笑麺 | 京都1975

笑麺


堀川商店街の一画に店を構える「笑麺」。近くに晴明神社があって観光客の姿もちらほら。が、基本的には物静かで人通りの少ない地味な商店街。そんな雰囲気に馴染み過ぎて、客足も遠のきがちなのか……なんだかもの静かな店内。現在の場所に移転する以前、烏丸丸太町付近で営業していた頃はもうちょっと活気があったような。でも当時の店内は、入口からは想像できないくらい奥に細長く、なんとも窮屈な雰囲気だったし、恐らく店の切り盛りも大変だったはずで、満を持しての移転と言えそう。「笑麺」のラーメンは細麺で、表面にびっしりと背脂が浮かぶ典型的な背脂醤油ラーメン。「ますたに」「ほそかわ」「珍遊」と、この手の京都ラーメンは数多あるけれど、「笑麺」のスープはくどくなく、辛すぎず、そこはかとなく甘い。トータルとして上品な口当たりで、この手のラーメンでいくと頭一つ抜きんでている印象。びっくりしたのは店主の変貌っぷり。移転前の当時は、サラリーマンあがりということもあって、黒髪の七三分けという、生真面目なオーラを漂わせる風貌。それが移転後は一転、白髪混じりの坊主頭に無精髭、眉間にしわを寄せた渋い横顔。「店主」というよりは「大将」と呼ぶに相応しい、ワイルドなオヤジに大変身。これって地味な立地をオヤジのインパクトで補おうという作戦だったり!?

中華そば笑麺
★★★★★ 4.5