市販と医療用の鉄剤の量の違い | 小さな薬局の学習帳

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こんにちは。


今日は鉄剤について少し書いてみたいと思います。


まずタイトルの市販と医療用の鉄剤の違いは何か?ということですが・・・


圧倒的に量が違います。


まずは医療用の鉄剤はどのくらい鉄が入っているかというと・・・


フェロミア        : 50㎎

フェルム         : 100㎎

フェロ・グラヂュメット : 105㎎

テツクールS      : 100㎎  (含量は1錠中)


これを基準に市販の鉄剤はどのくらい入っているかというと・・・


マ〇チゲン      : 11.5㎎

ファ〇チ        : 9.54㎎  (含量は1錠中)

これらは用法が1日1回、1回2錠なのですが、それでも上の医療用には全然量が足りません。


これが健康飴などの類になるともっと少なくなるのは容易に想像がつくと思います。


 鉄欠乏性貧血の治療として必要な鉄の量は、100~200㎎ぐらい必要といわれています。

 ちなみに平均的な1日の食事での鉄摂取量は7~8㎎程度ですから、治療のための必要量がそれに比べると、かなり多いことがわかります1)。


 結論として市販の鉄剤や鉄飴というのは、実際に鉄欠乏性貧血になってからでは用法通り服用してもあまり効果がないと思われます。



【参考】 

1) 平成24年 国民健康・栄養調査 厚生労働省