2009-05-22 20:32:36

野元甚蔵さん報告会

テーマ:チベット


チベせん日記


戦前にチベット入りを果たした10人の日本人の最後の生き残りである野元甚蔵さんの報告会に行ってきました。


野元甚蔵さんは御歳92歳!

1939年、陸軍特務機関の諜報員として当時外国人の入国が厳しく制限されていたチベットへ、モンゴル人学僧になりすまし、アンチン・ホトクトの一行に紛れ込んで潜行。シガツェを中心に日本人であることがバレかけて脱出するまでの一年半、中共侵攻前のチベットに滞在したお方である。

滞在中、即位したばかりの4歳のダライ・ラマ14世が輿に担がれてノルブリンカへお入りになるところを当時のラサの町で見ていたという伝説の人物。


ご著書は持っているものの、まさかそのご本人のお話を直接伺うことができるとは思ってもいなかったので、平日だったがなんとか仕事のメドをつけ上京した。


会場に着くとさすが野元甚蔵さんが講演されるとあって、日頃チベット関係のイベントで講師をされているようなお歴々が完全にwktk状態で着席している(笑)

しかも『地平線会議』の報告会なので来場者の多くが見るからに旅の猛者といったような野獣臭たっぷりの(失礼・笑)冒険家ばかり。


報告内容は前半がモンゴル語学研修生として派遣された内モンゴルのニマメイリン宅で過ごした遊牧民生活、後半が関東軍の要請でアンチン・ホトクトの一行に紛れ込んで入蔵を果すまで、その他、当地での暮らしと文化や、戦後40年ぶりに鹿児島でダライ・ラマと再会する話など、お話の内容自体はご著書の中味を簡単になぞるようなものだったが、そんなことよりも話し方の節々から伝わってくる実直なお人柄に来場者一同、感銘を受けている様子だった。最後に、


「心を持って接すれば気持ちは伝わるということを私は彼らから教わりました。滞在中も色々な人に助けてもらいましたし、それがなければ私一人の力ではとても無理でした。その後の人生を有意義に過ごすことができたのもその教えがあったからです。私はそれを教えてくれたモンゴル人、チベット人に大変感謝しております


とおっしゃっていたが、これはチベット行が決まった時、現地情勢の教えを請いに当時仙台に住んでいたチベットの先覚者・多田等観を訪ねた折、等観から、


「いつ、どこにおいても人と交わるには誠をもってせよ。たとえ言葉の通わぬ未開地域の人々でも、真心は通ずるものである。」


との薫陶を受け、その教えを忠実に守り、現地で実践された野元さんのお人柄の賜物だろう。


極秘任務だった為にチベット潜行の話を戦後も黙して語らず、同じアパカ機関の同僚たちですらほとんど知らなかったというから驚きだが、大変な苦労をして入蔵、滞在を果し、その後、これまた大変な苦労をして脱出、カルカッタでイギリス官憲の厳しい目をかいくぐって日本船に乗り込み、やっとの思いで数年ぶりに祖国の地に降り立ったというのになんと一泊もせず、その足で入蔵報告をするべく満州に渡ったというから驚愕である・・・。


この辺りのお話も是非伺いたかったのだが、残念ながら時間の都合上、伺うことはできなかった。その代わりに、関東軍司令部に提出した極秘報告書、『入蔵記』のコピー(ご本人がお持ちだった原本はソ連侵攻後、証拠隠滅の為、満州で焼却処分したとの事)を会場にお持ちになっており、その報告書がダライ・ラマから下賜されたプラチナの指輪よりも、アンチン・ホトクトから頂いた数珠よりも、注目の的だった。

うーむ、やはりここに集まっている面子はフェティズムの方向性に若干スパイスがかかっているなw


チベせん日記

ダライ・ラマ法王から下賜された指輪を片手に説明する野元甚蔵さん


報告会後、屈強な冒険野郎どもがチビっ子のように目を輝かせてサインをもらいに列をなしている姿は微笑ましかったが、特別に面白い話をしたわけでもないのにわずか二時間という時間でこれだけの人を魅了してしまうのはやはり野元甚蔵さんという方のお人柄に尽きるのだろう。

上手く文章で説明できないのが大変残念だが、(あぁこういう方が本来の日本人、そして残念ながら最後の日本人になるんだろうなぁ)と思ったのは決して自分だけではあるまい。


野元甚蔵さんのお話を伺うという大変貴重な機会を作って下さった地平線会議の皆さまにこの場を借りて感謝すると共に、“ノムタイ”はまだまだお元気そうなのできっとまたお話を伺う機会があるだろう。その時はアパカ出身の内モンゴル人の知人も誘ってまた是非参加したいと思う。


散会後、地平線会議の?打ち上げ的なものにお誘い頂いたのだが、会場に行ってみるとすでに旅の猛者たちがわんぱくに食い散らかしており、席の空きも無さそうだし、あまり近づくと妊娠しそうなので、遠慮することにして我々遭難者5名は近場のミャンマー料理屋、『ミンガラバー』に緊急ビバーク。ノンミートのヘルシーな料理を堪能しつつ、報告会の余韻に浸たったのでした。(と、書いておくが実際は毒舌満載の突っ込み合いだったことをここにコッソリ記載しておく)


おわり








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