読書記録を何冊か | 国内航空券【チケットカフェ】社長のあれこれ

読書記録を何冊か

最近読書感想文書いていなかったので手短だけど何冊か。

椿山課長の8日間 浅田次郎
浅田次郎作品は硬派な作品からコメディまで凄く幅広いんですが、これはコメディ路線でした。
死と死後の世界を湿っぽくなく描いているんだけど、血の繋がりだけじゃないいろんな形の親子の愛のお話です。
テーマは「地下鉄に乗って」と近いものがあります。
題は椿山課長だけど、死と向き合うことなく突然死を迎えた椿山課長、少年連くん、やくざの親分の3人が姿形を変えてこの世によみがえってくる8日間のお話。
ファンタジーでありながら優れた人間ドラマで、3人のお話が序々に交錯していきます。
コミカルなエンターティメント小説だなぁ、と思いながら読み始めたけど、深くて切なくなったりもして、終盤に心動かされる展開が待っていました。
生きているといい事も悪いこともあるけど、死んではじめて分かる真実もあるのかもしれないなぁ、と思いました。
椿山課長の七日間 (朝日文庫)/浅田 次郎

¥630
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プリンセス・トヨトミ 万城目学
荒唐無稽で壮大なホラ話を読んでいるようでおもしろかったです。
どんな内容か・・・というと何を書いてもネタばれになりそうな気がします。
東京から大阪に向かう会計監査菅3人、ある社団法人の会計を調査するために行くんですが、それに豊臣家の史実なども絡みまして・・・
それに中学生の2人、女子になりたい男子大輔、男勝りな茶子が絡んで・・・
いろいろ唐突すぎて上手く書けません^^;
びっくりな展開ですが、キーワードは「大阪国」です。
映画化されるようですが、映画化を知る前に本買っちゃいまして・・・映画も壮大っぽいので見る人は原作読まないで見た方が楽しめるかもしれないですね・・・
大人が読んでも面白い歴史ファンタジーのようなちょっと違うような・・・でもとにかく面白かったです。
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)/万城目 学

¥750
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落日燃ゆ 城山三郎
東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅の「自ら計らわぬ」生涯を描いた史実に基づく小説作品です。
戦後首相の座に就きノーベル平和賞を受賞した吉田茂と同期でありながら、吉田よりも10年も早く激動の時代に首相の座につきました。
外交官として軍人たちよりも世界情勢に明るかった広田は、「統帥権の独立」を縦に暴走する軍を止めようと和平に向けて動くが結局止めることができず、以後日本は「落日」へとつき進む様子がよくわかります。
東京裁判でも「自ら計らわず」と何も語らず、「この裁判で」当時相反した軍人たちと一緒に絞首台に立つという皮肉な運命・・・
首相として軍を止めることができなかった責任を強く感じ、自己弁護をすることなく黙って死をもって責任を全うしようとし、終戦時自害した軍人達にたいしては「あまりにも無責任だ。」と語ったといいます。
未来人としては法廷で全部語ってほしかったな、と思う一方、その潔さに美学を感じました。
著者により美化されているところもあるかもしれないけど、人格的にこういう人間を目標としたいと思える広田像で、とても面白かったです。
とても勉強になるし、今この時代だからこそ考えさせられる一冊です。
落日燃ゆ (新潮文庫)/城山 三郎

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