初めまして防災隊長と申します。

今回の東北沖大地震は本当に恐ろしい出来事でした。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復興を願っています。


そんな中今の自分に出来ることはなにかと考えてこのブログを立ち上げることにしました。かつて色々な防災グッズを扱ったことがある経験から少しでも皆様のお役に立てればと、現在入手可能ないろいろな防災グッズや災害対策、防災アイデアを紹介していきたいと思っています。

皆様のお役に立てれば幸いです。

さて、第一回の今日は一番基本になる72時間キットについてご紹介します。

防災グッズ探偵団-72時間キット
72時間キットは通常「非常用持ち出し袋」などと日本では呼ばれています。つまり、とっさのときに持って逃げられ、しかもそれによって72時間生き延びることが出来るものが詰まった持ち出し袋のことです。

「なぜ72時間なのか?」と申しますと、実は大災害発生時から物資が届けられ、あるいは救出されるまでに少なくとも72時間はかかる場合があると想定されるからです。自分達だけの力でなんとか生き延びる方法、これが72時間キットなのです。最近では世界で恐ろしい災害が多発しており、72時間ではなく96時間にしようという動きも出てきています。あなたのお住まいの場所、状況によって必要なものを揃えてください。

72時間キットは「生き残る」が目的です。ですからそれをまず第一に揃えます。じつは非常用の持ち出し物というのは揃え始めればキリがありません。ですから何が自分に一番必要かを考えて、妥協を含めた淘汰を繰り返し、最終的に一番必要なものを選び出すことが必要です。なかなか大変な作業です。

集めるものは人によって違います。ですからこれというものを指定することはできません。考えても見てください。男と女で必要なものは違いますし、大人と子供でも必要品は変わります。ですから、一人ひとりに必要なものを選びだすことが必要です。よく、すでにそろったセットが売っていますが、もちろんそれでもないよりはマシですけど、やはり、自分専用に選ぶのが一番大切です。

それでは大体どのような72時間キットを作っていけばよいのかをこれから説明していきます。いきなり全てを購入して集めず、まず最初は紙に書き出して、必要なものだけを選択していきましょう。

72キットを入れる袋
まずは入れ物です。体のサイズに合わせて持って逃げれる程度のものにする必要があります。赤ちゃんは別にして、子供にもそれぞれ持てる程度のものを準備してあげましょう。非常用のものとなると意外に安物で済ませたくなるものですが、災害時の状況は過酷です。出来るだけしっかりしたものを手に入れてください。高価な新品を買う必要はありません。中古でもしっかりしているものを選びましょう。
大きさの基準はその袋半分くらいにお米を入れて抱えられるかどうかで判断することが出来ます。

基本的に入れるもの
基本的に72時間を生き延びるためには以下のような物が必要です。
● 懐中電灯 (電池不要のものか長時間持つLEDライト)
● 水 (最低でも500ml1本は入れておきます)
● 応急手当のための薬や包帯、絆創膏、塗り薬
● 携帯短波ラジオ(なるべく電池不要のもの)
● 食料(調理しなくてもすぐに食べれるもの3日分)
● 服(ジャケット、下着、シャツ、ズボン等)
● 雨合羽
● 軍手
● マスク
● 折りたたみ式簡易バケツ (水を汲むためや給水車から水を分けてもらうのに使う)
● 缶きり(缶詰を見つけたときの缶きりのない恐ろしさを想像すると・・・)
● 緊急用毛布 (布タイプとアルミ箔(?)タイプ)
● ライトスティック (折ると発光するもの、懐中電灯が濡れて使えなくなったとき使用)
● 現金
● 家族の写真と個人情報(ラミネートして)
● ペンと紙(必ず役に立ちます)
● 太いマジックペン(避難所に移動する際等に家族へ分かりやすいメッセージを残せます)
● ガムテープ(骨折した骨を固定したり、テントを作ったり、いろいろ役に立ちます)
● トイレットペーパー(芯を抜いてつぶした状態でビニール袋に入れます)
● ゴム手袋(知らない人が出血している場合感染症を防ぐのに必ず必要です)
● 新聞紙(トイレの代わりや断熱材になるので一つ入れておきましょう)
● スプーン・フォーク
● ナイフ(ドライバーや缶きりがついていると便利です)
● ライター(役に立ちます)
● 手ぬぐい(タオルと違って、強く、かさばらないので、とても便利です)
● ビニール袋や大きなゴミ袋
● 消毒液/スプレー 
● 飴・キャンディー

懐中電灯や予備の電池にはマンガン電池を準備します。アルカリ電池はパワーがありますが、実は自然放電してしまうのです。長期に保存しておくならマンガン電池がお勧めです。水や食料は一年に一度は交換します。ラジオは近隣の放送局もつぶれてしまう可能性があるので短波放送をキャッチできるものがお勧めです。また避難所生活では迷惑にならないように、イヤホンも忘れずに入れましょう。食料は自分が怪我をして動けない場合もあるので、調理しないですぐに食べれるものを揃えます。服はなるべく軽くてかさばらず、体温を逃さない素材を。体が濡れてしまった場合の着替えになりますので濡れないようにビニール等で包んで空気を抜き、小さくしておきます。アルミ箔のような見栄えの緊急用毛布はNASAが開発した宇宙服素材で、体温を90%も逃さないように出来ているのでいくつか揃えておくと便利です(安価ですし)。2枚張り合わせると寝袋にもなります。現金は絶対必要です。災害直後はクレジットカードなどが使えないため、現金でしか取引が出来なくなります。また公衆電話をかけるためにも小銭を少しは準備しておきましょう。はぐれてしまった家族を探すのに写真は重要です。濡れても大丈夫なようにラミネート処理をしておきます。また、保険の番号や、銀行口座、親戚の電話番号などの個人情報を載せた紙も同様にして保存します。ただ、情報が盗まれないように、暗証番号などは暗号化することをお奨めします。小さなビニール袋を何枚か入れておくと、新聞紙と併用して簡易トイレが作れます。大きなゴミ袋はテントや雨合羽の変わりになります。失われる糖分を補うのに場所をとらない飴やキャンディーを入れておくと重宝します。


個人の状況に合わせて
● めがね
● 個人の持病のための薬
● 病院や主治医の連絡先
● 小型の聖書や経典、先人の言葉集など

個人専用でどうしても必要なものがあるかどうか、例えば数週間何も状況を想像してみましょう。例えば72時間過ぎて救出されても個人だけに必要なものはなかなか手に入りません。よく考える必要があります。また気持ちがかなり落ち込んでうつの状態にもなりやすいため、聖書など、自分の宗教や考え方にあった、自分の心を励ましてくれるような小さな読み物があると良いかもしれません(ホテルなども自殺者防止に聖書を置いています)。


女性のために
● 生理用品
● 化粧道具
● サニタリーグッズ
● 手鏡 (割れないもの)

女性に必要な生理用品は当たり前として、避難所等ではトイレ等が大変不衛生になり、男女共用ということもあって、トイレシートや殺菌剤などがあったらと思うこともありますので、十分考慮してください。また、簡単な化粧道具がそろっていると、気持ち的に安心できます。



赤ちゃんのために
● オムツ
● ミルク
● 着替え
● お尻拭き
● 予防接種の記録
● 毛布やタオル

災害時に一番ダメージを受けやすいのが赤ちゃんです。守ってあげるために何ができるのか考えてみましょう。


子供のために
● おもちゃ
● ゲーム 
● トランプや塗り絵
● 本

避難所等での子供の最大の敵は「退屈」です。子供の72時間キットにはその対応策を考えて役に立つものを入れておきます。


あると便利
● マルチビタミン剤
● 植物繊維サプリ
● 太陽電池等による携帯の充電器
● うちわや使い捨てカイロ
● 目薬 (災害時には大量の誇りやゴミが出ます。目を洗い流せるような物が便利です)
● 体温計

避難時には救出された後も過酷な食糧事情が続きます。過去の救援物資を見てもほとんどが炭水化物中心の食事になり、体のバランスが崩れます。ビタミン類や繊維類が不足しますので、あると便利です。また住む場所が森や山に近い場合、熊等の野生動物が食料を求めて襲ってくることもあります。そういう状況が考えられる地域では小型のペッパースプレーなどの準備も必要かもしれません。


外側につけよう
● ホイッスル笛
● 夜光塗料のついた布やパネル
● とりあえず使える小さなライト

袋の外側にはすぐに使えるものをつけておくと便利です。例えば、怪我をして声が出ないとき、笛を吹いて救出を求めます。袋の外側にはあまりひもやロープをつけないようにしてください。緊急時にどこかに引っかかって逃げ遅れたりします。

まとめ
72時間に調理器具などを入れておく人もいますが、あくまでも「生き抜くこと!」が基本です。すぐに使え、楽に使え、かさばらず軽い、そういうものを揃えましょう。また重さや量もそれを抱えて全力速で走れなければいけません。まず、紙に書き出し、必要なものだけを選択し、実際に商品を見て一番良いと思われるのもを揃えるようにしてください。

防災グッズ探偵団

ちなみにこちらが私の72時間キットです。私の家族が全員それぞれの袋を持っていますが、中身はそれぞれ違います。また毎年4月の第一週を点検時期と決めて、食料や水を入れ替えています。

皆さんが非常時に備えて準備できますように。

次回は「足元の備え」をお送りしようと思います。

それではまた