神戸市垂水区の市立小学校5年の男児(10)が、校外学習先で同級生に施設の二重窓の間に閉じ込められ、脱出しようとして2階から転落し背骨などを骨折した。

 市教委によると、5月29日、自然学校のため兵庫県養父市の宿舎に宿泊。午前の自由時間に10人が部屋で遊んでいる際、男児を二重窓の間に閉じ込め、9人が他の部屋へ移動した。男児は約30分後、外側の窓を開け下に降りようとして約4メートルの高さから落ち、背骨と両方のかかとを骨折。現在も入院中という。

 学校は当初、保護者らに事故発生を知らせるメールで「部屋で遊んでいた児童が病院に搬送された」と説明。男児の保護者から抗議を受け、「いじめだった」と訂正し、31日に緊急保護者説明会でいじめと説明した。市教委も「複数による一方的な行為でいじめに当たる」としている。 



この男児は背骨を骨折し、後遺症が残る可能性もある、そうだ。
また、後の報道では、「柔道ごっこをしていて、負けたペナルティで別の男児を閉じ込め、それを助けようとしたことから柔道に参加していなかったこの被害者が閉じ込められた」とも言われている。
しかし、経緯はどうでもいい。


この9人の行為は、刑法221条の「監禁致傷罪」にあたる。
もう少し詳しく言えば、被害男児を「閉じ込め」るという行為をした者と、「鍵をかけた」者が、監禁致傷罪の実行行為者ということになるだろう。
無論、直接手を下さなくても、命じた者がいれば同罪である。
但し、直接手を下さず、黙って立ち去っただけであれば、幇助犯の可能性はあるものの、監禁致傷罪の正犯とは言えないだろう。

だけど、そんな法律論は、まるで役に立たない。

刑事未成年(14歳未満)は、刑法上の責任を問われないから、仮に両親が被害届を出したとしても、児童相談所止まりだ。
だいたい、この9人にそんな大それた意図があったとは証明できないから、日常的ないじめが確認できない限り、児童相談所まで行くかどうかも怪しい。


そんなつもりはなかった・・・が、大変な事になるということ、
その大変な事の責任を、誰かが取らなくてはならないということ、
これを誰かがどこかでしっかりと教えなければならない。

でも、一体、誰が、どこで教える機会があるというのだろう?


あとは、被害児童の保護者が、学校の責任追及=民事で損害賠償請求をするしかないが、市立ということになると国賠訴訟だ。これは難しい。
しかも、加害児童の保護者相手に、民事訴訟を提起したとしても、保護者の監督義務違反と、今回の行為との間の因果関係を認めることは難しそうだ。


腸が煮えくりかえるとはこのことだ。

どうしたら、この被害児童は救われるのだろうか。どうしたら。。。