龍園 | 京都1975

龍園

私が幼い頃から、我が家では「龍園」の餃子がご馳走だった。もっちりとしている餃子に、秘伝の味噌だれをベトベトに付けて食べる。にんにく臭がなく、淡泊な味なので、何杯でもご飯をお替わりできる。
先代が亡くなられて、いまは女手だけで店を切り盛りされている。昔も今も、無愛想なのは一緒。飾らない、殺風景な店内。でもこれでいいんだ。ピンと張りつめた空気のなかで、ただひたすらに餃子をかき込む客の姿。
大人になって、自分のお金で食べに行けるようになったのは、とても贅沢な気分だけど、何故だかちょっぴり寂しい気持ちになったりする。静かな住宅街の中で、今日もひっそりと餃子を作り続ける「龍園」。京都人として日常使いの「王将」 もいいけど、プチ贅沢をしたいときに外せない。

龍園
★★★★★ 5.0