2010-10-18 12:05:20 posted by ticket-cafe

永遠の0 / 百田 尚樹

テーマ:日記・雑感
『探偵!ナイトスクープ』の構成作家である百田尚樹さんの小説デビュー作品。
『探偵!ナイトスクープ』好きだったなあ。

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、1つの謎が浮かんでくるーー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。(by amazon)

特攻隊で死んだ祖父を持つ姉弟が、祖父の軌跡を追うために昔の戦友の話を聞いて回る。
そこから浮かび上がってくる祖父の評価は天才パイロットであったこと、死を恐れる臆病者であったこと、と両極端。
一体祖父とはどんな人だったのか?姉弟は祖父についての真実を知りたいと思い・・・というお話。

戦争物をそこそこ読んでいる人にとっては、祖父の戦友の口から出てくるエピソードはどこかで聞いたことある話ではあるし、目新しさはないと思う。
でも日本人としてはこういう話はすごく引きこまれてしまう。

生きることにこだわり、”臆病者”と言われた祖父がなぜ特攻隊に志願したのか?というところだが、これは読んでいて戦争に対して怒りも感じるし、やるせなさも感じるし、いろんな感情が沸き起こった。
でも部下を特攻に送らなければならない上司の気持のようなものが痛いほどよく理解でき、かなりグッときた。
特攻隊を扱う小説は、作者の思いが強すぎたりして特攻隊員を良く描きすぎているというか、美化されているというか、特攻隊員たちの生身の人間像が見えてこなかったりするものもあるが、人間くさく描かれていて違和感なく読めた。

戦時中のエピソードの濃さと比べると、祖父の事を調べる姉弟と姉の彼氏のジャーナリストの現代のエピソードはなんだかなぁ・・・
というかこの3人があまりにも薄っぺらすぎるのはわざとだろうか?
特にジャーナリストは必要以上に胸糞悪くなるような描き方されていて、しかも姉よ・・・なんかすっきりしない。
戦時中の話でウルウルきていたときに、現代に場面転換して、この3人がいろいろと・・・もうちょっとひっこんでてくれ、と少し思ってしまった。

姉弟の育ての祖父?というのだろうか・・・彼の話は少しご都合すぎではないかと感じたのだが、よく考えるとこんな話は普通にあったんだろうな・・・と思った。
育ての祖父の話は戦友への思い、尊敬する上官への思いに夫婦愛、いろいろ涙が出そうになったのだが、この姉弟の薄っぺらい台詞でちょっと涙がスーッ引いていった・・・
これ狙ってやってたらある意味凄いなぁ。

そういうわけで個人的にはこの姉弟とジャーナリストが話の腰を折ってしまう構成がすごく気になってしまったが、戦争物、特攻隊ものとしては心震えるものはあったように思う。

永遠の0 (講談社文庫)

コメント

[コメントをする]

1 ■同感です

私も現代のエピソードはなんだかなあと思いました。
この部分は別になくてもイイんじゃないかなあと。
まあそんなこと言ったらただのノンフィクションもどき
・・・みたいになってしまうんでしょうけども。

それを差し引いても一読に値する本ですよね。

2 ■Re:同感です

>きなこさん
最初は薄っぺらでも、姉弟の成長みたいなのがあったらまた違ったのかもしれないですよね。
これまでの小説や映画の特攻隊員は
「国や愛する者のために特攻に行って死ぬ」
という感じだったと思うので、おじいさんは死ぬのはNOなので、特攻隊小説では新鮮でリアルに感じました。

3 ■初めまして

カワベさん、TBありがとうございます。

現代の部分、自分も確かに薄っぺらい感じがしました。
ただ、戦時中のエピソードが重い分、対照的なテンションの現代のエピソードがあることが、読んでいて気分転換になるのかなぁ、と(…好意的に)解釈しています。
ずーっと戦時中のテンションだと息苦しくて、ちょっと辛すぎます(苦笑)。

粗っぽいとこもある小説だと思いますが、その分真っ直ぐにぐっと胸にくるとこも多くて、とっても印象に残りました。

4 ■Re:初めまして

>naohitoさん
もしかして過去のエピソードをより印象的にするために、現在を対照的にしたのかもしれないですね。
過去のエピソードの1つ1つがインパクトありました。
特に育ての祖父のエピソードはとてもグッときました。

コメント投稿

一緒にプレゼントも贈ろう!

トラックバック

この記事のトラックバック Ping-URL :

http://trb.ameba.jp/servlet/TBInterface/ticket-cafe/10680334401/a769bad5

  • 1 ブログタイトル:ひろの東本西走!?
  • 記事タイトル:永遠の0 ゼロ (百田尚樹)
  • 記事概要:永遠の0 ゼロ (太田出版、講談社文庫)★★★★☆’:85点 私にとって今年のベスト1候補である「ボックス!」の著者がこんな小説を書いていたとは!いや、逆に、この小説を書いた著者が次に「ボックス!」
  • 2 ブログタイトル:映画の話、本の話。
  • 記事タイトル:『永遠の0』
  • 記事概要:ぐっときました。 久しぶりに本を読んでいて、 泣きそうになりました。 本屋で平積みされていて、 「2009年 最高に面白い本大賞 文庫・文芸部門 BEST10 第1位」 という帯にも惹かれて、 何気なく手に取りました。 文庫後ろのあらすじを ほんの軽く読
  • 3 ブログタイトル:へのへのもレじ堂@村ぶろ
  • 記事タイトル:部屋干し 永遠の0
  • 記事概要:★昨日は一日中雨でしたな。しかも結構強く降ったもんだから家中が湿っぽくなって困った。雨が降ると外に洗濯物を干せない。その場合いつも洗濯物は、デスクトップパソコンを置いて...

Amebaおすすめキーワード

    アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト