先日の講演の話の続きです。
まずは発達障害の人の対応について。
発達障害(アスペルガー)の人は言外の意味を汲み取れないらしいです。
指示した言葉の先にあることを予測して行動することができないということ。例に挙げられたのは、「お風呂を見てきて」と頼むと本当に見るだけで、言外に「水を入れているから溢れそうになってたらとめておいて」という部分が理解できないそうです。
我々には理解できないところがあります。
ただ、特徴として自分の得意なことに集中が持続するとのこと。
松崎先生はこの「得意なことへの集中」という長所を活かして、組織では超専門職として育成するのがよいと話されていました。徹底的に育成すれば組織の中で力が発揮する可能性がありますね。
新型うつに関しては次のようなお話しでした。
松崎先生によれば、新型うつの人を「未熟」であるとのこと。
「未熟」であるならば、成熟するように支援すれば良いという考えが大事なようです。
新型うつの特徴は以下のようなものがあります。
・情緒的コミュニケーションができない
・キレやすい(キレるのは退行している)
・自己中心で他罰的
・根拠のない万能感
・失敗は上司のせい
・嫌いなことはしない
・周囲に陰性感情を呼び起こしやすい
このタイプの人はうつであると言って傷病休暇を使ったりするのですが、その期間中に好きなこと(例えば旅行)は問題なくできてしまいます。そしてそれを「こんなところに来ています♪」のように嬉々として同僚に伝えたりします。これも我々には理解しがたく、休んで周囲のメンバーに迷惑をかけているのに遊んでる(怒)といった感情を引き起こします。
特徴をみるといくつかは昔の自分に当てはまっている気が…当時は新型うつという言葉がなかったのですが、昔の私は新型うつだった?というより松崎先生のおっしゃる「未熟」だったのですかね(汗)
新型うつは病気には入らないという見方もあるようですが、組織で起きていることなので対応する必要はあります。ポイントは「陰性感情」の扱いのようです。
このタイプの行動は「理解できない」「病気と言いながら遊びやがって」「君がいないせいでこっちのやることが多くなってんだ」などのその人に向けて起こるマイナスの感情です。
これはまず相手に「共感」して、自分の陰性感情を処理してマネジメントしていくことがひとつの対応だそうです。「共感」はスキルであるので、周囲や上司がそのスキルを身につけることで自分の陰性感情をコントロールしていくとういことです。
どちらのタイプも組織からオミットするのではなく、その特徴を活かして組織における人材としていくという考え方のパラダイムシフトが求められているということです。
人員を簡単に増やすことが難しいことから、どのように人を人材として活用していくかを考えることは大事ですね。
松崎先生の話で一番なるほどと感じたのは次のことです。
メンタルヘルス(労務管理)と人材開発を連動させる
これまでメンタルヘルス対策の効果がでた後に人材開発していくというイメージがありましたが、両方を考えながら施策を考えることが組織で人材を活かすことに繋がるのだなあと感じました。
メンタルダウンを未然に防ぐこととと合わせて考えていきたいものです。