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※この記事は”うみねこのなく頃に”を直接ネタバレして解答したものではなく、アクオス個人が勝手に考え、勝手に答えを出しただけのものです。「うみねこのなく頃に散」を題材に書いています。読む過程で推理しつつ記事を書きますが、「散」は解答編に相当するものなのでネタバレに踏み込むかもしれないことをご了承ください。
古戸ヱリカが、「ノック音と手紙」で推理して解けなかったシーンまで読みました。
「潮騒」の件については、海難事故とか大げさなこと書いたけど、あんな事情だったとはね・・・。前回の記事のあと、あのシーンでした(笑)
当時の赤ん坊は死亡したとみなし、Episode5とは直接関係無いだろうと考えてます。誰かがあの赤ん坊が成長した人物に成りすましているってことですね。
さて、今回の記事は、「ノック音と手紙」についてです。
なに・・・この謎(笑)
難しさを例えるなら、Episode1の「絵羽・秀吉の第二の晩」、Episode2の「ゾンビ嘉音」、Episode3の「南條殺し」、Episode4の「落とし穴」。このへんと同レベル級の難解さじゃん・・・。
誰も殺していない、第一の晩の前の段階で「ノック音と手紙」ときた。
とりあえず状況を整理してみましょうか。
[状況]
午後24時、食堂内には、戦人、留弗夫・霧江、絵羽・秀吉、楼座、紗音・嘉音が在室。食堂外の屋敷内2階廊下に、蔵臼・夏妃・源次がいた。
ゲストハウス内に、譲治・朱志香・真里亜・郷田・熊沢・南條、そして古戸がいた。
大広間の時計が24時の鐘を鳴らしたとき、食堂のドアがノックされる。誰かと問いても返事がない。怪しみながらもドアを開いて確認すると、誰もいない。誰もいなかったが、金蔵の物とされる封筒が。封蝋がされており、中には戦人を次期当主と認める主旨のベアトリーチェの手紙が。そして同時に、当主の指輪が入っていた。
次に、古戸ヱリカが推理するシーンで赤で宣言されたものをまとめてみましょうか。
①食堂内の誰もノックは不可能。
②蔵臼・夏妃・源次はノックもしていないし、手紙も置いていない。
③屋敷内は施錠されており、ゲストハウス内にいた人物らは屋敷には侵入できない。この人物らはノックはおろか、手紙にも関わっていない。
④屋敷内外にいる人物は手紙を直接廊下に置いていない。偶然置いたとか、意図せずに置いたとか、そういう事情も含めて置いていない。24時の数分前に紗音と嘉音がお茶の配膳をしに台車で食堂内に入ったが、台車に手紙が接着されていて落ちてしまったとか、天井に手紙が張り付いて落下したとか、そういう仕掛けではない。
⑤食堂内の人物らは、ノックを誤認したりはしない。例えば、周囲の柱を叩いてノック音と誤認したとか、テープレコーダーに録音しておいたノック音を誤認したとか、そんなことは無い。
⑥ノックとは、人間がドアを叩く行為のことを指す。何かの自動的にドアを叩く何かの仕掛けが働いたとか、そういうことは無い。
真っ赤ですね。ぶっちゃけ、①~⑥をもっとまとめると⑦~⑨のようになります。
⑦誰もノックしていない。
⑧誰も手紙を置いていない。
⑨ノック音を誤認はしないし、自動的に動く仕掛けなどは無い。
・・・なんだこれ。完全に矛盾してます。
六軒島内には古戸ヱリカを含めて18人しか存在せず、その全員が「ノック音と手紙」に関わっていないと言うことになります。
このまま何も考えないままで終わらせるのは寂しいので、少し考えましょうか。
置いた置かないはともかく、誰があの手紙を書いたのか?くらいは考えてみましょう。
まずあの手紙を書いた人物は、金蔵が既に死亡していることを知る人物でなければ不可能です。あの手紙に入っていた当主の指輪が証拠です。
金蔵が書いたということは無い。金蔵が戦人が碑文を解いたことを知りえるはずが無いし、手紙に「戦人」と名指しで書いていた時点で、金蔵が書いたはずが無い。
金蔵が既に死亡していることを知っている人物は誰か?
蔵臼・夏妃・源次・熊沢・南條・紗音・嘉音。郷田は不明(これまでの経緯からすると全く知らないように見えるが)
蔵臼・夏妃が書く動機は無い。そもそも、蔵臼は自身が次期当主だと考えていたのだし、戦人が碑文を解いたこと自体イレギュラーだったのだ。だから手紙を書く動機は見つからない。
となると、源次・熊沢・南條・紗音・嘉音のいずれかの人物が書いたということになる。金蔵の指輪は、封筒に入れられる前、どこにあったのだろうか?
金蔵の遺体は、蔵臼にとって親族の誰にも見つかって欲しくない秘密のはず。
だからゲストハウス内には無い。園芸倉庫・礼拝堂・あるいは屋敷内の貴賓室など、およそ人が立ち入りにくい場所に隠してあるのだろう。
当主の指輪は、金蔵の遺体に着けたまま保管しておいたのだろうか?それとも、誰かが預かっていたのだろうか?蔵臼・夏妃が預かっていたはずは無い。
預かっていたのならあの手紙自体が存在しないからだ。
となると、金蔵の遺体と共に保管されていたか、もしくは故人が最も信頼を寄せた源次が預かっていたという線が有力となる。
使用人らは指輪をいつでも持ち出せるポジションにあったというわけだ。
結論:手紙は、源次・熊沢・南條・紗音・嘉音のいずれかの人物が書いた。
・・・さて、肝心の「ノック音と手紙」についてなのだが。既に気づいたかもしれない。手紙なんて最初から存在出来ないことに。
散々誰が書いたとか書いてたけど、肝心な話、手紙と指輪を送ること自体が出来ない。いや、言い方を変えよう。手紙と指輪を封筒に入れて、封をすることが出来ない。
あの封筒は当主だけが使う専用のものらしく、Episode1から散々出てきた代物だ。
封蝋も、当主が送ったことを指し示すものらしい。
封蝋のやり方はこうだ。
蝋燭のロウを封筒にたらし、指輪を押し付ける。ハンコのように。そうすると、当主直々に書いたことを指し示す封蝋が出来上がる。
つまり、封筒の中に指輪が入った時点で、封蝋なんて不可能!ということになる。
そっくりな複製があれば可能かもしれないが、そもそもそんな複製を許すような代物なのだろうか?当主代々伝わる指輪ならばなおさら、精巧に出来ているのでは?
・・・推測になるけど。
つまり、古戸ヱリカが手紙がどうだ、ノックはこうしたって推理シーンを展開してるわけだけど、そもそも俺は手紙自体が存在出来たことが疑わしいって思ってる。
結論:Episode5は「ノックと手紙」の時点で、Episode4と同じく、人間の犯人不在の「架空の事件」の疑いが強い。