[解散] FACT - 国内に於いては言葉通り"唯一無二"の存在 | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。


今日から仕事始めの方も多いことでしょう。

ワタシは明日までお休みです。

社畜共め、ざまぁ!m9(^Д^)プギャー←

って、思ったけど

そもそも1日から仕事始めと、誰よりも社畜なのは自分でしたorz

どうも、トトです。


年始の記事で書いた通り 

今年から取り上げていこうと思ってた企画の内、

まずひとつめ

昨今、休止や解散をするバンドが多くなってきた。

しかし、シーンから姿を消しただけで

同時に日の目を浴びなくなってしまうのは余りにも勿体ない。

ということで

そういったバンドに焦点をあて、

解散に至るまでの音源と共に

そのバンドを紹介していこうっていう企画。

そんな企画の第一弾に選んだバンドはこちら!




昨年、FACTという日本になくてはならないバンドが解散しました。

でも、バンドの音源は、曲はこの先もずっと残っていく。

人気を博しながらも、リスナーに惜しまれるままに解散するバンドに

悪いバンドなんてひとつもない。

そんなバンドがいたってことを風化させずに

残していこう、知っておいてもらおうという企画がコレ。

解散するまでにリリースした音源を紹介しつつ

世の中には、こんな良いバンドがいたんだよ、と

多くの人に知ってもらう為の企画です。


その第一弾ということで、

まだ記憶に新しいFACTを選びました。

この企画をやろうと思ったキッカケはもちろん

昨年、FACTのラストツアーに行ったとき。

とりあえず今回は

 

 

 

FACT
国内に於いては言葉通り"唯一無二"の存在


 

昨年、結成16年目を迎え

国内の音楽シーンから姿を消してしまったFACT

この手のバンドに於いては

海外から先に火が付くという確かな実力を持っており

"逆輸入"バンドのパイオニアのひとつとしても十分数えられる存在。

PUNKHARDCOREをルーツに掲げ、

それでいてMETAL感のあるリフを取り入れるバンドは

自身が影響されたと公言するStrung Out を彷彿とさせる。

しかし、初期からリミックス音源を出したり、

後期でも打ち込みを利用したエレクトロ要素も取り入れたりと

曲の内容は幅広くも、軸は一貫してブレておらず

国内外問わず、リスナーを離さず、飽きさせず、楽しませてくれた。

 

 

 

 


The fine day never last (2004)
 - Start from here
 - Reborn


結成後初の公式音源となるのか?
自分がこの音源のことを知ったのは【ROCK-O-RAMA】がキッカケだった。
ファンのリクエストから曲を選ぶという企画のもと
この盤から"Keep"が選ばれたことによる。
↑でリンクを貼ったMVを見てもらえればわかるが
この頃はまだ、FACTの代名詞とされる能面も付けていない。
能面は付け出してから数年はずっと付けて顔隠してたのにね笑

FACT最後のツアーと銘打たれた"KTHEAT"JAPAN TOURでは
各会場、アンコールを始めとしてセトリに変化をもたらしてたが
東京会場では、アンコールにこの盤から"Stretch my arms"をプレイした。

 

 

 

 


 

Never turn out the light, to keep myself (2006)
 - Pressure
 - Resident in My Room


FACT初のフルアルバム。
ライブで来るとフロアがガチ上がりする"Pressure"は
これに収録されています。
この時点でも、リアルタイムにFACTを知っていたワケではないので
個人的にも"Pressure"以外の印象が薄いくらいの作品だけど
やっぱこの頃の攻撃性というかね…
むしろ一般的な知名度がそこまでない時からずっと
この"FACT節"たるものがあったんだなぁっていう。

バンドにしろ何にしろ、新しいことを取り入れつつも
初期の頃から一貫してるってのがいちばんかっこいいと思うんだ。
そんな1枚。

 

 

 

 


 

FACT (2009)
 - a fact of life
 - purple eyes [LIVE]


FACTのメジャーデビュー作にして、海外デビュー作。
ここから一気に国内外で火が付いた
そして同時に能面デビュー笑 能面を付けていた理由としては
海外では、"ジャパニーズカルチャー"として
国内では、あるインタビューでKazukiが語ってます。↓

kazuki
俺らは音楽をやってるんで音楽を聞いて欲しいっていう理由です。
その入り口は何でも良いと思うんですよね、聞いてもらえれば。
顔が出てなくて能面付けてたらフックになるじゃないですか。
なんだこれ?って。それで曲を聞いてもらって
カッコいいって所までもって行きたかったんですよね。


顔ファンなしで今の地位を確立した決定的な証拠ですね。
顔ファンとかマジで氏んでいい。

世界デビューしつつも、交通事故でのEiji(dr)の左腕骨折
そんな逆境に見舞われながらも、Eiji復帰後初の舞台で
UKの大型フェスSonisphere Festivalメインステージに出演し、
SUMMER SONICでは、OP.ACTとして過去最高となる動員記録を樹立。
中断した北米ツアーも年内後半に再開。
これをリリースした2009年という1年間で
FACTの名前が国内外で知れ渡ったことだろう。

"a fact of life"は、FACTイチの名曲であることは間違いないし
22,000曲以上入ってる自分のiPodの中で、再生回数が唯一100回を超えてる。
"purple eyes"はライブでのラスト定番
再録された"reborn"、"stretch my arms"に
FACTにとってはなくてはならない曲"rise"等々
これ1枚に"FACT"が詰まってる。
確実に後世に残したい、残すべきアルバムでもあると思う。

 

 

 

 


NIVAN RUNDER SOUNDRUGS (2009)
 - rise  (Steve Aoki Remix)
 - a fact of life (BOOM BOOM SATELLITES Remix)


実は『FACT』と時期を同じくして、リミックス音源盤もリリースされていた。
なにげにMVまである上記2曲が鉄板ではあるものの
日本でもEDMが流行りを見せる昨今、このアルバムが再び
脚光を浴びてもいいんじゃないかと思う1枚。

 

 

 

 


In the blink of an eye (2010)
 - slip of the lip
 - behind a smile


FACTのフル作としては2枚目となる『In the blink of an eye
FACTの曲の中でも人気が高く、ライブでも定番の"slip of the lip"や
ライブでも至極の盛り上がりを見せる"this is the end"
KTHEAT TOUR東京公演では

FACTっていう陽が落ちても、朝が来るって想いを込めた。
メンバー6人を応援してください


というHiroの言葉から始まった"sunset"等
FACTを語る上でなくてはならない曲が多数収録されてます。

そして、自分が生涯ライブで聴くことの出来なかった"behind a smile"
FACTで唯一、二次アニメーションのMVが話題に。
後々の情報で【アフロサムライ】のスタッフが制作したとのこと。
なるほど確かに言われてみればすげーGONZOっぽいんだよな。
このMVの中に出てくる能面のどれかをクリックすると
限定能面が購入できるというキャンペーンも実施。
こういった、他のバンドが全くやらないようなことをやってしまうのも
FACTが唯一無二だという表れだと改めて実感する。

 

 

 

 


Eat Your Words (2011)
 - the shadow of envy
 - error


『FACT』リリースからコンスタントに制作を進め、これをリリース。
メジャーデビュー後3枚目にして、ミニアルバム『Eat Your Words
ここでようやく自分もFACTに追いついた。
ここから自分のFACT歴が始まった。

このアルバムのツアーからFACTのライブにも参戦し出した思い入れのある1枚。
MVのある2曲は、ここから先もライブの定番だった。
"error"のMVに関しては、自身が尊敬するという
Strung Out の"Calling"という曲のMVと、演出が似ていると話題に。
これもFACTなりのオマージュなんだろうと、勝手に納得した。

 

 

 

 


co3 (2011)
 - ALL THIS WONDER(80KIDZ North Field Mix)

『Eat Your Words』と同日にリリースされた
FACTであってFACTではない、"co3"としてのアルバム。
『NIVAN~』と同じく、昨今のEDMシーンでも活躍できそうな
ドラムンベースを基調としたリミックス音源が秀逸。
"the shadow of envy"のco3 RMXもかなり良い。
Tシャツと能面が付いたスペシャルBOXの方には
"lights of vein"や"45days"のリミックスや、
FACT名義での未発表音源が収録されている。
バンドは当然トップクラスだが、
こういった面でもしっかりと戦えるのもFACTの強みだと思う。

 

 

 

 


burundanga (2012)
 - FOSS
 - pink rolex


2009年の『FACT』から続く1年周期のリリースペースもここで一旦打ち止め。
FACTにしては少し大人しいんじゃないか
という出来から、ファンの間でも賛否が分かれたアルバム。
個人的にもそういった思いはあったが、この時のburundanga TOURに行った際に
確かにこれまでより大人しくなったかもしれない、
でも、その分ライブでフロアを巻き込んで
全員で一体になって楽しめる曲が増えた、ということも感じた。

そんな1枚から、"FOSS"はライブでも定着したし、
時折出てくる"tonight"は、FACTならではのフロアも歓喜する速曲だ。
MV化された"pink rolex"はco3での経験をいかしたエレクトロ性もあった。
KTHEAT TOURでは、このツアー以来だった"eighty six"がクソ上がった。

"FOSS"のMVでは「あれ?6人いねぇ?」と話題に。
後に加わるであろうメンバーがあのMVの人物と同じかどうかは
定かではないが笑

 

 

 

 


Witness (2014)
 - drag
 - ape
 - miles away
 - disclosure


15周年を飾るこの年にリリースされたアルバム『witness
"FACT"を鳥居に見立て、を彷彿とさせる"和"の印象のジャケットが◎
プロモーションの上でも、素顔を公開し
テレビ番組をはじめとしたメディアにも出演することが増えた。
思えば、そういうことが既に"解散"へ向けてのフラグだったのかもしれないが…

1曲目の"new element"から攻めまくり、THE FACT!!!な"drag"
クラップとシンガロングが最強な"ape"
コンピ盤や、配信限定のベスト盤に収録された"I hope I'm wrong"や"devil's work"
FACT屈指のハードコアナンバーとなった"disclosure"

『burundanga』で煮え切らなかったリスナーも太鼓判を押すこの作品は
FACTならではの"攻め"感を大いに詰め込みつつも、
『burundanga』で見せた一体感を出せる曲もあり、
15周年を飾るに相応しいアルバムとなった。
そして6人目のメンバー、Adamが正式に加入して初のアルバムともなり、
彼のパワーボイスも、FACTにかなりマッチしていた。
Adamなしではこのアルバムは成り立たないと思わせるほどだ。
1枚通して聴いても飽きない、とても面白い作品になっている。

 

 

 

 


KTHEAT (2015)
 - the way down
 - wait


そして16年目を迎えた昨年、残念ながら
スタジオアルバムとしては、最後のアルバムとなってしまった『KTHEAT
アルバムの読み方が物議を醸し出したが、左から順に
ライブ(ステージ上)での、メンバーの並び順になっている!

K:Kazuki
T:Tomohiro
H:Hiro
E:Eiji
A:Adam
T:Takahiro

との見方がまさに!と的を得てたが、本当のところは本人たちにしかわかるまい。
それも確かにそうなんだが、個人的に「クシート」と勝手に読んでいる。
Adamが音楽配信ツールAWAのインタビューで
メンバーがみんなケイティ・ペリーにお熱(好き)だから『KT HEAT(ケーティー・ヒート)』なんだ
って言ってたけど、絶対に外国人特有のジョークじゃんw

で、肝心の中身の方は?

最初に一通り聴いた時は『え?こんなもん?』ってくらいアッサリしてた。
それもそのハズ、フル作だというのに35分以内で終わってしまうのだ。
しかし、聴きこんでいく内にどんどん味をしめていった、所謂"スルメ盤"だった。
アッサリしていたのも、"the way down"の変拍子と、
シューゲ要素のあるインスト曲"haze"はあるものの
他はどれも、余計なものを削ぎ落として、シンプルなものに昇華されていた。
"FACT"という音楽を突き詰めた結果、最後に残ったのはコレ
という感じがピッタリ来る。
FACTのルーツであるPUNKとHardcoreを存分に堪能できる作品となった。
そう考えると、これが最後のアルバムでも大いに納得の内容となっている。

 

 

 

 


best+ 1999-2015 (2015)
 - look away
 - choices


『Witness』リリース前、配信限定でリリースしたベスト盤から
収録曲を多少変更し、そこに新曲を2つ加えて
正真正銘のベスト盤、FACT最後のアルバムを昨年11月にリリース。
今までのTシャツを散りばめたジャケットがアツイ。

新曲2つの内、最初に公開された"look away"
FACT以外には作れない、FACTらしさ全開の曲に
まだこんな曲作れるなら辞めるなよ…
と、誰しもが思ったことだろう。

しかし、もう一方の曲"choices"のリリックビデオが公開される。
"最後"ってことを如何なく感じさせる歌詞ながら
これまでの、これからのFACTの道、ファンの道を示したような歌詞。
切なさは確かにあるが、前を向かせてくれるような内容だった。
同時に
それぞれの道が次に交差するその時まで
という歌詞に、またどこかでFACTが復活するんじゃないかって期待も。
ホントにそれが叶うなら、こちらとしてはその時を心待ちにする所存。

この2つの新曲と、これまでの名曲を収録した1枚。
文字通りの『ベスト盤』となったこのアルバムで
FACTも幕を閉じた。




FACT 16年間の活動の内、

自分がFACTに関わったのは『Eat Your Words』から数えて

たったの6年間

活動期間の半分にも満たない。

でも、その6年間で参戦したFACTのライブは11本

その11本の内、全てが激しく

フロアには屈強な男客が多く

でも、終わった後には笑顔が溢れるほど

とても楽しい空間で。

やりきった!良い汗かいた!最高だった!

と、とても清々しい気持ちになるライブばかりだった。

FACTが好きな連中は良い客、良いリスナーが多かった。

故に音楽を聴くスタンスも、ライブでの在り方も

他と比べても褒められる点が多かった。

それがバンドとの相乗効果もあって、

至極の曲、至極のライブを生み出す要因になっていたと思う。


他と同じことはしたくない


曲も、ライブも、

そのスタンス故に唯一無二だった。

FACTの曲、FACTのライブで体験できるものは

とてもじゃないが、他ではそうそう体験できない。

そんなバンドが、

今の腐りきった日本の音楽シーンの数少ない希望が、

いなくなるんだから、そりゃ悲しむなってのが無理な話で。


昨年末にたまたま見ていた番組で

とんねるず石橋貴明さんが若手芸人に苦言!】 (はちま起稿)
・「芸能人って最近、群がりすぎてる」
・「(お笑いは)個人の力が一番の力。今は、団体芸みたいになってる」
・「まとまって1個というか、あんまり飛び抜けてる人がいなくて」


ってのを見た時に、国内外問わず

今の音楽シーンも似たようなもんだよなぁって思った。

仲良しこよしばっかりだなぁ、と。

GREEN DAYのBILLIE JOE ARMSTRONGがポップパンクを終わらせたがっている?】(ALTERNATIVE PRESS)
@BJAOfficial: my mission for 2016? to destroy the phrase "pop-punk" forever
2016年のミッション?「ポップパンク」ってフレーズを永遠にぶっ壊すことだな


新年早々、Green DayBillie はこんなことを言ってのけた。

冗談にしろ、本気にしろ、

こういうこと言える人が今のシーンにいるかね?っていう。

長く続いた音楽の歴史で、

新しい音を出すのが難しいほど飽和状態だってのもあるかもだけど

それにしても似たような音楽が多いし、

みんな仲良し感が強い気がする。

もちろん好き故の贔屓目もあるかもしれないが、

そういった点でもFACTは唯一無二だった感があった。

海外まで目を向ければわからんが

日本においては間違いなく唯一無二だったと言えるよ。


そもそもこの企画を始めようと思ったのも

今、国内外問わず解散休止するバンドがホントに多くなった。

音源は残るけど、そういったバンドを

知らない人は知らないまま一生を終える可能性もある。

そうならない為に、

良いバンドがいた、良い曲があった、

ってのを残す為、広める為に始めたのが理由です。

終わったからって、

そういったバンドに目が向けられなくなるのは

余りにも勿体ないと思い。

こうして第1弾にFACTを選んだワケです。


解散や休止も多いけど、

それに比例するかのように

復活再結成もよく目にするようになった。

おそらくボーカルがいなくならない限り、

復活の可能性も捨てきれないと思うようになった。

だから、いざそうなった時の為にもそのバンドの曲を知っておこう

ってのも理由のひとつです。

幸い、FACTに至っては

バンドは解散するけど、ROCK-O-RAMAは続けていきたい

みたいなことを、昨年のラストライブROCK-O-RAMAで

言っていたという情報もある。

だったら尚のこと

年1だろうが、数年に1回だろうが

奇跡の復活に向けて、曲を聴いておくことは必須やろ、と。


解散後、既にこれからのことが決まってるメンバーもいる。

少なくとも

gt.KazukiABSOLUTIONに籍を置いているし

Adam新バンドやるって昨年から言いまくってた笑

他メンバーはわからないけど

何かしら音楽に携わっていくんだろうか、

妻子持ちはしばらく落ち着くのか。

何にせよ、完全分解ではないんだ。

facebookも、Twitterも、公式HPだって

まだ残ってる

いつかの再結成、まさかの復活を期待して

FACTを聴き続け、広報活動するのもいいじゃないか。



思い入れもあってつい長文になってしまったが。

日本において、

間違いなく類稀な曲を作り、ライブも至極の空間

FACTという世界に誇れる日本のバンドがいたってこと

それをここに記しておきます。

そして願わくば

またあの最高の体験ができることを期待して。
 

 

インタビュー他

「In the blink of an eye」リリース時:一問一答】(New Audiogram)
「burundanga」リリース時】(eggman)
ROCK-O-RAMA SPIN OFF INTERVIEW CONTENTS
全員で明かす、FACTの歩み&解散理由】(ナタリー)