前回までのあらすじ。


属名が人名由来ってことで

自動的に女の子名を付けられた両性花の「Tillandsia」

その運命はいかに!


↑違うww

※詳しくはこちら


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ってことでお次は種小名の話。


学名は「属名+種小名」

……人でいう「苗字+名前」


の名前の部分です。



属名が<女の子>ということで、

自然と<種小名も女の子>になります。

(by国際命名規約)


イオナンタもブラキカウロスもベルティナも

ブルボーサも


ラテン語を女性化していくんですねー。


チランジアの学名を見ていると、

共通する点がいくつか出てきます。


・funckiana(フンキアナ)

・magnusiana(マグヌシアーナ)

・andreana(アンドレアナ)

・balbisiana(バルビシアーナ)

・ehlersiana(エーレルシアナ)


他いろいろ。

○○アーナ、○○アナで終わっています。


裏で糸を引いているのは、


「人名由来」



Tillandsiaという属名も人名由来ですが、

種小名にも人名由来があります。



まず、人名由来っていうのは、

その植物の採集者、発見者、命名者、研究者、後援者などのこと。


人名由来の法則は大きく分けて2つ。

1⇒形容詞化する

2⇒所有格にする


~アナ、アーナは、

前者の、<形容詞化する>という部分です。



詳しく見てみましょう。


●形容詞化する。

⇒人を記念したり敬意を表したりする目的。

(※ただしこの規則が必ずしも守られているわけではない)

↑なんてテキトウww


人名を形容詞化する場合、人名そのままの単語の後に

 属名が男性名なら  -(i)anus

 属名が女性名なら  -(i)ana 

 属名が中性名なら  -(i)anum  ををつけます。


Tillandsiaの場合は女性形。

種小名も女性形に変化します。

つまり、「-(i)ana」がつくってこと。


○○アナ、○○アーナはここから来てるんですねー。


・フンキアナ    Tillandsia funckiana(収集家 N.Funck氏)

・マグヌシアーナ Tillandsia magnusiana(植物学者Magnus氏の名前)

・アンドレアナ   Tillandsia andreana(Eduard Andre氏)

・バルビシアーナ Tillandsia balbisiana(Giovanni Balbis氏)

・エーレルシアナ Tillandsia ehlersiana(Renate & Klaus Ehlers氏)



これ以外にももちろんあります。

シーディアナ、ベリッキアーナ、スプレンゲリアナなど。


※例外

・Tillandsia nana(ナナ) これは形態由来





次は、

後者の所有格にする話に行きますよー!


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※参考文献

・『植物の学名を読み解く リンネの「2名法」』田中學 朝日新聞社 2007/6

・『植物の名前のつけ方 植物学名入門』L.H ベイリー 八坂書房 2000/10

・『増補改訂版 ビジュアル園芸・植物用語事典』土橋豊 家の光協会 2011/1