真弓監督復活信じて「5番新井」は不動 | 阪神タイガース

真弓監督復活信じて「5番新井」は不動

新井よ5番でよみがえれ! 真弓明信監督(55)が10日からの西武戦で1番鳥谷敬内野手(27)から6番クレイグ・ブラゼル内野手(29)までの上位陣の固定を決めた。5番新井貴浩内野手(32)は再び当たりが止まっているが、指揮官は安易な打順変更を否定し、復活を信じて待つ構えだ。鳥谷を1番に動かし、3日楽天戦の田中攻略から4連勝を導いた打線の流れで、借金返済に再加速を図る。

 柔軟な発想の奥には、座右の銘でもある「不動心」が固まっていた。真弓監督は9日、甲子園で指名練習を行った後、西武戦に向けて東京・立川に移動した。再びパ・リーグの本拠地で指名打者制に移るタイミングながら、打順変更プランを問われると即座に否定した。

 「それはない。変えずにやろうと思っています」

 不動と決めたキモは、5番の新井だ。クリーンアップ改造に踏み切るなら、その要員には事欠かない。指名打者で神様桧山もいる。合流後、14打数6安打と当たっている6番ブラゼルを組み込む手も考えられる。それでも指揮官は打順を動かさずに戦うことを決めた。

 1度は動いて、成功した。開幕から貫いてきたクリーンアップを解体し、1番鳥谷から赤星、関本とつながる打順を組んだのが3日の楽天戦だった。7連勝中だったマー君を攻略して連敗を止め、5日オリックス戦からは新助っ人ブラゼルが加入。つながりのある攻撃を取り戻し、7日ソフトバンク戦まで今季初の4連勝を収めた。

 ただ目立つ活躍をしているのが6番以降なのも事実だ。田中KOは6番桧山からの4連打。5番新井も4連勝中に適時打を2本放っているが、全開にはほど遠い。一時は2割2分7厘まで持ち直した打率が、2割1分6厘と下降線をたどるようになった。

 2匹目のドジョウはいない。真弓監督は鳥谷1番を決断する際「気楽に打たれても困る。1番はやりがいも責任もあって思い切りが必要な打順」とし、下位打線で使う選択はなかったという。金本の後ろを打つ新井も「その並びは動かしたくない」と“心中”を決め込んでいた。ブラゼルが当たっても、指名打者桧山が使えても、5番新井が機能する方を優先する。

 和田打撃コーチは「新井も鳥谷も本来の姿ではない。ただ打順を替えたからといって打てるものでもない。今回の1番(鳥谷)も思い切って替えたこと」と現在の打順でよみがえることを祈る。

 一時は鳥谷を1番へと動かすことで、泥沼の状態を脱した真弓タクト。キーマン新井は完全復活を信じ、5番に固める。

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