18禁であれば何をしても良かった時代の終わり? ようこそシネマハウスへ | TKGの気まぐれ過ぎブログ

18禁であれば何をしても良かった時代の終わり? ようこそシネマハウスへ

 もう15年以上前の話になるでしょうか。


 PC88の時代が終わりを告げた時、「これからのPCはスペックの時代!

ただのアッパーバージョンな16bitCPUを積んでるPC98シリーズはあかん!!

これからは32bitCPUとCD-ROMドライブ標準搭載のTOWNSの時代やー!

何かよくわからんけど、GUIなOSも積んでるでっ」


と、PCに疎い友人を数人巻き込んで大阪の極々一部地域で燃え上がった

TOWNSブームがあっさり終焉をむかえ、傷心のTKG青年が泣きながら

PC9821bfを購入した年に買ったのがこのゲームです。


 何故かeLoginでしきりにプッシュされてた事でも有名なこのゲームの紹介を

今回はしたいと思います。というか、前置き長いですね^^;


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 めったやたらに長いタイトルのゲームを出したり、はっちゃけあやよさんで

有名なハード社のゲームです。


あのドラゴンナイト4と発売時期が重なるというだけでも

このソフトの不遇さがわかりますが、全体的な完成度では

ともかく、ゲームの内容的にはその名作をも上回る美点を、

この作品はいくつか持っています。


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遠い親戚の遺産を、運良く手に入れたので、これからは映画を作って生きていこう!

と簡単な主人公の状況説明がされてゲームがスタートします。

そして、宿舎まで提供してくれる親切な映画の配給会社だかのおっさんから、

映画を撮るために必要な手順と人材を聞かされ

まずは映画のネタを提供してくれる原作者と撮影用の機材を求めて街をさ迷う事になります。


街にはライフシミュレーターゲームっぽく、広場やレストラン、喫茶店、居酒屋、バー

カジノ、何故かストリップ劇場を含めた生活の場と、看板女優とエキストラを雇える劇団が3つ

融資を受けれる銀行や撮影機材ショップなどがあり、そこを移動する事で時間が経過していきます。


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舞台がパライソという映画で有名な惑星らしく、街で知り合う人々の

大半は何がしかの映画関係者ですので、それぞれのイベントをクリアしていく事によって

彼等を雇えるようになっていきます。


大まかな流れとしては、原作者から原作を買い、それを脚本家に渡して脚本にしてもらい

(人によって完成までの日数が違います) 助監督、美術さん、カメラマン、音楽家、アシスタント

達、そして主演女優とエキストラを決めて映画撮影に入ります。


そこで完成した映画の評判によって決められた報酬が与えられ

そのお金を使って次の映画を撮るという流れを繰り返します。


また、1つの原作でも脚本家の性格によってSFになったりコメディーになったり

果てはポルノになったりし、撮影中の監督(主人公)の選択肢によっても

映画の内容が変わるため、出来る映画は千差万別なものになり非常にユニークです。


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あと、女優さんのファンからすると、嫌な事かも知れませんが

映画で使う事が出来る女優3人の中の1人を毎回ひいきにして使い続けると

付き合う事が出来ます。そういうとこは何か現実世界とリンクしてそうですねw


勿論、ライフシミュレーターっぽいこのゲーム。

映画撮影せずに暮らしてもいけますし、

軍関係の人から仕事を貰って広報映画を撮る時は

国からお金が出るので資金が減らずにすんだりします。

(そのかわり映画の内容にはあまり手を付けられません)


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他にもギャンブラーになったり麻薬漬けになったりも出来るという

この当時としては画期的な自由度を持っています。


最終的には戦争に徴兵された主人公は行方知れずになり

その残した作品だけが世に残るといった、ちょっと寂しい結末に辿り着きますが

(一応マルチエンドではあります) そういった哀愁も含めてゲーム内の2年の月日を

パライソの雰囲気に漬かってプレイ出来れば、このゲームを楽しんだという事に

なるんではないでしょうか。



この怪作の後、色々迷走したあげくハード社は残念ながら倒産してしまいます。


エロゲー業界の自由なところ、いい加減なところを体言していたこの会社が潰れた後

同級生やドラナイ4の大成功を受け、エロゲーは商売になる、と知れ渡った

ためか、いわゆる売れ筋のゲームが市場を席捲していきます。


業界内には、それなりによく出来たゲームが溢れ、エロゲー会社なんてものが

きちんと成立するようになっていきました。




 このゲーム自体マイナーでありながら、隠れた名作として、

一部の懐古ゲーマーからは、わりとメジャーな存在として知られ続けています。


それは、自分を含めたそういう人達がよく言う

”18禁であれば何をしても良い、その自由さがエロゲーの面白さ”

を体言した時代の最後のゲームだからなのかも知れません。