と「勉強」の二つが「できない」経験を繰り返しており「自信」と「やる気」が減退しています。

日本で優秀だった子ほど大きなギャップを感じ、自尊心やプライドが傷つけられています。

自信が減退すると、気持ちが消極的になり、学習意欲は低下し、学校生活がつまらなくなります。

子どもが学校で経験するストレスを軽減できる特効薬が「読み書き」です。

日本語で学力の土台が育っている子どもに英語の読み書きを教えると、たちまち勉強が分かるようになります。

なぜなら、彼らは勉強が分からないわけではなくて、英語が分からないだけなのですから。

英会話はまだ未熟でも、授業の内容が分かるようになると「自信」が回復します。

すると気持ちが前向きになり、友達もでき、学校生活がより楽しく豊かなものに変わっていくのです。

英語力不足による自信喪失から子どもを救うには「読み書き」のサポートが不可欠です。

学校によってはELLのヘルプもありますが、それだけでは不十分な場合が多いですから、専門の塾やチューターなどの支援も検討してください。

子どもの学校適応について

子どもの学校適応は一般に学年が低いほどスムーズに進みます。

しかし、年齢に関わらず、どの子も親が思っている以上に大きなストレスを経験していることを知ってください。

どんなに辛くても親に心配をかけまい、親の期待に応えようと子どもなりに必死で努力しているのです。

そんな子どもの健気な気持ちを理解し、努力を認め、安心させてあげることが両親には求められます。

また学校以外で現地の子どもたちと交流する機会を作ってあげるのも親の大切な役割りです。

親が日本人社会としかつき合わないでいると、子どもの交流範囲も限定され、英語習得や学校適応により多くの時間が必要になります。

ハワイには親子で参加できるイベントがたくさんあります。

まずは親が勇気を出して外の世界へ踏み出してみましょう。
2011-09-17 10:00:35

バイリンガル育児コラム その43 プナホウ・イオラニ幼稚園受験

テーマ:ライトハウス記事
常夏の楽園ハワイにも受験戦争があるのをご存知でしょうか?

ハワイの二大人気校といえばオバマ大統領が卒業したプナホウスクール、そして学業優秀なアジア系生徒が多いイオラニスクールです。

両校とも150年の歴史、充実した設備、優秀なスタッフ、各界で活躍する卒業生、そして潤沢な資産を有する幼稚園から高校までの一貫教育私立校です。

プナホウ・イオラニは大学進学を目的としたプレップスクールで、毎年の大学進学率はほぼ100%。

進学先リストにはハーバード大学やイエール大学など入学が最難関とされるアイビーリーグ8大学を始め、スタンフォード、MITなど全米の名門大学が名を連ねており、子どもに高等教育を希望するハワイの教育熱心な家庭から絶大な支持を受けています。

両校とも入学できる学年が幼稚園、6年生、7年生、9年生(プナホウは4年生もあり)と決まっているので、何年生での合格を目指すのか事前のプランニングが肝心です。

またアメリカの受験は、テストの成績だけでなく、スポーツや芸術分野での活動実績やリーダーシップなど、生徒の能力と適正を総合評価して合否が決定するので長期的な戦略が合格へのカギとなります。

バイリンガルキッズの幼稚園受験

よく日本人の父兄から「幼稚園受験したいのですが」と相談を受けます。

ハワイの受験は日本に比べて簡単だと思っている方が多いのですが、プナホウ・イオラニに関して言えば、日本のお受験と同様、数少ない定員枠をめぐって熾烈な競争があります。

両校ともESL受験はありませんので、同年代のネイティブの子どもと同レベルの英語力を備えていることが最低条件となります。

バイリンガルの子どもの言語発達は「母語」→「第二言語」という順をたどります。

幼稚園受験をする年齢は4、5歳ですから、第二言語である英語がネイティブの子どもよりも遅れているのが普通です。

もちろん現地のプリスクールに通っていれば日常会話は問題ないでしょう。

しかし、幼稚園受験で要求されるのは、日常会話レベルでなく、高度で複雑な思考を伴う英語力と表現力です。

またプナホウ・イオラニとも卒業生や在校生が親族にいる生徒や学校スタッフの子弟を優先的に入学させる制度があり、縁故がない受験生は合格へのハードルが一層高くなります。

バイリンガルの子どもがプナホウ・イオラニを目指す場合、幼稚園ではなく、ミドルスクール以上を目標にするのが現実的と言えます。

幼稚園受験の注意点

幼稚園受験を焦るあまり、両親が日本人にも関わらず、子どもを英語漬けにするケースがあります。

コミュニケーション、思考、情緒など人格形成と学習活動の基盤となる母語が発展途上の幼い子どもに不自然な言語環境を与えると、英語力が伸びるどころか、英語も日本語も発達が悪い「ダブルリミテッド」に陥ることがあります。

子どもの言語発達には親子の愛情溢れるコミュニケーションが必要です。

親がネイティブ並みの英語力を有する場合を除き、子どもとのコミュニケーションは親の母語で行なうことを心がけてください。

また、幼稚園受験では、子どもが欧米流のコミュニケーションスキルを身につけていることが必要です。

入学試験では、個別面接と集団観察において、言語理解力、言語表現力、認知力・推理力・記憶力・思考力、リーダーシップ、自発性、協調性など基礎学力と性格面が詳細にチェックされます。

日本人の子どもは控えめで発言をためらう傾向がありますが、欧米では、はっきり発言しない生徒は「理解していない」あるいは「無関心」と解釈されてしまいます。

相手に「察し」を期待した日本流のコミュニケーションは欧米では全く通用しません。

家庭ではもっと「言語」を介したコミュニケーションを重視をしましょう。

子どもの言葉は、親がほんの少し対応を変えるだけで、驚くほど変化します。

幼い頃から自分の考えを「はっきりと言葉に出す」ことを促されて育った子どもは、英語でも高度な自己表現ができるようになります。

幼稚園受験は通過点

幼稚園受験では、受験テクニックを教え込むことよりも、人と関わり合える力、深く考える力、的確に表現できる力、自ら行動できる力など、子どもの学習活動や人格の基盤作りに重点を置きましょう。

子どもの言語と心理発達を長い目で考えた教育を幼児期に実践することが、結果として、名門私立学校が求めるリーダーシップと行動力を備えた人材育成につながります。
2011-09-04 05:09:00

バイリンガル育児コラム その42 自己表現力を育てる

テーマ:ライトハウス記事
一般的に日本人の子どもはアメリカの子どもに比べて自己表現が控えめで、自分の意見をはっきり述べようとしません。

日本人が礼儀正しく、謙虚を重んずる国民性なのは、欧米社会でもよく知られ好意的に評価されています。

しかし、そんな控えめな日本人の子どもたちがアメリカの学校に通い始めると、授業で困った問題に直面するのです。

欧米の学校では、生徒が自分の考えを持ち、発表し、議論に参加することが強く要求されるのですが、日本人家庭に育つ子どもは、英語力に何ら問題がなくても発言をためらう傾向があります。

授業中に黙っている生徒は「授業に参加していない」とみなされ、テストで良いスコアをとっても評価が下がってしまいます。

日米コミュニケーションスタイルの違い


ほぼ単一民族国家である日本では「以心伝心」「空気を読む」など、言葉で伝えなくても察し合える非言語コミュニケーションが通用します。

一方、多様な人種、民族、価値観が混在するアメリカでは、自分の考えや意見をはっきり表現しなければ、相手から誤解されたり、理解されない事が多くがあります。

意思疎通を円滑にするためにも、お互いの意見を明確にした上で相手を理解しようとするコミュニケーションスタイルが国際社会では必要なのです。

また、日本人の子育て観では、個性よりも協調性があること、自己主張よりも従順であることが「良い子」の条件と考えられています。

子どもが自分の意見や好き嫌いを主張すると「我がまま」や「生意気」とマイナスに捉えられることがあります。

このような、集団、調和、協調を重んずる文化や気質を親から受け継いだ日本人の子どもたちが、自己表現することをためらい、議論や衝突を避ける性格に育っていくのもうなずけることです。

自己表現力は家庭教育で育つ

欧米の子どもたちは生まれつき自己表現が得意かというと、そんなことはありません。

自己表現力の必要性を実感している親によって彼らは訓練されているのです。

欧米の子育ては、個人主義に価値が置かれ、子どもが自分の意思を持ち、それを表現することが何よりも重視されます。

これは子どもが生まれた直後から母子のコミュニケーションを通して始まり、成長に応じて段階的にトレーニングされていきます。

一例ですが、子どもが2、3歳になると「イヤッ」という反抗が増えてきます。

日本では「反抗期」というと早く過ぎ去ってほしい面倒な時期としてネガティブに考えられていますが、子どもが自分の意思を表現することを重視するアメリカでは、この反抗は「健全な衝突」としてポジティブに捉えられています。

自分の好みを追求すれば他者との間に衝突が生じるのは当然で、お互いの欲求にどう折り合いをつけるかを学ぶ、社会性を築くための大切な時期というわけです。

もちろん日本人の子どもだって意見や主張を持っています。

ただそれを「言葉で表現する」訓練が家庭で行なわれていないのです。

だからといって欧米流の個人主義を叩き込めというのではありません。

日本人の価値観やアイデンティティを維持しつつ、必要な場面では自己表現できるように、子どもを励まし、導いていくことが国際性を育てる上で重要なのです。

干渉を減らし、対話を心がける

自己表現の原動力となるのが「積極性」です。

子どもの積極性を育てるにはできるだけ干渉を減らすことです。

どの子も人の手を借りずに自分でやってみたい、自分で試してみたいという欲求を持っています。

それを、お母さんが「危ないから」「時間がないから」と手出し、口出しをしていると、子どもから自主的な積極性を奪い取ってしまいます。

子どもが自分のやる気でしたいと思っていることを、お母さんが先取りしてしまうのを「過干渉」と言います。

過干渉はやる気を減少させ、自立心を萎えさせ、ついには性格までも弱めてしまいます。

もう一つ注意してもらいたいのが「お母さんの言葉使い」です。

子どもの表現力を引き出すには「対話」が必要なのですが、子育て中のお母さんが最もよく使う言葉は「指示」「命令」「否定」です。

これらは一方的な言葉であり「対話」を前提としていません。

家庭では「ああしなさい、こうしなさい、いけません、ダメ」を減らして子どもと「対話」することを心がけてください。

対話は話を聞くことから始まります。子どもの言葉に耳を傾けましょう。

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